2026年10月6日(火)のおすすめトピック

8本(リリース2・論文2・ニュース4)

リリース 電子カルテ・記録業務 注目

メダップが済生会熊本病院と共同開発したDPCコーディング支援AI「メダップ AI DPCコーディング」の提供を始めたという発表。

  • カルテ記事やEFファイルをAIが分析し、主傷病名6桁からDPC14桁までの候補を、桁ごとの根拠と自信度を付けて複数提示する。
  • 料金は年間DPC退院患者数に応じた段階制で月額25万円(税別)から。契約から約4週間で稼働し、電子カルテの改修は原則不要としている。
  • 済生会熊本病院の三層レビューの結果を正解の基準に学習。テスト運用中の病院で年換算数千万円以上の収益改善があったと同社は説明している。

出典:メダップ株式会社 / メダップ株式会社、済生会熊本病院と共同開発した「メダップ AI DPCコーディング」の提供を開始

サトシサトシ
電子カルテと連携せずデータの受け渡しだけで動く設計は、導入のハードルをかなり下げますね。医事課の人手不足に直接効く話です。
論文 その他

急性期のパニック症患者に、薬物療法へ処方型のスマホ治療アプリを上乗せした効果を検証した多施設ランダム化比較試験の論文。

  • 6施設で頻回のパニック発作がある66人を、薬物療法+アプリ群と薬物療法単独群に割り付け、8週間の単盲検試験を行った。解析対象は61人。
  • 8週時のPDSS-SR低下率はアプリ群40.29%、対照群17.61%(P=.007)。40%以上改善した反応者は53.12%と17.24%だった(P=.007)。
  • 抑うつと身体感覚への恐怖は群間差が一時的か同程度にとどまった。アプリの平均遵守率は78.12%で、反応者と非反応者で差はなかった。

出典:J Med Internet Res / Efficacy of a Prescription-Based Mobile Digital Therapeutic as an Adjunct to Pharmacotherapy for the Acute Phase of Panic Disorder: Multicenter Randomized Controlled Trial.

サトシサトシ
薬と並べて処方するアプリで、2週目から差が出ているのが印象的です。遵守率78%も、服薬指導の立場から見ると十分高い数字です。

GLOBE CLINIC 新宿が、訪日・在日外国人やホテル宿泊者向けのオンライン診療サービス「GLOBE Online Doctor」を始めたという発表。

  • 英語・中国語・日本語に対応し、医療通訳が付く。必要に応じて新宿の外来、ホテル往診、提携病院への救急受診につなぐ。
  • 料金は1回55,000円(税込)で、診察料・医療通訳料・処方箋発行料を含む。薬代は別で、診断書は別途11,000円(税込)。事前決済制。
  • 処方薬は薬局と処方箋を連携し、薬局か滞在先ホテルで受け取れる。予約や事前の問診はWebやWhatsApp、メールで行う。

出典:表参道総合医療クリニック / GLOBE CLINIC 新宿、訪日・在日外国人向けオンライン診療サービス「GLOBE Online Doctor」を開始

サトシサトシ
自費で1回5万5千円という価格設定から、保険診療とは別の市場を狙っているのが分かります。ホテルへの薬の配送まで組んでいるのは薬局側も気になるところです。

米ユタ州が、AIがニキビの患者を評価し人の事前確認なしに新規処方まで行う試験運用を認める方針について、STATが報じました。

  • スタートアップのNolla Healthが、問診と皮膚の写真から軽度〜中等度のニキビを評価し、低リスク薬のリストから処方の可否を判断するサービスを州内で始める。
  • 当初はAIの判断を医療者が確認して処方に署名するが、将来は確認なしの処方を認める可能性がある。同社は昨年450万ドルを調達したと発表している。
  • 州のAI政策室が規制を免除して試験を監督する「AIサンドボックス」の拡大の一環。批判を受け、企業の主張を第三者が監査する仕組みも求める。

出典:STAT / STAT+: Utah plows ahead with more health AI pilots for prescriptions, women’s health

サトシサトシ
薬剤師としては、処方の最終判断から人が外れる設計がどこまで許されるのかが気になります。対象を低リスク薬に絞っている点は現実的です。

出会い系アプリのGrindrが、HIV予防のオンライン診療Freddieの親会社を2億5000万ドルで買収することについて、Fierce Healthcareが報じました。

  • 買収額は現金1億9000万ドルと株式6000万ドル。2027年の業績目標に応じて最大7000万ドルの追加支払いがあり、第4四半期の完了を見込む。
  • Freddieは2026年の売上高8000万ドル超、調整後EBITDA1000万ドル超を見込む。2020年にカナダで創業し、米加で5万5000人超にPrEPを提供してきたという。
  • Grindrは2028年までに世界で1000万人のLGBTQ+の人々をアプリ経由でHIV予防につなげる目標を掲げている。

出典:Fierce Healthcare / Grindr acquires HIV prevention telehealth provider for $250M

サトシサトシ
利用者との接点を持つアプリが、医療の提供者を丸ごと買う流れです。PrEPは継続が課題なので、毎日開くアプリに載せる理屈は分かりやすいですね。

看護の申し送りの書き起こしから、LLMで決まった項目や不確かな情報を抜き出せるかを、複数のモデルとプロンプト最適化で比べた論文。

  • 看護師2人が注釈を付けた合成の申し送り書き起こし203件を使い、GPT-5.2、GPT-5-nano、MedGemma 27Bを通常のプロンプトと最適化後で比較した。
  • 最適化後のGPT-5.2は、項目が伝わったかの検出でmicro-F1 0.85、SBAR分類の抽出で0.76。後者は通常のプロンプトより0.24改善した。
  • 曖昧な表現の抽出は最適化後も0.41にとどまった。データは合成で、著者は臨床での有効性や安全性は示していないとしている。

出典:JMIR Nurs / AI-Based Structured Information Extraction From Synthetic Nursing Handover Transcripts: Comparative Evaluation of Large Language Models.

サトシサトシ
曖昧な言い回しの拾い上げが苦手というのは、申し送りで一番事故につながる部分なので気になります。軽量のnanoでも健闘しているのは意外でした。
ニュース 画像診断AI

金沢赤十字病院と福井大学医学部附属病院を結ぶ遠隔読影基盤に、アライドテレシスのルーターが採用されたことについて、医療テックニュースが報じました。

  • ビットブレインの医療専用閉域ネットワーク「WCI」と、アライドテレシスのSD-WANルーター「ARX200Sシリーズ」を使い、インターネットと切り離して画像を共有する。
  • 放射線科医が移動せずに別の病院の画像を読影できるようにした。金沢赤十字病院は外来・救急の読影結果を遠隔で受け取り、福井大病院は医師の移動時間を減らすとしている。

出典:医療テックニュース / アライドテレシス、金沢赤十字病院と福井大病院の遠隔読影基盤構築を支援 閉域網・SD-WAN活用

サトシサトシ
放射線科医を派遣する側の移動時間を減らすという、大学病院の事情から組まれた仕組みですね。設定済みのルーターを置くだけという手軽さも大事です。

医療データ連携のDatavantがID.meと組み、患者の診療記録の請求にデジタルの本人確認を組み込むことについて、Fierce Healthcareが報じました。

  • Datavantの患者向け記録請求ツールの入口にID.meの再利用できるデジタル資格情報を組み込み、手作業の本人確認を減らす。
  • ID.meによると、このツールでID.meを使う患者の約73%がすでに認証済みで、新たにアカウントを作らずに済むという。
  • Datavantは8万超の病院・診療所とつながり、ID.meは23の連邦機関と100超の医療機関が使い、利用者は1億7500万人超としている。

出典:Fierce Healthcare / Datavant, ID.me partner on digital identity verification for medical records

サトシサトシ
記録の開示請求は、本人確認の手間が地味に重い業務です。マイナンバーカードで同じことをやれるかという視点で読むと面白い話です。