生成AI・LLM

105本(新しい順)

乳房画像検査のレポートをChatGPT-4で平易にした文章と放射線科医が平易にした文章を、患者に比べてもらった前向き多施設研究という論文。

  • 超音波とマンモグラフィの匿名レポート10本が対象。AI版は50語以内とし、由来を伏せて患者314人が計2965評価を行った
  • AI版が選ばれたのは63.3%(1876/2965)。平易さの高評価は70.0%対43.4%、分かりやすさの高評価は68.1%対40.4%でAI版が多かった
  • 対象レポートは10本に限られ、調査形式の研究。AI版の選好と教育歴の関連は有意差に届かない傾向にとどまった

出典:Insights Imaging / Large language model-based simplification of breast imaging reports: a prospective multicentre study with 2965 patient-based evaluations.

サトシサトシ
薬の説明文でも、正確さと分かりやすさはよくぶつかります。好まれた文章が正確かどうかは、別に確かめる話だと思います。
ニュース 生成AI・LLM 2026-11-01

米Doximityが臨床AIツールに、AIが出した用量をFDA添付文書などと照合する機能「DoseCheck」を加えたことについて、Fierce Healthcareが報じました。

  • LLMに別のLLMを確かめさせるのではなく、FDA添付文書や診療ガイドラインなどの構造化された情報とルールで照合する仕組みだと同社は説明している
  • 同社が9つのAIモデルに実際の医師の質問に基づく8000問超の用量の質問をした検証では、用量の記述の少なくとも2.3%が誤りで、見つかった誤りの43.8%が重大または致死的になりうるものだったという
  • 誤りの原因には新薬の用量、腎機能や年齢など患者ごとの条件の見落とし、単位や小数点の間違いが挙がっている

出典:Fierce Healthcare / Weekly Rundown: Doximity launches DoseCheck; AI recommends costlier care than doctors, study finds

サトシサトシ
腎機能の見落としや単位の間違いは、薬剤師が疑義照会で拾ってきた誤りそのものです。用量はルールで照合する、という割り切りには納得感があります。
ニュース 生成AI・LLM 2026-10-29

FIXERが医療事務支援サービス「AI医事課長」に、経営分析レポートを自動作成する機能を加えたことについて、医療テックニュースが報じました。

  • レセプトや電算請求のデータをもとにAIがレポートの下書きを作り、医事課職員が確認して出力する。チャットで修正指示も出せる
  • 同社によると、約8時間かかっていたレポート作成が2時間程度になるという
  • 突合点検結果通知書や過誤再審査通知書などPDF形式も取り込めるようにした。都道府県ごとに異なる様式をAIが解析するとしている

出典:医療テックニュース / FIXER、医療事務業務支援「AI医事課長」にAIレポート機能 レポート作成が8時間から2時間に

サトシサトシ
返戻や査定の通知書は様式がばらばらで、集計が地味に大変なところです。そこを読めるなら医事課の手間はかなり変わると思います。
ニュース 生成AI・LLM 2026-10-28

臨床向けAI検索エンジンの米Vera HealthがシリーズAで2850万ドルを調達したことについて、Fierce Healthcareが報じました。

  • Threshold Venturesが主導し、Optum Venturesなどが参加した。累計調達額は3200万ドルになるという
  • 同社によると、査読論文やガイドライン、添付文書など6000万件超を検索対象とし、190カ国の80万人超の臨床医が使っている
  • 記事はUpToDateやOpenEvidence、OpenAIやAnthropicなどとの競争が激しくなっていると伝えている

出典:Fierce Healthcare / Vera Health secures $28.5M series A for AI-driven clinical search engine

サトシサトシ
社員12人で80万人という数字に驚きます。根拠の論文を先に探してから答えを書く設計は、薬の情報を調べる側としても安心材料です
論文 生成AI・LLM 注目 2026-10-27

受診前に検査所見をAIで平易な要約にして患者へ渡すと、外来の診察や対話がどう変わるかを調べたNEJM AIのランダム化試験という論文。

  • ドイツの脳神経外科外来1施設で成人300人を1:1に割り付け、品質確認済みのAI要約を受診前に渡す群と通常診療群を比べた
  • 患者評価の医師患者関係スコアは4.42対4.25(P=0.005)。診察時間の中央値は25分対33分で、相対的に約21%短かった
  • 医師が自己評価した自律性支援はわずかに低下した。副次評価項目は多重比較の補正をしておらず、臨床転帰への影響は未検証

出典:★NEJM AI / Effect of Previsit AI-Generated Document Summaries on Consultation Time and Patient-Physician Communication - The AI-INFOCARE Randomized Controlled Trial.

サトシサトシ
要約を読んで来た患者さんとは、最初の説明を飛ばして相談から始められるのだと思います。8分の差は外来では大きいです
リリース 生成AI・LLM 2026-10-27

MediCEが、診療報酬や施設基準の疑問にAIが答えるクリニック向けサービス「診療報酬サポートAI細谷くん」を10月30日に提供開始するという発表。

  • 対象は医科クリニック。普段の言葉での質問に加え、点数表・留意事項・疑義解釈の検索、院内ナレッジ、対応事項と期限の管理を備える
  • 提供開始は2026年10月30日。同日の第30回日本医業経営コンサルタント学会東京大会で初公開する。価格はリリースに記載がない
  • 診療報酬の支援に長く携わる細谷邦夫氏が開発に参画。同氏は最終判断は点数表や通知、疑義解釈の確認が必要だとしている

出典:株式会社MediCE / 株式会社MediCE、診療報酬の確認から院内対応まで支援する   「診療報酬サポートAI細谷くん」を10月30日より提供開始

サトシサトシ
算定の疑問を聞いて終わりにせず、届出や設定変更の担当と期限まで管理する作りが実務的です。薬局版も欲しくなります
ニュース 生成AI・LLM 2026-10-27

米UnitedHealthcareが加入者向けの生成AIアシスタント「Avery」の対象を2100万人に広げたことについて、Fierce Healthcareが報じました。

  • Averyは控除額や自己負担上限、提供者ネットワーク、価格、請求処理などを案内する。導入当初の対象は雇用主プランの約650万人とMedicare Advantageの16万人だった
  • 同社によると、これまでの問い合わせの90%をAveryが解決し、残る10%は人の担当者へ引き継いだ
  • 加入者に代わって医療機関に電話し、予約を取る機能も開発中だという

出典:Fierce Healthcare / UnitedHealthcare expands AI companion Avery to 21M members

サトシサトシ
保険者側のAIが予約まで代行し始めると、医療機関の電話の相手がAIになる日も近そうです。受ける側の準備も気になります
リリース 生成AI・LLM 2026-10-26

プレシジョンが、約3万例の疾患因果ダイアグラムで国産LLM「LLM-jp-4」を追加学習し、実在しない病名の提示が減ったと報告した発表。

  • 内閣府SIPの研究の経過報告。医師が作成した症例問題のうち学習に使っていない100問で、追加学習の前後のモデルを比べた
  • 辞書にもWebにも無い病名の割合は15.5%から3.0%に、正解疾患を上位10件に挙げた率は27%から65%に上がったと同社は説明している
  • モデルは研究段階で医療機器の承認は受けていない。成果を使った医療用日本語入力「今日の医療AI日本語入力」は2026年10月から販売する

出典:株式会社プレシジョン / 【研究経過報告】症例報告を学んだLLM-jpベースの医療特化のエージェントLLM、ハルシネーション病名を8割削減

サトシサトシ
薬剤名の変換ミスは薬局の疑義照会のもとにもなるので、文章を生成しない日本語入力という割り切り方は現場向きだと思います。
ニュース 生成AI・LLM 2026-10-26

富士フイルムシステムサービスが、AIで医薬品関連の文書を作成・審査するシステムを12月まで検証することについて、日本経済新聞が報じました。

  • 医薬品関連文書の作成サービスを手がけるEPファーマラインと共同で、7月から実務環境で検証している
  • 製薬会社が医療従事者向けに使う資料の文書案をAIが作成し、薬機法などとの整合性を確認して修正候補を示す
  • 作業時間の短縮効果などを評価する。実用化の時期は未定としている

出典:日本経済新聞 / 富士フイルム系、AIで医薬品関連の文書作成 製薬会社向けに支援

サトシサトシ
製薬の学術資料は薬局にも届くので、薬機法チェックの精度は気になります。人の負担が集中する工程から入るのは理にかなっています。

画像や波形など複数の臨床モダリティを扱う推論型の基盤モデル「QoQ-Med3」を開発し、未学習の課題や他施設データへの汎化を調べたという論文。

  • 公開臨床データで学習した2モデルを、未学習のモダリティと課題、施設の異なる外部データ、施設間のばらつきへの頑健性で評価した
  • 全体のbalanced accuracyは71.3%、F1は0.349でGPT-4oを含む既存モデルを上回った。学習後に外的ハルシネーション率は44.4%低下した
  • 公開データのみの学習でMIMIC-IVとジョンズ・ホプキンス大の非公開データにも汎化した。臨床現場での前向き検証は行っていない

出典:★NPJ Digit Med / QoQ-Med3: a multimodal reasoning foundation model for clinical analysis.

サトシサトシ
F1が0.349という数字を見ると、GPT-4o超えでもまだ任せられる水準ではないと感じます。汎化を正面から測っている点は好きです。
ニュース 生成AI・LLM 2026-10-25

中国のネット大手が名医の「デジタル分身」などAI医師サービスに相次いで参入していることについて、財新の記事として東洋経済オンラインが報じました。

  • アントグループは2026年8月、一般向けAI健康アシスタント「阿福」の医師向け版を公開。医師ごとのAI分身が患者の問い合わせに24時間対応する
  • 同社によると阿福は5000超の病院、約30万人の医師とつながり、ユーザーは1億人を突破。半数以上が地方都市からの利用という
  • 中国の医療行政当局は、AIを含むオンライン医療で初診や確定診断を認めないなど利用範囲を制限している

出典:東洋経済オンライン / 中国のネット大手が「AI医師」サービスに続々参入 アント、京東、バイトダンス…ビジネスモデルはまだ手探り

サトシサトシ
医師の分身が患者の問い合わせに答える形は、薬局の服薬フォローにも近い発想です。日本だとまず医師法との線引きが議論になりそうです

肺がんの実症例150例で、GPT-5とGemini-2.5-Proの治療推奨を多職種カンファの方針と比べたという論文。

  • 連続150例を構造化した症例文にし、情報量3段階と自然文・JSONの2形式で入力した。各モデルの1文の推奨を10の治療カテゴリに分けて比較した
  • 最良はGemini-2.5-Pro(情報量最大・自然文)で正解率0.8647、F1 0.7603。GPT-5は同条件で正解率0.7967、F1 0.6826だった
  • GPT-5はJSON入力で再現率0.9132まで上がったが、適合率とF1は下がった。基準はMDTの方針で、ガイドライン上の正解ではない

出典:BMC Med Inform Decis Mak / LLM-assisted multidisciplinary decision-making in lung cancer: efficacy of Gemini-2.5-Pro and GPT-5 in a real-world MDT setting.

サトシサトシ
入力の形式で成績が変わるのが実務的に効く話です。カンファ資料をどう整えて渡すかが、モデル選びより先の課題かもしれません。
ニュース 生成AI・LLM 2026-10-24

Microsoftの診断AI「MAI-DxO」が難しい症例で一般医の2倍超の正解率を示した研究がScienceに掲載されたことについて、韓国の毎日経済が報じました。

  • NEJMの症例304件を、初期症状から質問と検査を選ばせて診断させた。検査ごとに費用を課す「順次診断ベンチマーク」で評価した
  • MAI-DxOの正解率は83.2%、一般医は36.1%だった。救急入院325件では80.3%対46.8%と記事は伝えている
  • GPT-5単独でも78.9%で、上乗せは約4ポイントだった。比較相手は専門医ではなく、治療判断や患者安全は評価していないという

出典:매일경제 / マイクロソフト(MS)が開発した人工知能(AI)診断システムが複雑な疾患を診断する試験で、実際の医師より2倍以上高い精度を記録した。 複数の医師が集まって意見を交わすように、AIが自ら質問し、検査を選..

サトシサトシ
仕組みの上乗せより基盤モデルの伸びが大きいという数字のほうが印象に残りました。BIDMCでの実患者検証の結果を待ちたいです。
ニュース 生成AI・LLM 2026-10-21

MedTech Groupが対話型AIで医療従事者の疑問にその場で答えるワークフローの提供を始めたことについて、医療テックニュースが報じました。

  • 「AI Hippo 医療Loop」上で、病名や症状、薬剤、医療用語の確認、ガイドラインの参照・要約、院内マニュアルの検索に対応する
  • 医師、看護師、事務スタッフの利用を想定する。AIは情報整理と検索を支援し、最終判断は医療従事者が行う設計としている
  • 価格や導入施設、回答精度の検証結果は記事中に示されていない

出典:医療テックニュース / MedTech Group、対話AIが医療現場の疑問に回答する新サービス 教育・確認業務を支援

サトシサトシ
「忙しい先輩に聞きにくい」は薬局でもよくある悩みです。院内マニュアルを正しく引けるかどうかが、使われるかの分かれ目だと思います。

MASLDの消化器・肝臓eConsultについて、OpenEvidenceが作った回答と専門医の回答を盲検で比べた論文。

  • 大学病院の2020〜2024年のMASLD eConsult 125件に、標準化プロンプトでOpenEvidenceが作った回答を対にし、医師5人が盲検で評価した
  • OpenEvidence側が品質スコアで平均6.4点高く(P<.001)、情報量が適切と評価された割合も70.9%対33.9%だった
  • 125件中12件に軽微な誤り、1件に重大となりうる誤りがあった。単施設の後ろ向き研究で、評価は見た目の質と情報量

出典:Mayo Clin Proc Digit Health / Large Language Model-Generated Electronic Consultations: A Blinded Comparative Study of OpenEvidence and Gastroenterologist Electronic Consultations.

サトシサトシ
評価では勝っていても、125件に1件の重大な誤りをどう拾うかが運用の本題だと思います。誰が最後に目を通すかの設計とセットで見たい結果です。
ニュース 生成AI・LLM 2026-10-20

医師向けAIのOpenEvidenceとDoximityが、企業スパイや名誉毀損をめぐる訴訟で和解したことについて、Fierce Healthcareが報じました。

  • OpenEvidenceは2025年6月、Doximity側が医師を装ってプロンプトインジェクションで自社AIの情報を引き出したとして提訴していた
  • Doximityは否定し、名誉毀損や虚偽広告で反訴。両社は原則合意に達し、マサチューセッツ連邦地裁で全請求が取り下げられた
  • 和解の内容は公表されていない。証拠開示の途中での和解だった

出典:Fierce Healthcare / OpenEvidence, Doximity reach settlement in contentious AI legal battle

サトシサトシ
「ルールをそのまま書き出して」で中身を抜こうとしたという主張が訴状にあったのが印象的でした。医師向けAIの競争がそこまで来ていたということです。
ニュース 生成AI・LLM 2026-10-20

がんの相談や情報収集に生成AIを使う人が患者で7%、家族で8%だったという日本対がん協会の調査結果について、共同通信が報じました。

  • 今年3月に患者と家族の計約1万人を調査し、利用していると答えた427人に使い方なども尋ねた
  • 患者の相談内容はがん治療の情報が63%、症状・副作用が61%。情報が誤っていると感じた患者は66%だった
  • 一方で42%が病気や治療の理解が深まったとし、34%が受診の事前準備がしやすくなったと答えた

出典:47NEWS / 患者の7%、生成AI利用 がんの相談や情報収集で

サトシサトシ
誤りを感じた人が66%いても使う理由は「すぐ聞ける」。窓口で「AIに聞いてきた」と言われる場面は、薬局でもこれから増えると思います。
ニュース 生成AI・LLM 2026-10-20

オプティムが生成AIとスマホ、端末・ID管理をまとめた病院向け「OPTiM AI ホスピタル スイート」を9月30日に始めたことについて、Dellows Newsが報じました。

  • 医師向けに診療情報提供書や主治医意見書、看護師向けに看護サマリーの下書き作成を支援し、PC・スマホ・職員IDも一元管理する
  • 看護サマリーの作成時間は平均16分19秒から7分28秒へ54.2%減ったとオプティムは説明する。織田病院での自社調べ
  • 今後、DPCコーディングの見直しを支援する機能をオプションで載せる予定としている

出典:Dellows News / オプティム、病院向けパッケージOPTiM AI ホスピタル スイートを提供開始

サトシサトシ
生成AIと端末管理を一緒に売るのは、情シスが少ない病院には現実的な形です。セキュリティ対策の義務化と導入の話が一つにまとまってきました。
リリース 生成AI・LLM 2026-10-17

Incerto合同会社が、患者情報を院外に出さずに生成AIを使う「院内ローカルAI基盤」の提供を始めたという発表。

  • 院内に専用ハードウェアを設置してローカルLLMを動かし、導入前のセキュリティ点検から導入後の更新・保守までを同社が担う
  • 音声カルテAI、算定AIチャット、医療文書の作成支援、医療情報の検索チャットの4つのソフトウェアは無料で提供する。導入は約4〜6か月が目安
  • ハードウェア購入と導入・構築・保守の費用は規模や用途に応じた個別見積もり。対象は中小病院、診療所、医療法人グループなど

出典:Incerto合同会社 / 医療機関の機密情報を守りながら生成AIを活用する。Incerto、医療機関のセキュリティ強化とAI導入を一体で進める「院内ローカルAI基盤」を提供開始

サトシサトシ
ソフトは無料でもハードと保守は個別見積もりなので、総額がいくらになるかで判断が分かれそうです。算定AIチャットは医事課の人に感想を聞いてみたいです。

米国の臨床医約95万人がAI臨床情報プラットフォームOpenEvidenceをどう使ったかを、2.5年分の利用記録から分析した論文。

  • 2024年1月〜2026年6月のNPI認証済み臨床医アカウントを対象にした横断研究。3,880万件の質問を層別抽出し、LLMで目的と領域を分類した
  • 95万2,008人が2.71億件を質問した。質問の51.9%が臨床判断に関するもので、治療・管理が33.1%、診断は13.9%だった
  • 利用比は卒後10年以内の医師で2.54と高く、眼科0.23、放射線科0.24と低かった。専門外の質問は腫瘍内科35%、救急88%だった

出典:JAMA / Clinician Use of an Artificial Intelligence-Enabled Clinical Information Platform.

サトシサトシ
治療・管理の質問が3分の1という数字が気になります。用量や相互作用の確認がどこまでAIに流れているのか、薬剤師として知りたいところです。
リリース 生成AI・LLM 2026-10-15

GENSHI AIが、日本語の医療文書から生成AIで合成した100万件超の医療QAデータセット「GENSHI-MedQA-1M」を公開したという発表。

  • 独自に収集した日本語の医療文書179,479ページのうち、2010年以降の148,620ページを情報源として、LLMで質問と回答を合成した
  • 収録は1,005,231件。事実問題66.6%、推論問題21.7%、症例判断11.7%。次点の翻訳データ約52万件の約1.9倍と同社は説明している
  • 全件の人手検証は行っていない。非商用の研究に限り無償(CC BY-NC-SA 4.0)で、利用には申請と同社の承認が必要

出典:株式会社GENSHI AI / GENSHI AI、100万件超の日本語医療QAデータセット「GENSHI-MedQA-1M」を公開。日本語テキストの医療QAとして世界最大規模

サトシサトシ
日本の保険適用や承認状況まで学べる日本語データは、薬剤師の目で見ても足りていなかった部分です。人手で全件は検証されていない点も添えておきます。
ニュース 生成AI・LLM 2026-10-14

アステラス製薬がChatGPTをベースにした「アバター医師」でMRの会話力を鍛え始めたことについて、日本経済新聞が報じました。

  • 7月からアバター医師と面談する育成システムの活用を始め、すでに500人程度が使ったという

出典:日本経済新聞 / AIに負けない会話力 アステラスの薬営業、講師はAI医師

サトシサトシ
医師側もAIで情報を集める時代に、MRの練習相手もAIというのは皮肉で面白い構図です。薬剤師の服薬指導の練習にも使えそうです。

穿刺吸引・非婦人科の細胞診報告書を、院内で動かすオープンソースLLMで診断カテゴリに分類し、精度管理の作業を自動化できるか実データで評価した論文。

  • 2024年1月の細胞診報告書472件を、ローカル環境のDeepSeek-R1:32Bで処理し、細胞病理専門医1人の判定を正解として比べた
  • 分類の一致率は98.5%(95%CI 97.0〜99.3%、κ=0.973)で、誤分類は7件。確認にかかった時間は手作業の279分から4.15分に減った
  • 誤分類の多くは記載の曖昧さや施設ごとの解釈の慣習によるもの。単施設・1か月分の報告書での評価で、低確信度の出力は人の確認に回す設計だった

出典:Cytojournal / Automating fine needle aspiration and non-gynecologic quality control using a large language model: A real-world evaluation of diagnostic accuracy and efficiency.

サトシサトシ
院内に置いたモデルで、報告書の集計という地味な作業を片づけた例です。薬局の疑義照会の記録集計も、似た形で回せるかもしれません
ニュース 生成AI・LLM 2026-10-11

Sakana AIのLLM「Sakana Namazu」が、医師向け文献検索ツール「Evidence Finder」に採用されたことについて、AI Watchが報じました。

  • アイリスの検索・検証アルゴリズムが関連文献を選び、文献の比較・統合と回答の生成をSakana Namazuが担う構成にした
  • 評価用モデルは第120回医師国家試験で正解率96.4%。アイリスによれば、GENIACが指定する国産基盤モデルの最高得点にあたるという
  • AIが引用した文献の実在性を自動で検証する「Verify」機能を備え、医師が一次文献にたどり着ける設計としている

出典:株式会社インプレス / Sakana AIのLLM「Namazu」、医師向け「Evidence Finder」に採用

サトシサトシ
国試の点数より、引用文献の実在チェックが付いている点のほうが現場では効きます。薬の文献を引くときに使えるかは試してみたいです
論文 生成AI・LLM 注目 2026-10-10

患者と事前に問診の対話をするAI「AMIE」を、米国のプライマリケア急患外来で実際の受診前に使った前向き実行可能性研究がLancetに載ったという論文。

  • 単施設・単群で、成人114人が受診前の最大5日間にAMIEと対話し、98人が対話と受診の両方を終えた。対話は医師が監視した
  • 事前基準による安全停止は0件。監視医が指摘したハルシネーションは1件で、臨床評価者は17項目中87〜100%の対話を好意的と評価した
  • 記録を事前に読んだ医師44人中33人が受診準備に役立ったと回答した。比較群のない単施設研究で、資金はAlphabetが出している

出典:Lancet / Conversational diagnostic artificial intelligence in ambulatory primary care: a prospective feasibility study.

サトシサトシ
監視医が付いた条件での安全停止0件なので、無人で回すのとは別の話です。それでも受診前の問診をAIに任せる絵はかなり具体的になってきました

免疫抑制下のリウマチ患者の感染症について、LLM3種と感染症専門医2人の診断・検査・治療の正答率を比べたという論文。

  • トルコ語の標準化症例100例をGemini 3.1 Pro、ChatGPT 5.5、Claude 4.7 Opusと、資料を見ない専門医2人が解いた
  • 診断の正答率は専門医が91%と93%、LLMは97〜100%。症例全体を正しく管理できた割合は専門医83%と90%、LLMは97〜100%(p<0.001)
  • 正解が1つに決まった筆記の症例での比較で、人の比較対象は2人だけ。著者は実臨床での優位性を示すものではないとしている

出典:Rheumatol Int / Large language models in the diagnosis and treatment of immunosuppression-related infections in rheumatic diseases: a comparative, vignette-based study.

サトシサトシ
筆記の症例で専門医を上回るのは、もう驚く結果ではなくなってきました。日和見感染の拾い漏れ防止に使えるかは、実症例で見たいところです

リウマチ外来への紹介状の緊急度トリアージを、23種類のLLMが専門医の合意とどこまで一致するか調べたという論文。

  • 豪州のリウマチ医が作った紹介シナリオ20件を、23モデルがそれぞれ3回、簡単なプロンプトと詳しいプロンプトで5段階に分類した
  • 専門医4人の一致度はFleissκ0.60。最良のモデルは20件中18件で専門医の合意と一致し、詳しいプロンプトでモデル間のばらつきは5.3分の1に減った
  • 詳しいプロンプトではモデルの大きさや費用と精度の関係が消えた。一部のモデルでは緊急度を低く見積もる誤りが残り、人のトリアージとの直接比較はしていない

出典:Rheumatol Int / Automating the triage of rheumatology outpatient referrals: a comparative evaluation of 23 large language models under simple and advanced prompting.

サトシサトシ
高いモデルでなくてもプロンプト次第で精度がそろう、という結果は導入する側の予算の話に直結します。低く見積もる誤りの扱いが運用の肝になりそうです

慢性副鼻腔炎の手術適応の分類を、ChatGPT-5.5とDeepSeek-V3がEPOS 2020に沿ってどこまで正しくできるか比べたという論文。

  • 150例を耳鼻科専門医3人の判定を基準に、両モデルを3種類のプロンプトで評価し、研修医のAI補助ありとなしも比べた後ろ向き研究
  • 既定のプロンプトではDeepSeek-V3が81.3%、GPT-5.5が72.7%と差があったが、思考過程を書かせるCoTで95.3%と96.0%に並んだ(p=1.00)
  • AIの出力を参照した研修医の正答率は97.3〜98.0%で、参照しない研修医の72.8%を上回り、作業時間は43.0%短くなった

出典:World J Otorhinolaryngol Head Neck Surg / ChatGPT Versus DeepSeek in Resectability Categorization of Chronic Rhinosinusitis: A Comparison Based on EPOS 2020.

サトシサトシ
モデルの差よりプロンプトの差のほうが大きい、という結果が今日は2本そろいました。どのモデルを選ぶかより、使い方の設計に手間をかける段階なのかもしれません

神経ブロック前の超音波画像で、汎用のマルチモーダルAI(GPT-4.5)が示す標的領域を麻酔科医の判定と比べた論文。

  • 斜角筋間、鎖骨上、大腿、膝窩坐骨の4種のブロックの画像100枚で、経験のある麻酔科医3人の合意領域を基準にした。AIは各画像を3回評価した。
  • AIと専門家の重なり(Dice係数)の中央値は0.47で、専門家どうしの0.88を下回った(P<0.001)。中心のずれの中央値は6.85mmだった。
  • 修正なしで使えると評価された領域は5%だった。3回の評価間の再現性は高く(Dice 0.93)、毎回同じでも位置が正しいとは限らなかった。

出典:J Imaging Inform Med / Spatial Validation of General-Purpose Multimodal AI-Generated Target Regions in Peripheral Nerve Block Ultrasound.

サトシサトシ
毎回ほぼ同じ答えを返すのに、その位置がずれているというのは怖いところですね。安定して見えることと正しいことは別だと分かる結果です。
リリース 生成AI・LLM 2026-10-08

国立循環器病研究センター発のCubecが、医師の臨床疑問に答える無料の臨床ナレッジAI「Cubec」のスマホアプリを10月8日に公開したという発表。

  • 専門医が監修した独自の「医学ノート」、PubMed、医療用医薬品の添付文書を情報源に、自然文の質問に答える。「高速」「推論」「論文」の3つの回答モードがある。
  • 2025年5月のWeb版開始以来、登録医師数は2500人を超えた。利用の約70%は平日8時〜18時に集中していると同社は説明している。
  • iOSとAndroidで無料で提供する。回答の精度を検証した数字はリリースに書かれていない。

出典:株式会社Cubec / 臨床ナレッジAI「Cubec」、外来・当直の合間でも使いやすい無料スマホアプリを提供開始

サトシサトシ
利用の7割が平日の日中というのは、まさに外来の合間に調べている姿が浮かびます。添付文書まで引いてくれるなら、疑義照会の前後で薬剤師も使ってみたいです。
リリース 生成AI・LLM 注目 2026-10-07

ウィーメックスが薬局向けの「生成AI服薬指導提案機能」を10月下旬から正式に提供するという発表。

  • 受付時の処方、前回処方、過去の薬歴をもとに、服薬指導で患者に確認する事項の候補を生成AIが提案する。「生成AI薬歴入力支援サービス」の追加オプション。
  • 2025年9月から一部の提携薬局でモニター提供し、処方の新規追加や変更点を捉えた提案、低血糖やめまいなど具体的な確認項目の提示を加えたとしている。
  • 提案は「患者確認」「副作用」「受診目安」「相互作用」など目的別に整理して表示する。価格はリリースに記載がない。

出典:ウィーメックス(WEMEX) / 「生成AI服薬指導提案機能」を正式に提供開始

サトシサトシ
薬歴の入力支援から、指導の中身の提案へ一歩進んだ形ですね。前回から何が変わったかを拾ってくれるのは、忙しい時間帯の聞き漏れ防止に効きそうです。

ICU患者の薬物相互作用の検出で、ChatGPT-5とUpToDateの相互作用チェッカーを比べた横断研究の論文。

  • 成人ICU患者101人の処方を、2025年9月時点のAPI版ChatGPT-5に標準プロンプトで入力し、UpToDateを基準に診断性能を評価した。
  • 1人あたりの検出数は平均7.2件対1.1件。感度69.8%、特異度52.4%、陰性的中率36.7%で、両者の一致度はκ=0.19と低かった。
  • UpToDateでD・X分類の相互作用がなかった17人は性能解析から除外された。除外例を不一致と扱うと一致率は65.5%から54.5%に下がった。

出典:Front Pharmacol / Evaluating a large language model (ChatGPT-5) for detecting potential drug-drug interactions in intensive care: a cross-sectional comparative study with a clinical decision support system.

サトシサトシ
検出数が7倍というのは、薬剤師の立場だとアラート疲れの心配が先に立ちます。特異度52%では、監査の補助としてもまだ使いにくい印象です。

日常の血液検査パネルから内科の診断コード群を当てる機械学習モデルを作り、大規模言語モデル3種と比べた論文。

  • 内科の成人24万2648件の受診で、年齢・性別と34項目の検査値からICD-10コード群17種を判定するXGBoostモデルを作った。
  • 交差検証の平均AUCは0.893。80人の時間的ホールドアウトでは0.880で、LLM3種の0.729〜0.739を上回った(差は0.141〜0.151、すべてP<.005)。
  • 比較に使ったホールドアウトは80人と小さく、特異度をそろえた感度の差は精度が低かった。著者らは診断ではなく前向き多施設評価の段階と位置づけている。

出典:Lab Med / Routine laboratory panels classify internal medicine ICD-10 code groups: comparison with frontier large language models and laboratory-only specialist assessment.

サトシサトシ
汎用のLLMより、検査値だけで学習した専用モデルのほうが強いという、ある意味で予想どおりの結果ですね。用途ごとの使い分けを考える材料になります。
リリース 生成AI・LLM 2026-10-07

大阪けいさつ病院(650床)が、電子カルテのデータを使う生成AI基盤「Apollo AI」を導入し始めたというAlbatrusの発表。

  • Apollo AIはサマリなどの文章生成や音声の文字起こしで記録業務を支援し、AIモジュールを追加できる基盤として設計されている。
  • 院内とAWSを閉域網でつないだクラウド基盤と統合データベースに接続し、全職員に配布済みのiPhoneと電子カルテ端末の両方から使えるようにする。
  • 同院は全国5病院に続く開発パートナーとなり、iPhoneと生成AI、院内データとAIの組み合わせを中心に機能開発を進める。導入効果の数字はまだ出ていない。

出典:株式会社Albatrus / 大阪けいさつ病院、スマートホスピタルの一環としてAI基幹システム『Apollo AI』を導入開始し、iPhone × 生成AI × 院内データの活用を加速!

サトシサトシ
全職員がiPhoneを持っている病院だと、AIを病棟で使う入口がすでにあるのが強いです。どの機能から現場に定着するのか、続報を見たいところです。

看護の申し送りの書き起こしから、LLMで決まった項目や不確かな情報を抜き出せるかを、複数のモデルとプロンプト最適化で比べた論文。

  • 看護師2人が注釈を付けた合成の申し送り書き起こし203件を使い、GPT-5.2、GPT-5-nano、MedGemma 27Bを通常のプロンプトと最適化後で比較した。
  • 最適化後のGPT-5.2は、項目が伝わったかの検出でmicro-F1 0.85、SBAR分類の抽出で0.76。後者は通常のプロンプトより0.24改善した。
  • 曖昧な表現の抽出は最適化後も0.41にとどまった。データは合成で、著者は臨床での有効性や安全性は示していないとしている。

出典:JMIR Nurs / AI-Based Structured Information Extraction From Synthetic Nursing Handover Transcripts: Comparative Evaluation of Large Language Models.

サトシサトシ
曖昧な言い回しの拾い上げが苦手というのは、申し送りで一番事故につながる部分なので気になります。軽量のnanoでも健闘しているのは意外でした。

RAGを組み込んだLLMで心臓MRIシネ撮像のプロトコルを患者ごとに最適化し、技師の最適化と比べた前向き研究の論文。

  • 臨床で心臓MRIを受けた68人が、同じ検査中に技師が最適化したプロトコルとAIが最適化したプロトコルの両方で撮像(順序固定・非ランダム化)。
  • AI側で画質(3.69対3.00)とアーチファクト抑制(3.19対2.17)が高く(ともにp<0.001)、撮り直しは19回から6回に減った(p=0.028)。
  • 左室機能の計測値に有意差はなかった。撮像順が固定の非ランダム化研究で、著者はランダム化試験が必要としている。

出典:J Magn Reson Imaging / Personalized Cine Cardiac MRI Protocol Optimization Using a Retrieval-Augmented Large Language Model: A Prospective Comparison With Technologist-Optimized Protocol.

サトシサトシ
不整脈や息止めが苦手な患者さんに合わせて条件を変える作業を、LLMが下支えする形です。撮り直しの減少は現場にうれしい数字ですね。

ドイツのガイドラインに基づくリウマチ疾患別のLLMチャットボット10種を、全国の施設と患者会で実運用し評価した論文。

  • 13のリウマチ診療施設と6つの患者会を通じて提供し、2025年9月〜2026年1月に6291件の質問を記録した。
  • 利用者評価2671件のうち92.9%が肯定的。LLMによる評価では完全に安全95.3%、完全に正確79.1%、ガイドライン完全準拠は45.0%だった。
  • LLMによる評価と専門医の評価の一致は弱かった。著者は、教育効果と安全性の独立した検証が必要としている。

出典:J Med Syst / Development and Nationwide Multicentre Evaluation of Guideline-Grounded Large Language Model Chatbots to Support Patient Self-Management and Education in Rheumatology.

サトシサトシ
質問の4割近くが薬とモニタリングだったのは、薬剤師として納得です。ガイドライン準拠が半分に届かない点は気になりますね。

ドイツの骨粗鬆症ガイドラインに基づくチャットボットOsteoCHATを、7施設の患者評価と汎用LLMとの比較で検証した論文。

  • RAG型のOsteoCHATを7施設で患者に使ってもらい、1075件のやりとりを記録。汎用LLM3種とも10問のFAQで比較した。
  • 個別評価389件の97.4%が肯定的。一方で信頼すると答えたのは64.7%。専門家評価の中央値はOsteoCHAT、Gemini、ChatGPTが14/15、Meta AIが13/15。
  • どのシステムも、薬物治療の適応や、まれで重い副作用の伝え方に弱点があったと専門家が指摘している。

出典:Osteoporos Int / OsteoCHAT: real-world patient evaluation and benchmarking of a guideline-grounded osteoporosis chatbot.

サトシサトシ
ガイドラインを入れても汎用LLMと点数が並んだのは興味深いです。副作用の伝え方は、薬局の服薬指導でも一番気を遣うところですね。

中国のインターネット病院に寄せられた患者の相談文から受診目的を分類し、特化型の小型モデルとLLMを比べた論文。

  • 三次医療機関のインターネット病院の相談28,851件を解析。クラスタリングで受診目的を8種類に分け、微調整したMacBERTで分類した。
  • MacBERTの重み付きF1は0.680で、医療特化LLM(0.595)と汎用LLM(0.585)を上回った。外部検証では0.578対0.389・0.190と差が広がった。
  • 神経内科では相談の39%が処方継続、皮膚科では68%が初診相談だった。中国の単一の病院環境での結果で、前向きの多施設検証は行われていない。

出典:Comput Struct Biotechnol J / Mapping Clinical Intent in Internet Hospitals: Identifying and Profiling Patient Demand via Natural Language Processing.

サトシサトシ
神経内科の相談の4割が処方の継続というのは、オンラインで薬を受け取る需要の大きさを示していますね。

ChatGPTとClaudeに抄録の査読をさせ、著者の性別・出身地によるバイアスと再現性を調べた論文。

  • 内科系10誌の抄録50本に、架空の著者4種(アフリカ系・米国系、女性・男性)を割り当て、2モデルが各2回評価。計800件。
  • 質の中央値は両モデルとも7、新規性は5で著者属性間で同一。再現性は一致率98%超、κ=0.74〜0.89。
  • Claudeの採択スコアだけ全体解析で関連が出たが、個別比較に有意差はなかった。スコアの幅が狭く、一致率が高く出た可能性がある。

出典:J Gen Intern Med / Bias and Reliability of AI-Based Peer Review: A Comparative Study of ChatGPT and Claude Evaluating Scientific Abstracts.

サトシサトシ
査読をAIに任せる話は編集側にも関わります。スコアの幅が狭い点は気になりますね。人の査読との比較待ちです。

小児整形外科の手術記録からChatGPT-4oとChatGPT-5に米国の診療行為コード(CPT)を付けさせ、請求部門の判定と比べた論文。

  • 2025年1〜4月の匿名化した手術記録20件を、追加学習なしの同一プロンプトで2モデルに入力した後ろ向き研究
  • F1スコアはChatGPT-5が0.69、4oが0.48。完全一致率は60%と30%で、過剰コーディングは25%と70%だった
  • 両モデルとも複数コードの症例で精度が落ちた。著者らは誤り率が監督なしで使える水準に届いていないとしている

出典:J Pediatr Soc North Am / Artificial Intelligence-Assisted Current Procedural Terminology Coding in Pediatric Orthopaedic Surgery: Promise or Premature?

サトシサトシ
完全一致6割は、レセプト点検の現場感覚だとまだ任せられない数字です。一次案を出させて人が直す使い方なら現実的かもしれません。

LLMには質問の解釈だけを任せ、数値計算は固定の統計関数で行う臨床研究向けの対話型データ解析ツールを開発し、評価した論文。

  • 6人の参加者がMIMIC-IVなど臨床3種、非臨床3種のデータセットで試用し、手計算の結果やChatGPT 5.3と比べたパイロット評価
  • SUSは平均94.58で、評価できた出力はすべて手計算の結果と一致した。別の操作者による再実行でも結果は一致した
  • 同じ課題でChatGPTは不完全で内部矛盾のある出力を返した。参加者6人の小規模な検証にとどまる

出典:JAMIA Open / Data-reflector: an agentic exploratory data analysis platform for researchers.

サトシサトシ
LLMに計算させず、計算は決まった関数に回すという割り切りは、薬局の在庫や処方集計にもそのまま使える考え方だと思いました。

家庭医がAIの利用を公表すると患者側の評価がどう変わるかを、医師と回答者の属性別に調べた論文。

  • 1030人に、AIの利用有無と医師の属性を変えた架空の家庭医の広告を見せて評価させるビネット研究
  • AIを使うと明示した医師は、使わないとした医師より温かさと能力の評価が低く、受診したい意向も下がった
  • この不利益は若い回答者で強かったが、医師の属性にはほぼ左右されなかった。実際の受診行動ではなく架空広告での評価

出典:★NPJ Digit Med / Influence of physician and consumer demographics on AI-use penalties in primary care: a vignette-based study.

サトシサトシ
若い世代ほどAI利用に厳しいというのは意外でした。院内で使っていても、患者向けにどう伝えるかは別の設計が要りそうです。

急性深部静脈血栓症の患者向け説明を、血管外科医11人と11種類のLLMに書かせて比べた論文。

  • スペイン語の標準化した症例について各1回答を作成し、盲検で8項目の臨床的妥当性と5つの読みやすさ指標で採点した横断研究
  • 妥当性の中央値は両群とも7/8で差はなかった(p=0.258)。LLMは回答のばらつきが小さく、4指標中3指標で読みやすかった
  • LLMの回答は長く(中央値903語対354語)、読むのに4.5分かかった。両群とも無症候性肺塞栓のスクリーニングに触れなかった

出典:Phlebology / Artificial intelligence and vascular surgeons in patient communication: A comparative analysis of intelligibility and clinical appropriateness in acute deep vein thrombosis.

サトシサトシ
両方とも同じ説明漏れがあったという結果が面白いです。AIと人の比較より、説明のひな形側の穴を見つけた研究として読みました。

純音聴力検査とティンパノメトリーの読み取りと報告書作成を、工程ごとに分けてマルチモーダルAIで評価した論文。

  • 外来151人分155件の記録を使い、画像の転記と所見ルールの適用(モジュール1)、報告書作成(モジュール2)を別々に検証した
  • Codexのワークフローで数値閾値は1820件中1809件(99.4%)が完全一致したが、無反応の記載は15件中9件(60.0%)しか正しくなかった
  • DeepSeekでは無反応の一致が0%のままだった。著者は自律診断ではなく、監査可能な臨床支援として前向き評価を進めるべきとしている

出典:J Med Syst / Audiologist-Guided Multimodal AI for Pure-Tone Audiometry and Tympanometry Interpretation and Reporting.

サトシサトシ
全体の正解率が高くても「測れなかった」という記載だけ落ちる、という分け方の評価は実務に近いです。検査値の転記を任せる場面で同じ落とし穴がありそうです。

救急外来の熱傷患者100人について、LLM4種と救急科の若手医師10人の診断と治療計画を比べた中国の論文。

  • 浙江大学第二附属病院の熱傷患者100人を対象に、専門家パネルの判断を基準として、熱傷専門医2人が盲検でリッカート尺度で採点した
  • Doubao-2.0-Pro、ChatGPT-5.5、Gemini 3.5 Flashの治療計画の妥当性は中央値4.0で、若手医師より有意に高かった(P<0.05)
  • 重症・最重症の熱傷では、診断精度に若手医師とLLMの間で有意差がなかった。治療計画の評価者間一致は中程度(ICC 0.650)

出典:Zhonghua Shao Shang Yu Chuang Mian Xiu Fu Za Zhi / [Application effect of LLMs as decision-support tools in emergency burn treatment].

サトシサトシ
軽症ほど差が出て、重症では差がないという結果は直感とも合います。モデル名が具体的に並ぶので、半年後には古くなる比較でもありますね。
ニュース 生成AI・LLM 2026-10-01

Genentech、Meta、AWS出身者が医療向けの基盤モデルを開発する新会社Ortetを立ち上げたことについて、Fierce Healthcareが報じました。

  • 投資会社Thoreauから5億ドルの拠出を受けた。生物学、臨床、運用、財務をつなぐ患者中心の基盤モデルを作るとしている
  • CEOのKyunghyun Cho氏はアテンション機構とGRUの共同開発者で、GenentechでAI研究チームを率いた
  • 初期のGPUクラスタは確保済みと同社は説明している。製品や提供時期は記事に書かれていない

出典:Fierce Healthcare / Ex-Genentech, Meta, AWS AI leaders launch health AI lab with $500M backing

サトシサトシ
製品が出る前に5億ドルという規模感に驚きます。出資元が医療の収益管理企業とも組んでいるので、まずは事務側から入るのかもしれません。
論文 生成AI・LLM 注目 2026-09-30

日本でHPVワクチン未接種の娘を持つ女性保護者に、AIチャットボットと政府のリーフレットを比べたランダム化比較試験の論文。

  • 全国調査パネルの女性保護者848人を1:1に割り付け、HPVとワクチンに関する7問の知識テスト(0〜7点)を介入直後と2週後に測った
  • 調整後の知識スコアは、介入直後も2週後もチャットボット群が0.30点高かった(いずれもP<.001)
  • 2週後の接種の決定は40.3%対39.6%で差がなかった(調整OR 0.74、P=.31)

出典:JAMA Netw Open / AI Chatbot Use for Human Papillomavirus Vaccine Literacy in Japan: A Randomized Clinical Trial.

サトシサトシ
配布物は読まれているか分からないので、対話型で知識が伸びるのは納得です。行動までは動かなかったと正直に書いている点も良いと思います。

腎臓内科の症例報告101件を使い、大手3社の大規模言語モデル6種の診断能力を比べた論文。

  • ドイツ語誌の症例を各社の最上位モデルと小型モデルの計6種に解かせ、鑑別5つと最有力診断を3段階で評価した
  • 最有力診断の正答率はClaude Opus 4.6が86.1%、GPT-5.4が85.1%。部分正答を含めると上位3モデルは91.1〜92.1%だった
  • 複数の要素からなる診断では、誤答は全くの誤りより不完全な回答が多かった。症例が学習データに含まれていた可能性は否定できない

出典:Dtsch Arztebl Int / Large Language Models as Diagnostic Tools in Nephrology: Helpful, With Limitations.

サトシサトシ
もっともらしいのに一部が欠けている答えは、疑義照会でも一番見落としやすい形です。正答率より欠け方を見る評価が増えてほしいです。

院内サーバーで動かすオープンな大規模言語モデルで、レカネマブ投与の適格性を診療報告書から事前判定した論文。

  • ドイツのもの忘れ外来の報告書を使い、gpt-oss-120bによる抽出と規則ベースの判定を開発用97件で調整し、別の99件で検証した
  • 検証用データで正解率94%、κ係数0.90となり、規則ベースの抽出(正解率80%)を有意に上回った
  • 正解は専門家の合議で決めた。クラウドを使わない構成で、専門家と同程度の性能とされた

出典:Alzheimers Dement (Amst) / Locally deployed large language model for real-world lecanemab eligibility pre-screening.

サトシサトシ
新薬の対象患者の洗い出しは、薬剤部も巻き込まれる地味で重い仕事です。院内で完結するLLMなら情報管理の説明もしやすそうです。

経皮的腎砕石術の合併症をClavien-Dindo分類で判定させ、6種のLLMと泌尿器科医を比べた探索的研究の論文。

  • 既報のコンセンサス分類の症例文を使い、ChatGPTやGeminiなど6モデルと、指導医6人・専攻医15人の判定を一致度で比べた
  • 一致度はモデル0.97〜0.98で、専攻医0.95(p<0.001)、指導医0.96(p=0.03)より高かった。最速の医師は17分、モデルは最長3.90分だった
  • 用いたのは既報の症例文で、実際の診療録での検証はまだ行われていない

出典:World J Urol / Automating Clavien-Dindo classification with large language models in percutaneous nephrolithotomy: an exploratory study.

サトシサトシ
合併症の等級付けは人によってぶれやすい作業なので、機械の方がそろうのは納得です。実際のカルテの書きぶりでどうなるかが本番ですね。

脊椎手術の複雑な症例で、推論型LLMのOpenAI o1とDeepSeek R1が出した治療計画を外科医が評価した論文。

  • 合成症例10例に同じ指示で回答させ、匿名化した出力を脊椎外科医8人が診断、推論、術式、明快さの4領域で採点した
  • o1は診断の正確さ(4.6対4.3)と明快さ(4.4対4.2)で有意に高かった。推論と術式の妥当性は補正後の基準に届かなかった
  • 評価者間の信頼性は低かった(ICC 0.03〜0.07)。明快さで補正すると、臨床領域でのo1の優位は検出されなくなった

出典:Spine Deform / Evaluating reasoning-tuned large language models for clinical decision-making in spine surgery.

サトシサトシ
読みやすい答えほど中身も良く見えてしまうのは、人間の文章でも起こります。評価する側の目の癖まで測った点が面白いです。

トルコ語の腹部CT・MRIで、研修医の予備レポートと確定レポートの食い違いを3種のLLMに検出させ、専門医の判定と比べた論文。

  • 単施設の後ろ向き研究。CT317件とMRI171件の計488組のレポートを、GPT-5.3、Claude 4.6 Sonnet、Gemini 3.0 Proに比較させた
  • 専門医が特定した776件の食い違いに対する感度はClaude 93.4%、GPT-5.3 91.9%、Gemini 72.6%(p<0.001)。Claudeの偽陽性率は0.6%だった
  • 教育的フィードバックの評価はGemini 4.60、Claude 3.95で順位が逆転した。モデルは画像を見ておらず、テキスト比較に限った評価

出典:Abdom Radiol (NY) / Diagnostic performance of large language models for discrepancy detection in non-English resident-authored abdominal CT and MRI reports: a Turkish-language evaluation.

サトシサトシ
処方監査でも前回との差分を拾う作業は多いので、差分検出は現場で使いやすい形だと思います。説明の上手さと検出力が別なのも面白いです。

HIV患者が送るメッセージから、抗レトロウイルス療法の服薬アドヒアランスの障壁とリスクをLLMで分類する手法を開発した論文。

  • 当事者と医療者の委員会で15,480文に注釈を付け、汎用LLMと臨床基盤モデルをファインチューニングしてGPT系などと比較した
  • 障壁検出の最良はFlan-T5-xlでMacro-F1 0.83(外部データ0.71)。GPT-4.1は多くを「該当なし」と誤分類し、推論の消費電力は約30倍だった
  • リスク層別化は外部データでMacro-F1 0.57に下がった。患者向けツールでの実地検証はこれからとしている

出典:JAMIA Open / Large language model-based triage to identify antiretroviral therapy adherence barriers and risk levels in patient messages.

サトシサトシ
服薬を続けられない理由をメッセージから拾うのは、薬剤師が電話フォローでやっていることに近いです。小さいモデルのほうが強かった点も現場向きです。
ニュース 生成AI・LLM 2026-09-28

合成患者の電子カルテで医療AIを評価するベンチマーク「Synthetic Hospital」の結果について、innovaTopiaが報じました。

  • カーネギーメロン大学のチームが1,268人の合成患者と5,602件の診療記録を作り、10のAIモデルを評価した。査読前のarXiv論文
  • GPT 5.3など3モデルをエージェント化すると、必要な情報を渡した場合より縦断的な診断以外のほぼ全タスクで性能が下がり、要約などで最大約0.19低下した
  • 診断スコアの最高はKimi 2.5 ThinkingのF1 0.732で、医師7人・13症例の平均0.664を上回った。医師側の症例数は少ない

出典:innovaTopia / 医療AI、エージェント化で性能低下|合成患者1,268人のベンチマークが示した意外な弱点

サトシサトシ
道具を増やすほど迷うというのは、新人研修でも見かける話です。情報がそろっているならそのまま渡すほうが強い、という結果は導入設計の参考になります。
論文 生成AI・LLM 注目 2026-09-26

薬剤師と薬学生の処方監査にGPT-4oの助言を付けたときの正確性と自動化バイアスを調べたランダム化シミュレーション試験という論文。

  • 学生・レジデント・薬剤師の計77人が10問の症例に回答し、問題ごとにAI助言の有無を割り付けた
  • AI支援で正確性は上がった(調整OR1.58)が、AIが誤ると正答率は26.1%に落ちた
  • 誤ったAI助言の73.9%がそのまま受け入れられ、AIに反対した場合の正答率は21.7%だった

出典:Am J Health Syst Pharm / Impact of AI assistance on pharmacist and pharmacy trainee accuracy and automation bias during medication order verification: A randomized simulation trial.

サトシサトシ
薬剤師として耳が痛いです。AIに逆らったときの正答率が2割というのは、監査の設計ごと見直す話だと感じます。

肝細胞癌の術前微小血管浸潤の予測で、LLMと放射線科医6人の成績を多施設で比べたという論文。

  • 中国の多施設で手術を受けた肝細胞癌602例を対象に、読影レポートとMRI所見をGPT-4oとDeepSeek-R1に与えた
  • 正答率はDeepSeek-R1(中国語入力)81.2%、GPT-4o 75.6%で、専攻医59.3%、上級医74.2%だった
  • 後ろ向き研究で、LLMの入力は人が書いたレポートと定義済みのMRI所見に依存している

出典:J Hepatocell Carcinoma / Large Language Models for Preoperative Microvascular Invasion Prediction in Hepatocellular Carcinoma: A Multicenter Comparison with Radiologists and Treatment Outcomes.

サトシサトシ
画像そのものでなくレポートの文章から予測している点が面白いです。入力言語で精度が変わるのも気になります。
ニュース 生成AI・LLM 2026-09-26

さくらインターネットが東大松尾・岩澤研究室中心に開発された医療特化型LLMのAPI提供を始めたことについて、マイナビニュースが報じました。

  • 9月24日から、医療特化型LLM「Weblab-MedLLM-gpt-oss-120b」を推論API基盤「さくらのAI Engine」で提供している
  • 内閣府のBRIDGEプログラムのもとで実施された事業の成果として開発されたモデルだとしている

出典:dメニューニュース / さくらインターネット、生成AI向け推論API基盤「さくらのAI Engine」で医療特化LLMをAPI提供開始

サトシサトシ
国内のクラウドで日本語の医療モデルを呼べるのは、院内で試作したい人にはありがたい選択肢です。
ニュース 生成AI・LLM 2026-09-24

AnthropicとOpenEvidenceが低中所得国の医師向けに臨床意思決定支援AIを無償提供すると、ロイター通信が報じました。

  • ウガンダやスーダン、ハイチ、モンゴルなど約100カ国の医療従事者を対象に順次展開する計画だ
  • 米国では8月だけで医師によるOpenEvidenceの利用が4200万件に達したという
  • 高所得国のデータで学習したAIが医療事情の異なる地域に適合するかは、報道内でも懸念点として挙げられている

出典:재경일보 / アンソロピックとオープンエビデンス、約100ヶ国に医療AIを無償提供 : 국제 : 財経日報

サトシサトシ
情報格差を技術で埋める試みは薬剤師の立場からも応援したいです。現地適応の中身が気になります。

放射線科の教育症例ベンチマークで、多モーダルLLM18種類の実力比較の妥当性を検証したという論文。

  • 51症例260問を18のLLMと専門医7人が解き、画像なしでの解答可能性まで分析した
  • モデルの正答率は61.5〜80.8%、専門医は66.5〜84.2%で、全専門医を上回ったモデルはなかった
  • 画像解像度や出題時期による有利不利は認められず、ベンチマーク単独での序列付けは支持されないとした

出典:J Imaging Inform Med / How Robust Are Radiology Teaching-Case Benchmarks for Multimodal Large Language Models? An Audit of Exposure Opportunity, Inference Configuration, and Text-Only Solvability Across Eighteen Models.

サトシサトシ
点数だけでAIの実力を語るのは危ういと改めて示す論文です。ベンチマークの読み方も勉強になります。

非転移性黒色腫の診療支援で7種のLLMを腫瘍内科医が盲検評価し、モデル間で精度に大きな差が出たという論文。

  • 59症例の仮想患者をTNM病期・年齢・併存疾患で構成し、複数の腫瘍内科医が盲検で6段階評価した
  • 病期判定の平均点はGPT-5.2が5.56、Gemini-3.1が5.25、最下位のAntAngelMedは2.93だった
  • 進行したStage IIIの症例ほど成績が悪化し、一部モデルは手術マージン推奨が不十分になるリスクも見られた

出典:Front Med (Lausanne) / Evaluating LLMs in non-metastatic melanoma care: a comparative analysis.

サトシサトシ
モデルごとの差がここまで大きいと、現場で鵜呑みにするのは危険だと感じます。導入前の検証が欠かせませんね。

医療QAのRAGにファクトチェック機構を組み込み、幻覚を検出・修正する枠組みを実臨床の症例で検証したという論文。

  • 前立腺がんの検証用QAセットで最適な手法を選び、腫瘍ボード実例や神経内科QAセットなど複数データで評価した
  • 回答を事実単位に分解し照合する手法で、全体の回答品質が最大50%改善し、幻覚検出率は80%に達した
  • 効果は最も難しい実際の腫瘍ボード症例で最大となり、汎用モデルと医療特化モデルの両方で改善が見られた

出典:J Med Internet Res / Improving Reliability and Explainability of Medical Question Answering Through Atomic Fact-Checking in Retrieval-Augmented Large Language Models: Creation and Validation Study.

サトシサトシ
AIが自分の間違いに気づいて直せる仕組みは心強いです。腫瘍ボードのような難しい場面ほど効果が出ているのが印象的でした。
論文 生成AI・LLM 注目 2026-09-22

不妊治療の意思決定支援AIで、自動評価の性能向上が臨床的な質の向上と一致しなかったという論文。

  • 中国の不妊治療の電子カルテ8201件を使い、4種類のLLM調整手法(SFT・DPO・GRPO・ICL)の性能を比較した
  • 自動評価ではGRPOが最高精度(不妊タイプ正解率92.57%)だったが、専門医評価では保守的なSFTの方が高く評価された
  • 幻覚(事実と異なる内容)の発生率はGRPOで15%、SFTで18.5%あり、いずれも臨床導入には至らないと結論づけた

出典:J Med Internet Res / The Alignment Paradox of Medical Large Language Models in Infertility Care: Decoupling Algorithmic Improvement From Clinical Decision-Making Quality.

サトシサトシ
数字上の性能が良くても専門医の評価とは一致しない、という冷静な報告です。AIの導入判断は現場の目で見ないといけませんね。

軽量なLLMをリウマチ内科の実症例で微調整すると、大規模モデルに匹敵する診断精度が出たという論文。

  • 汎用LLM「Qwen3-8B」を中国のリウマチ内科の実症例19,682件で微調整し、他の大規模モデルと精度を比較した
  • 微調整でHit1正解率は68.41%から79.84%に上昇し、医師判定では91.6%(GPT-5.6 Solは93.5%)だった
  • 小型モデルのため院内でのローカル導入のハードルが低く、データを外部に出さずに済む点が新しい

出典:Int J Med Inform / Fine-tuning a compact large language model on real-world cases yields diagnostic performance comparable to flagship models in rheumatology.

サトシサトシ
クラウド任せにせず院内で動かせる小さいAIという発想が現場向きだと思います。データを外に出さない安心感は大きいですね。

まれな脳の奇形「キアリ奇形」の患者向け説明で、複数の対話型AIの精度を比較したという論文。

  • ChatGPT-4o、Gemini、Copilot、DeepSeek、Perplexityの5つのAIにキアリ奇形9型について7つの質問をさせ、脳神経外科医3人が採点した
  • 総合的な正確さと網羅性はGeminiが最も高く、簡潔さではPerplexityが優れていた一方、Copilotは全体的に評価が低かった
  • 頻度の高い1型・2型では回答の質が高かったが、まれな亜型では精度が下がり、専門家による確認が必要だとした

出典:World Neurosurg / Assessing Artificial Intelligence Language Models for Patient-Oriented Information on Chiari Malformation Types: A Structured Multinational Evaluation Based on Real-World Expectations.

サトシサトシ
よくあるタイプには強くても、まれな病気になると精度が落ちるのは想像通りですね。患者さんへの説明はAI任せにできないという再確認です。

腫瘍領域のRCTの適格基準を、GPT-5に抄録と全文のどちらで読ませるのがよいかを比べた研究。

  • 腫瘍領域のRCT 200件について、限局例と転移例が対象に含まれるかをGPT-5に分類させ、抄録入力と全文入力を手作業のラベルと照合した
  • 限局例の判定精度は抄録86%(95%CI 81〜91%)、全文92%(88〜95%)で差があった(P=.027)。転移例の判定は99%と98%でほぼ同等だった
  • 評価対象は1種類のモデルと腫瘍領域のRCTに限られる

出典:JAMIA Open / More signal versus more noise: comparing full text and abstract as inputs for large language model-based classification of oncology trial eligibility criteria.

サトシサトシ
抄録だけだと適格基準の細かい記載が抜けます。文献の自動スクリーニングでは、全文を読ませる手間が精度に効くようです。

電子カルテデータベースと生物医学の知識グラフをMCPでつなぎ、LLMに研究用クエリを実行させる枠組みを評価した研究。

  • 700万人超のOMOP標準化EHRとSPOKE知識グラフを1つのワークフローに統合し、100の研究タスクと617問の事実確認問題で評価した
  • 知識グラフへのアクセスで、GPT-5.5とClaude Opus 4.8の平均スコアが向上した。BiomixQAでは択一式の正答率が上がり、正誤問題は変わらなかった
  • 公表済み観察研究の再現では、作業期間が数か月から数時間に短縮された。研究設計と解釈は専門家の監督下に置かれている

出典:Front Artif Intell / An agentic AI framework connecting language models to electronic health records and a biomedical knowledge graph for real-world evidence.

サトシサトシ
データ抽出の壁が下がるのはありがたい反面、設計と解釈は人が持つ前提です。ベンチマーク中心の評価なので、実運用は別の話です。

診療記録からLLMで抽出した移動機能の評価が、救急受診や入院と関連するか調べた論文。

  • Mayo Clinic Study of Agingの60歳以上2,994人を対象に、2022年の診療録からLLMで移動機能障害を判定し、2023年の転帰と比較した
  • 3領域以上に障害がある群は、救急受診(調整オッズ比2.18)と入院(同2.35)が多かった。全死亡との有意な関連は見られなかった
  • 対象は1つの地域コホートで、著者は前向き検証と臨床での有用性の評価が必要としている

出典:J Am Geriatr Soc / Association Between Large Language Model-Derived Mobility Functional Status Assessment and Clinical Outcomes.

サトシサトシ
カルテに埋もれた機能情報を拾えるのは魅力です。ただ、拾えても何に使うかが決まっていないと活きにくいですね。
リリース 生成AI・LLM 2026-09-19

zapathが、美容クリニック向けプラットフォーム「ClinicHub」でLINE問い合わせに答えるAIチャット機能を提供開始したという発表。

  • 施術内容・料金・ダウンタイム・予約可否に24時間即応する。各院が監修したナレッジの範囲でのみ答え、診断や判断が要る相談はスタッフに引き継ぐ
  • ClinicHubの各プランに標準搭載し、AIチャットのみの「シングルプラン」を新設。既存のLINE公式アカウントと電子カルテの運用を変えずに導入できるとしている
  • 根拠に挙げる患者調査は自社実施(n=485)で、返信に時間がかかった経験は39.6%。プランの料金は記載されていない

出典:株式会社zapath / zapath、自由診療クリニックのLINE問い合わせに"その場で答える"AIチャット機能を提供開始

サトシサトシ
AIが答える範囲を最初から絞る設計は、事故を避ける現実的な線引きだと思います。

職員約1万5800人の病院でHIPAA対応の生成AIチャットボットを14カ月分析し、利用の偏りを調べたという論文。

  • 職員約15800人のうち2149人が利用申請し、14カ月分の利用ログとアンケートを分析した
  • 利用者の52.8%は実際にトークンを使い、上位20%が全トークン消費の69.4%を占めていた
  • 継続利用者92人の自己申告では生産性向上30%、非利用の理由は時間不足51.4%が最多だった

出典:PLOS Digit Health / Utilization of a HIPAA-compliant large language model chatbot in an academic pediatric medical center.

サトシサトシ
使う人と使わない人にここまで差が出るのが生成AIの現実。技術より運用と教育に投資が要る話

作問を下書き・批評・改稿の役割に分けた複数AIエージェント方式を中国医師国家試験の設問作成で検証したという論文。

  • 単一モデルと、複数エージェント方式が作った設問を専門家が盲検で比較評価した
  • 専門家の選好は複数エージェント方式が57.7%、単一モデルが42.3%だった
  • 対象は中国医師国家試験の設問に限られ、他言語・他試験への一般化は今後の課題としている

出典:★NPJ Digit Med / Multi-Agent collaboration as a complementary architecture for AI-generated medical examination items.

サトシサトシ
分業したAI同士の方が精度が上がるのは直感的だけど、57対42はまだ僅差で、再現性の検証はこれからだと僕は思う
リリース 生成AI・LLM 2026-09-14

医師向けエビデンス検索AI「Evidence Finder」がSakana AIの国産LLMを採用したという発表。

  • アイリスは医師向けエビデンス検索ツール「Evidence Finder」に、Sakana AIのアルゴリズムを組み合わせて実装する
  • 同モデルで2026年2月の第120回医師国家試験を解かせたところ482点(500点満点、正解率96.4%)を記録したとしている
  • 画像問題には対応せずテキスト質問のみが対象で、製品版に課している画像拒否などの制約を外した状態での評価としている

出典:アイリス株式会社 / 医療AIのアイリス、医師向け生成AIツール「Evidence Finder」にて、Sakana AI社の日本語特化LLMを導入

サトシサトシ
ソブリンAI推しの文脈はあるが、96.4%という数字自体は素直にすごい。自社発表の最高得点という点は割り引いて見る

BI-RADS第5版の教育問題49問で推論型LLMと通常型LLMの回答精度を比較したという論文。

  • 乳房画像の専門医3人が、ChatGPT-o1とDeepSeek-R1の推論型2モデル、GPT-4oなど通常型6モデルの回答を5段階で評価した
  • 推論型モデルの中央値は3.7点で通常型の2.7点を有意に上回った(P<0.001)が、複合的な臨床シナリオでは両者とも点数が下がった
  • 通常型モデルの一部は問題文が英語か中国語かで成績が変わったが、推論型2モデルでは言語による差はなかった

出典:Front Med (Lausanne) / Reasoning vs. conventional large language models for BI-RADS educational questions answering: a multi-model comparative evaluation.

サトシサトシ
教育目的の問題への回答比較なので、そのまま実臨床の読影精度とはまだ言えません。ただ推論型の伸びは気になります

GPT-4.1やClaudeなどを組み合わせたエージェント型AIで乳がんの文献レビューを自動化し検証したという論文。

  • 乳がん・肺がん・前立腺がんの臨床試験抄録29,236件で人が作成した1,997件の注釈と照合し、エージェント型AIの精度を検証した
  • 文献レビューの一致率は95.1〜97.2%、項目抽出の精度は51.1〜99.4%で、既存のAIチャットボット4種より包括的だった
  • 医師の診療ワークフローや意思決定への実際の影響は今後の検証課題として残された

出典:ESMO Real World Data Digit Oncol / Development and validation of a human-supervised AI-augmented living oncology evidence platform: a breast cancer pilot study.

サトシサトシ
文献レビューをAIに任せる発想はいい。ただ抽出精度が項目によって51%まで落ちる点は、まだ人のチェックが要る証拠だ

韓国の大学病院が多職種のスタッフに8週56時間の生成AI集中研修を実施し、その設計と効果を検証したという論文。

  • 韓国Asan医療センターで非IT職を含む多職種83人(事後回答64人)を対象に、RAGとMCPを中心とした8週56時間の生成AI研修を前後アンケートで評価した
  • 最も時間を割いたMCPで自己効力感の伸びが最大(効果量d=1.57)となり、12チーム中11チームが試作品を完成、うち1件は臨床現場での試験運用に進んだ
  • 対照群のない単群の前後比較で、業務での実践力は研修後も尺度の中央値を下回り、知識と実践のギャップが残った

出典:JMIR Med Educ / Teaching Model Context Protocol, Retrieval-Augmented Generation, and AI Agents to a Multidisciplinary Hospital Workforce: Single-Group Pre-Post Survey Study.

サトシサトシ
56時間もかけて研修しても実践力は中央値止まり。現場で使えるようになるまでの距離を測った点が誠実だと思う
論文 生成AI・LLM 注目 2026-09-12

「本当に合っていますか」という追加の一言でLLMの診断が揺らぐかを調べた研究という論文。

  • 10種のLLMに臨床ケース120件を4条件×3回×2パスで提示し、回答28800件を診断正誤で評価
  • 「Are you sure?」の一言で正答率が51.8%から42.2%に低下し、正解から誤答への転換が544件と誤答から正解への198件を上回った
  • GPT-5は追加質問後も精度75.3%を維持したが、Claude Sonnet 4は精度が36.4ポイント低下した

出典:★Artif Intell Med / Too agreeable to be accurate? Sycophancy and diagnostic instability of large language models in medical diagnosis.

サトシサトシ
「本当に?」と聞かれただけで正答率が10ポイント近く落ちるなら、臨床導入前の耐性評価は必須だと思う。

ナイジェリアの医療従事者36名を対象に、ChatGPTの支援ありなしで患者への回答の質がどう変わるかを調べたという論文。

  • ラゴスの医師・看護師・地域保健従事者36名が、母子保健や家族計画など15の患者質問に自力とChatGPT-3.5支援ありの両方で回答した
  • 1,080件の回答を臨床医4名が5段階評価した結果、正確性・共感性・網羅性などすべての指標でAI支援ありが有意に上回った(p<0.001)
  • 非医療者の評価者も信頼感などの面でAI支援ありの回答を高く評価し、特に地域保健従事者での改善幅が大きかった

出典:J Med Internet Res / Evaluating Frontline Health Workers' Responses to Patient Inquiries With and Without Large Language Model Support in Nigeria: Observational Study.

サトシサトシ
うまくいかない報告の方が価値は高いけど、これは逆に全指標で改善という珍しいケース。医療者が薄い地域ほど効くという話は妥当だと思う。

肺がんの臨床シナリオ9例に対するChatGPT・DeepSeek・Grokの回答を、専門医5名が盲検で評価し比較したという論文。

  • 肺がん診療の5領域からシナリオ9例を作成し、3つのLLMの回答を匿名化・ランダム化したうえで肺がん専門医5名が5段階で採点する二重盲検評価を行った
  • 評価者間の一致度は中程度(Fleissのκ=0.463)で、3モデル間の総合スコアに統計的な有意差はなかった(p>0.05)
  • 症例数が9例と少なく探索的な位置づけで、領域ごとにはGrokが診断・治療判断で、DeepSeekが予後・リハで相対的に高い傾向が見られた

出典:Digit Health / Exploratory task-specific evaluation of large language models in lung cancer clinical scenarios: A comparative study.

サトシサトシ
3つのモデルに有意差が無かったのは示唆的だ。症例9例では結論は出せないけど、モデル選びより運用設計の方が効くという話に近い。

韓国のがん患者インタビューで、複数のLLMによる精神的苦痛の評価が専門医の評価とどれだけ一致するか調べたという論文。

  • がん患者101人の面談記録3931項目を、GPT-4o・Claude 3.5・Gemini 2.5の3モデルで評価した
  • 専門医との一致度(ICC)は0.82〜0.87と高かったが、Claude 3.5とGemini 2.5は苦痛スコアを有意に高く見積もった(補正後P<.001、P=.002)
  • モデルの説明が発言内容を超えて解釈を広げるほど、判定の誤差が大きくなる傾向が見られた

出典:J Med Internet Res / Large Language Models for Distress Rating in Korean Psycho-Oncology Interviews: Exploratory Clinician-Benchmarked Evaluation Study.

サトシサトシ
一致率は高くても模型ごとに間違え方が違うのは、LLMを一つに絞る危険性を感じさせます

スイスの病院で、院内で動かせる小型オープンソースLLM6種を実際の診療データで評価したという論文。

  • 8B〜24Bパラメータの6モデルを、フランス語の退院時サマリーや診療録など実データで7つの臨床タスクに適用した
  • 単純な検索タスクではLlama3.1がF1スコア99.81%を達成した一方、個人情報検出は最良でもF1が0.33〜0.34にとどまった
  • 退院サマリー要約の質は全モデルで低く、あるモデルは臨床医評価で55%の出力に幻覚(誤情報)が見つかった

出典:J Med Internet Res / "Small" Large Language Models in the Hospital: Evaluation Study on Real-World Data in a Resource-Constrained Setting.

サトシサトシ
簡単な検索はできても要約や意思決定支援は使い物にならないというのは、身の丈に合ったLLM選びの参考になります
論文 生成AI・LLM 注目 2026-09-09

Claudeを臨床データ解析のエージェントとして3つの対話モードで動かし、性能と失敗パターンを検証したという論文。

  • 英国の加齢黄斑変性7802例・12年追跡データを用い、Claudeを3つの対話モードで研究設問立案から統計解析実行まで計27回試行した
  • 17件の完了ランでKaplan-Meier推定はほぼ一致した一方、結果の要約文17件のうち2件に臨床的に問題となる誤りがあった
  • 統計的枠組みの立案は概ね妥当だったが、SAPの質はコードの正確性を予測せず、単一分野での検証のため他領域への一般化には追試が必要とされた

出典:J Med Internet Res / Performance, Failures, and Oversight of a Large Language Model Agent for Clinical Data Analysis: Evaluation Study.

サトシサトシ
LLMに解析を任せる話が増えてきたけど、要約文の2件に問題があったという結果を見ると、検証を省く発想はまだ早いと僕は思う。

電子カルテからの臨床推論において、検索拡張生成(RAG)と長文脈入力を比較したという論文。

  • 米国の学術医療機関の実診療録を用い、画像検査抽出・抗菌薬タイムライン作成・診断名特定の3タスクでGPT-5.4-mini等3モデルを検証した
  • 画像検査抽出ではRAGが長文脈入力をF1スコアで0.17〜9.83上回り、8000トークン未満の入力で同等以上の性能を達成した
  • 一方で診断名特定タスクは手法やモデルによらず性能が頭打ちで、記録間の情報欠落が精度を制限する一因になっていた

出典:J Am Med Inform Assoc / Evaluating retrieval-augmented generation versus long-context input for clinical reasoning over electronic health records.

サトシサトシ
全文を読ませるより必要な部分だけ拾わせる方が速くて正確というのは、現場の実感にも近いです。

眼科領域の倫理相談事例をGPT-5.1と人間の倫理専門家に答えさせ、医師10人が評価して比較したという論文。

  • 米国眼科学会の相談サイトから倫理事例10件を抽出し、GPT-5.1と人間の倫理専門家の回答を医師10人が評価した
  • 臨床での使用意向の評価はGPT-5.1が中央値5.0、専門家が4.1と有意差があり(p=0.013)、読みやすさは専門家が上回った(p=0.002)
  • 読みやすさでは専門家に劣ったが、評価者の使用意向・患者影響の評価はGPT-5.1が上回る結果だった

出典:Int Ophthalmol / Generative artificial intelligence to augment ethical problem solving in ophthalmology: GPT-5.1 versus a human ethicist.

サトシサトシ
倫理的な答えの良し悪しを人が採点する時点で、評価者側の好みも混ざっているはずだ。

股関節温存領域のガイドライン準拠21問を、LLM3種と専門医10人に解かせて正答率を比較したという論文。

  • 国際的な股関節温存の専門医10人と、ChatGPT・Gemini・Claudeの3種のLLMに同じ21問の設問を出題した
  • 正答率は専門医が90.5%だったのに対し、Geminiが100%(p=0.004)、ChatGPTが98.4%(p=0.016)と有意に上回った
  • 設問への回答精度の比較にとどまり、実際の診療判断における有用性を示すものではないとしている

出典:Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc / Select large language models outperform hip preservation experts on consensus-based hip preservation questionnaire.

サトシサトシ
設問に正しく答えられることと、実際の診療で正しく使えることは別の話だと思います。
リリース 生成AI・LLM 2026-09-08

順天堂大学とケアネットが、臨床支援AIエージェントを開発する共同研究講座を大学院内に開設したという発表。

  • 順天堂大学とケアネットが、院内データを使う臨床支援AIエージェントの開発などに取り組む共同研究講座を設けた
  • 開設日は2026年7月1日、研究期間は2031年6月までの5年間で、順天堂大学大学院医学研究科内に設置された
  • 現時点は研究体制の立ち上げ段階で、AIエージェントの具体的な機能や実装時期はまだ示されていない

出典:株式会社ケアネット / 順天堂大学とケアネット、次世代医療AI・臨床知共創に関する共同研究を開始

サトシサトシ
5年という研究期間の長さが、実装までの距離を物語っている。

神経放射線領域の学術執筆課題でDeepSeek-R1とChatGPT-o1を比較したという論文。

  • 放射線科医2人が、両モデルが作成した論文とQ&A計10課題の出力を、質・言語表現・事実の信頼性で評価した
  • 総合評価はDeepSeek-R1がChatGPT-o1より有意に高かった(平均3.23対3.02、P=.021)
  • 一方で引用文献の捏造率はDeepSeek-R1が36.7%とChatGPT-o1の2.6%より高く、無監督での学術執筆には課題が残った

出典:Digit Health / Open-source versus proprietary large language models for academic writing in medicine: A controlled evaluation of DeepSeek-R1 and ChatGPT-o1 in neuroradiology.

サトシサトシ
査読前の下書きにLLMを使うにしても、引用の捏造だけは人間が全部潰す前提で使うべきだと僕は思う。

DeepSeek-V3とChatGPT-4oの鼻咽頭癌の病期・治療方針判定を臨床医と比較したという論文。

  • 中国の1施設で新規診断された鼻咽頭癌患者322例を対象に、臨床医・テキストのみの臨床医・DeepSeek-V3・ChatGPT-4oのTNM病期分類と治療方針推奨の一致度をカッパ係数で評価した
  • 病期分類は臨床医とAIの間で中程度の一致にとどまり、治療方針推奨の一致度はさらに低く「わずかな一致」と判定された
  • M病期のみほぼ完全な一致が得られた一方、T・N病期は中程度どまりで、AIの臨床判断への活用には病期項目ごとの精度差が課題として残った

出典:Cancer Med / Agreement in Staging and Treatment Recommendations Among Clinicians, Text-Only Clinicians, DeepSeek-V3, and ChatGPT-4o for Nasopharyngeal Carcinoma Patients.

サトシサトシ
治療方針だと一致率が急に落ちるあたり、AIが強いのは分類作業で、意思決定はまだ人間の領分だと感じさせる結果です。

角膜疾患に特化したRAG搭載LLMが眼科専攻医の診断精度を高めたという論文。

  • 角膜専攻医3名が実際の角膜症例39例を、AI支援なし・汎用GPT-4o支援・角膜特化型GPT-4o支援の3条件で独立して診断し、専門家基準と照合して正答率を比較した
  • 診断正答率は支援なしで20.5〜48.7%だったのに対し、角膜特化型AIの支援下では48.7〜74.4%まで改善した(p<0.01)
  • 一方で治療方針の正答率は医師によって改善したり悪化したりと一貫せず、AI支援の効果は診断と治療方針で異なる結果となった

出典:Int Ophthalmol / Evaluation of a cornea-specialized large language model for diagnostic and management accuracy in complex corneal cases.

サトシサトシ
診断は助けても方針は人によって逆効果になり得るというのが正直な結果で、導入するなら用途を絞る必要がありそうです。

臨床AIツールOpenEvidenceが提示する引用文献の質を検証したという論文。

  • 5つの診療科にまたがる150の標準化された質問をOpenEvidenceに投げ、返された4979件の引用文献すべてについて実在性と属性の正確さを確認した
  • 捏造と確認された引用は0件で、著者や誌名などの帰属情報に誤りがあったのは3件の抄録にとどまった
  • 引用文献は診療科によって集中する雑誌に偏りが見られ、この検証は引用の実在性を対象とし、AIの主張を文献が支持しているかは評価していない

出典:Npj Health Syst / Reference quality of OpenEvidence across five medical specialties.

サトシサトシ
捏造ゼロという結果自体が意外なくらいで、RAG型の臨床AIも設計次第でここまで抑えられるという材料になります。

歯科治療計画をChatGPT-5・Copilot・Gemini・OpenEvidenceの4種で比較したという論文。

  • 10症例の口腔内写真と根尖X線を4つのAIに提示し、専門医4名のコンセンサスを基準に5項目で採点した
  • 総合スコアはOpenEvidence7.7点、ChatGPT-5が7.6点、Geminiが5.1点、Copilotが4.7点で、評価者間の一致はκ=0.74だった
  • Copilotはコンテンツフィルターで10症例中3例が生成不能となり、全システムで臨床的に重要な診断誤りも見られた

出典:J Prosthodont / Multidisciplinary dental treatment planning by artificial intelligence: A comparative evaluation.

サトシサトシ
医療特化のOpenEvidenceが上に来るのは順当。Copilotだけ症例を落としているのは実装の甘さが出てる。
論文 生成AI・LLM 注目 2026-08-21

複数のLLMを組み合わせた救急外来向け臨床意思決定支援システム「SHAKED」を4週間・患者1138人規模で前向きに評価したという論文。

  • 三次医療機関の救急外来で、SHAKED使用ユニットと通常運用ユニットに分けて4週間・患者1138人を対象に前向き評価を実施
  • 臨床での採用率はシフト経過とともに68%から30%まで低下し、滞在時間は両群とも4.9時間で差がなかった(p=0.99)
  • 精度の問題ではなく、業務負荷が高まるほど医師の利用が離脱する傾向が主な障壁で、現時点では臨床導入を正当化しないと結論している

出典:Nat Med / Prospective evaluation of a large language model clinical decision support system in the emergency department.

サトシサトシ
精度は悪くないのに使われなくなるという結果が面白い。臨床AIの壁はアルゴリズムより運用側にあるという話です

手外科の症例をもとに、ChatGPT-4・Claude Opus 4.6・Gemini・Open Evidenceの4種のAIと専門医の判断一致率を比較したという論文。

  • 手外科医15名が回答した9症例(易4例・難5例)の多数決を基準に、4つの商用AIプラットフォームの判断一致率を評価
  • 易しい症例は4種とも一致率100%だったが、難しい症例ではClaude Opus 4.6とGeminiが60%、ChatGPT-4とOpen Evidenceは20%まで下がった
  • 各AIは単一プロンプト・1回のみの回答を評価したもので、プロンプトの工夫や複数回試行での改善余地は検証していない

出典:J Hand Surg Am / AI Clinical Decision Making Compared with Fellowship-Trained Hand Surgeons: A Case-Based Study.

サトシサトシ
複雑な症例ほどAI同士でもばらつくというのは率直な結果。得意不得意の見極めが今の実力だと思う

患者向け症状ガイダンスAI「Personal Health Assistant」を772件の模擬症例で検証したところ、緊急度の過小評価が事前規定基準を満たさなかったという論文。

  • 電話トリアージ手順とLLM生成の擬似症例772件を、PHAの出力を見せずに医師5名が独立して評価し必要なケアレベルを判定
  • 緊急を要する症例の見落としが6.9%、緊急でない症例の過小評価が18.4%で、いずれも事前規定の許容基準(5%未満・15%未満)を超えた
  • 検証は模擬症例と模擬会話によるもので、過大評価は基準内に収まったが、実患者集団での性能はまだ確認されていない

出典:JMIR Form Res / Patient-Facing AI System for Symptom Guidance Using Simulated Encounters and Physician Review: Analytical Validation Study.

サトシサトシ
過小トリアージの数字を隠さずに公表したのは誠実だと思う。この手のツールは失敗事例の開示こそ信頼の材料になる
論文 生成AI・LLM 注目 2026-08-18

音声情報を統合したbimodal型LLM「Dolphin」が患者教育でのすれ違いを減らしたという論文。

  • 3施設・6診療科、患者教育16,583例・発話64,200件のデータをもとに、音声も扱うDolphinをテキスト型LLMと二重盲検RCTで比較した
  • Dolphinは感情認識精度0.886対0.713、患者555例での7日以内の予期せぬ再連絡が12.9%対22.9%だった(p=0.002)
  • 有害な推奨は確認されなかったが、登録は中国国内の1試験に限られ、他地域・他言語での検証は今後の課題となる

出典:Med / A bimodal large language model reduces misalignment in patient education: A double-blinded randomized trial.

サトシサトシ
テキストのみのLLMで感情の食い違いが4割弱起きていたという数字が引っかかる。音声を足せば解決という単純な話でもないはずだ

自由発話をLLMでクラスタリングし、抑うつなど臨床評価との関連を4カ国で調べたという論文。

  • フランスの一般住民1,338人と、イタリア・中国・スペインの臨床サンプル計258人の自由発話を多言語LLMで埋め込み、クラスタリングした
  • フランスの住民サンプルではPHQ-9スコアがクラスタ間で有意に異なり(η²=0.19、P<.001)、イタリアでは臨床診断との関連も強かった(Cramér V=0.74)
  • スペインの小規模サンプルでの自殺リスク項目との関連は不安定で、著者ら自身が探索的な結果と位置づけている

出典:JMIR Ment Health / Interpretable Topic Modeling of Spontaneous Speech in Depression Using Large Language Models: Multilingual Four-Cohort Study.

サトシサトシ
人手でのカルテレビューをLLMが数分で済ませたという触れ込みより、国によって効き方にばらつきが出た点のほうが面白い

米国成人1871人を対象に、メンタルヘルス目的での汎用LLM利用の実態を調査したという論文。

  • 2024年8〜10月、年齢・性別・人種で層別抽出した米国成人1871人にオンライン調査を実施した
  • 回答者の24%がメンタルヘルス目的でLLMを利用しており、無料・利便性・アクセスのしやすさが理由に挙げられた。全米では1400万〜1800万人相当と推計している
  • 利用者は若年・男性・黒人層、精神的健康状態が悪い層に偏っており、治療アクセスの困難さが背景にあるとしている

出典:★NPJ Digit Med / Real-world use of large language models for mental health in 2024.

サトシサトシ
1800万人という推計はPew調査からの外挿で実測ではない。それでも無視できない規模だと思う

可逆性歯髄炎の診断でChatGPT-5の精度と再現性を検証したという論文。

  • 専門医が確認した可逆性歯髄炎30症例について、臨床情報と根尖部エックス線写真を提示し、各症例を30回ずつ入力して計900回分の回答を評価した
  • 歯種同定や歯髄診断、治療方針など診断系の設問では正答率96%超だったが、エックス線画像の読影に限ると正答率は4.67%まで落ち込んだ
  • 診断系の設問と歯髄・根尖部の読影では再現性がほぼ完璧だった一方、歯冠部の読影は再現性も中程度にとどまった

出典:Front Bioinform / Diagnostic accuracy and repeatability of ChatGPT using textual and radiographic data in reversible pulpitis: a retrospective diagnostic study.

サトシサトシ
文章では強いのに画像読影だけ極端に弱い。教師データの偏りが透けて見える結果だと思います

術前の説明同意にChatGPTでの補足相談を加え、患者の不安と理解度への影響を調べたという論文。

  • 通常の説明同意の後にChatGPTとの相談を行い、STAIとAPAISの不安尺度、満足度アンケートで前後を比較した。回答は泌尿器科医3名が評価した
  • STAI-1は3.2点、STAI-2は1.3点低下し(いずれもp<0.001)臨床的に意味のある変化とされたが、APAIS低下はROC解析で有意でなかった(AUC=0.559、p=0.327)
  • 68%の患者がChatGPT相談を理解の助けになったと回答したが、著者は臨床医の監督継続が必要だとした

出典:Digit Health / Impact of AI-Augmented informed consent on preoperative anxiety and patient understanding: A prospective Observational Study.

サトシサトシ
説明のあとにChatGPTと話すだけで不安が下がるの、地味に使えそうです。ただAPAISは有意じゃなかったので万能ではないですね。

サラセミアの遺伝カウンセリングで4種のLLMの知識と臨床対応力を検証したという論文。

  • 中国華南など高頻度地域を想定し、1,080問の知識問題と6名の専門家が採点する150件の臨床ケースで4モデルを比較した
  • 知識問題は全モデルが正答率90%超だったが、臨床ケース分析は全モデルが専門家水準を下回った
  • 重大な誤りは145件全てがα型サラセミアに集中し、表現型予測とリスク推定での誤りが8割近くを占めた

出典:Front Digit Health / Performance and limitations of four large language models in genetic counseling for thalassemia.

サトシサトシ
知識は合格点でも臨床判断は別物、という結果は他の疾患でも起きそうな構図だと思う

ChatGPT-4oが高齢者の症例文からせん妄を拾えるか、条件を変えて繰り返し試したという論文。

  • PubMed収載の高齢者症例報告20件から、せん妄という語を消した症例文を作り、独立2セッションと連続セッションの3条件で比べた
  • せん妄を指摘できたのは独立2セッションでいずれも70%、連続セッションで90%、比較対象のDeepSeek-V2は50%だった
  • 条件間の差は有意に届かず(p=0.135)、独立セッション同士の一致はκ=0.76、連続セッションを含む一致は低かった

出典:Rev Assoc Med Bras (1992) / ChatGPT-4o in delirium recognition: a pilot study.

サトシサトシ
同じモデルに同じことを聞いても、聞く並びで答えが変わる。20例の予備研究だが測り方は素直だ

救急外来のトリアージでLLMを試し、頑健性の高さと同時に性別と人種にまたがる偏りが残ったという論文。

  • 継続事前学習から文脈内学習まで複数のLLM手法と従来型の機械学習を、分布のずれと欠測がある条件で比べた
  • LLMは従来の機械学習よりデータのずれに強く、過去の類似症例を提示する手法が最も良い一方、推論を促す工夫は効果が薄かった
  • 反実仮想の分析では、性別による出力の差が特定の人種群でより大きく出て、単独の属性では見えない偏りが残った

出典:J Healthc Inform Res / From Promising Capabilities to Pervasive Bias: Assessing Large Language Models for Emergency Department Triage.

サトシサトシ
トリアージは属性で答えが変わると困る場面なので、導入前にこの監査を回しておきたいです

電子カルテから薬剤用量を抽出する精度を5種のLLMで比較したという論文。

  • 9つの薬効分類にまたがる薬剤4295件の用量を手作業で注釈し、5種のLLMにプロンプトを与えて抽出精度を比較した
  • Claude 3.5 SonnetがR2 99.32%、正解率92.36%で最高性能となり、プロンプト改善後はR2 99.34%まで伸びた
  • 一方でモデル間の一致度は中程度(級内相関0.73)にとどまり、性能差はプロンプトへのモデルごとの反応の違いによるところが大きいとしている

出典:Clin Pharmacol Ther / Prompt Engineering of Large Language Models for Medication Dose Calculation.

サトシサトシ
薬剤の用量抽出みたいな地味な作業ほどLLMが効きそうです。ただモデルで結構差が出るのは知っておきたいです

9種類の大規模言語モデルに実臨床の睡眠ポリグラフ検査報告書を解釈させ専門医採点と比較したという論文。

  • トルコの大学睡眠検査室のポリソムノグラフィー記録212件を、単純例と複雑例に分けて9種類のLLMに解釈させた。
  • 完全正答率はモデルにより75.0〜86.3%で、Claude 4.1 Opus・ChatGPT-5・Gemini 2.5 Proが上位を占めた。
  • 複雑例では正答率が最大25.7ポイント落ち込み、閉塞性無呼吸の重症度が中等度の症例で判定が特に難しかった。

出典:Eur Arch Otorhinolaryngol / Performance of nine large language models on real-world polysomnography interpretation for obstructive sleep apnea: a multi-dimensional comparative analysis.

サトシサトシ
9モデル横並びで比べる発想はいい。でも複雑な症例になるとどのAIも崩れる。結局、簡単な問題を解けるかどうかは指標にならない。

精神的な悩みを訴える利用者を模擬し複数のAIチャットボットの応答を臨床的リスク観点で監査する枠組みを示したという論文。

  • 精神的な脆弱性を持つ利用者像を模擬し、Claude・ChatGPT・Gemini・Grok・Llamaなど複数のAIチャットボットと複数ターンの会話をさせた。
  • 9種のチャットボット、30種の利用者像による計810件の会話を13の臨床的リスク項目で採点し、懸念応答は新しいモデルほど少ない傾向だった。
  • 支援的に見える応答がかえって利用者の脆弱性を強める場面が最もリスクが高いパターンとして特定された。

出典:Nat Med / A clinically validated framework for auditing AI chatbot behavior in mental health interactions.

サトシサトシ
チャットボットが優しく寄り添うほど危ういことがある。優しさと安全は別物だと、この研究は静かに言っている。

病院総合診療科で汎用の大規模言語モデルを2か月試験導入し使い方の変化をアンケートで追ったという論文。

  • 試験開始時と終了時の2回、匿名アンケートを実施した。回答率は開始時71.4%、終了時48.6%だった。
  • 利用率は開始・終了時とも約9割で高いままだったが、1日あたりの利用回数の中央値は2.0回から1.5回に減った。
  • 用途は臨床推論から文書作成・要約へと移り、効率化への期待の一方でハルシネーションや情報漏洩への懸念が主な不安として挙がった。

出典:Cureus / Clinician Use of a General-Purpose Large Language Model in Hospital Medicine: A Mixed-Methods Pilot Study.

サトシサトシ
使う回数が減っても定着率は落ちない。これは飽きたんじゃなくて、必要な場面を選べるようになったということだと思う。