月刊Dose 2026年10月

27日分 / 全218本(論文72・リリース51・ニュース95)

サトシ

サトシの総括

医療DXエバンジェリスト/薬剤師

記録AIは使い続けて効き、国内は電子カルテの認証と守りが動いた

10月は27日分、218本を取り上げました。論文72本、プレスリリース51本、ニュース95本で、ニュースが前月の38本から57本増えています。テーマでは生成AI・LLMが45本、電子カルテ・記録業務が40本、規制・実装・医療政策が35本で、規制・実装は前月の18本からほぼ倍になりました。臨床意思決定支援は29本から6本に減っています。

記録AI:時間は減ったが、時間外は減りきらなかった

記録AIは、使い続けた分だけ効く報告が続きました。プライマリケアの臨床医220人を追った研究では、記録時間が開始日に7%、150日後に16%減り(IRR 0.84)、パジャマタイムは150日後に19%減っています。開始日には時間外の作業に変化がありませんでした。救急の指導医275人でも、記録時間は中央値10.0分対12.5分でした。一方、EpicのAI返信下書きでは、使った返信は29.5%短くなったものの全体の返信時間は8.6%延び、時間外の返信は減りませんでした(P=.46)。

アンビエントAIスクライブの利用開始前後150日で、プライマリケアの記録時間や時間外の作業がどう変わったかを調べた論文。

  • 36診療所の臨床医220人、診療31万4845件を対象に、中断時系列デザインで利用開始前後150日ずつを比べた
  • 記録時間は開始日に7%、150日後に16%減った(IRR 0.84)。150日後には夜間のパジャマタイムが19%、時間外作業が13%減った
  • 開始日にはパジャマタイムと時間外作業に変化がなく、効果は使い続けて出てきた。記録の長さは開始日も150日後も変わらなかった

出典:J Am Med Inform Assoc / Longitudinal effects of ambient artificial intelligence scribe use on documentation burden and financial productivity in primary care: a quasi-experimental study.

サトシサトシ
導入した日より半年後のほうが効いているのが面白いところです。スクライブを試して「思ったほど減らない」と感じた施設は、早めに判断しすぎているのかもしれません。

救急医がAIスクライブを使った診療録と使わなかった診療録を、電子カルテの監査ログで比べた論文。

  • 米国の20の救急部門で、指導医275人の記録を同じ医師の中で比較した。使用の有無は診療録内の同意文言から判定した
  • AI使用は全診療の31%。記録の作業時間は中央値10.0分対12.5分(調整後2.4分短縮)で、記録は約14%長く、書き始めは約15分遅かった
  • 記録の完了は遅れず、72時間以内の再受診も増えなかった(-0.8ポイント)。観察研究で、無作為化はしていない

出典:Ann Emerg Med / Ambient Artificial Intelligence Scribe Use and Objective Documentation Effort Among Emergency Physicians.

サトシサトシ
自己申告ではなく監査ログで測っているのがいいところです。書き始めが遅れても完了は遅れない、という点が現場の実感に近そうです。

EpicのAI返信下書きツールが、患者ポータルへの返信時間と時間外の返信にどう関わったかを調べた論文。

  • コロンビア大学アービング医療センターで、医師ら1542人の初回返信98万3154件を後ろ向きに解析した
  • ツール導入で全体の返信時間は8.6%延びた一方、ツールを使った返信では29.5%短縮した(いずれもP<.001)
  • 時間外の返信は全体では減らなかった(P=.46)。勤務時間外に届いたメッセージではむしろ4.52ポイント増えた

出典:JAMA Netw Open / AI-Generated Draft Response Tool, Message Turnaround Time, and After-Hours Replies Among Health Care Professionals.

サトシサトシ
下書きがあると返信のハードルが下がって、夜に届いた分まで返してしまう。負担が減るどころか形を変えるだけ、という結果は現場感に近いです。

国内:電子カルテの認証制度が公表され、AIが中に入った

国内では、中小病院・診療所向け電子カルテの認証制度が10月16日に公表されました。上野厚労相は、脆弱性診断などの実施状況も審査すると会見で述べました。ヘンリーは受付初日に申請するとし、自社の直近1年の稼働率を99.943%と説明しています。CLIPLAは過去のカルテ記載をAIで要約する機能を11月から当面無償で出すと発表しました。いずれも企業側の発表です。

中小病院・診療所向け電子カルテの認証制度で、サイバーセキュリティー対策も審査するという上野厚生労働相の会見発言について、日本経済新聞が報じました。

  • 上野厚労相は20日の会見で、2027年春に始まる認証制度で脆弱性診断などの実施状況の結果も審査すると述べた
  • 要件には、事業者が安全性を自己評価する「医療情報セキュリティ開示書」の医療機関への提出、ペネトレーションテスト、定期的なパッチ適用が含まれる

出典:日本経済新聞 / 電子カルテの認証取得、サイバーセキュリティーも審査 上野厚労相

サトシサトシ
ペネトレーションテストまで要件に入るのは踏み込んでいます。中小の病院が自前で確認しにくい部分なので、認証が目安になると助かります。

ヘンリーが、厚生労働省の「医科診療所及び中小病院向け電子カルテの標準仕様に係る認証制度」に、受付初日の11月1日に申請するという発表。

  • 認証制度は2026年10月16日に公表され、11月1日に施行。要件には単一コードベースのマルチテナント方式、稼働率99.9%以上、直近1年で30施設以上の稼働実績が含まれる
  • 同社によると、Henryの直近1年の稼働率は99.943%、稼働施設は30以上で約8割が地方の病院
  • 導入事例として、そのべ病院で月間の診療報酬収入が導入前の1.3倍になったと同社は説明している

出典:ヘンリー / ヘンリー、厚労省「電子カルテ標準仕様に係る認証制度」受付初日に申請へ

サトシサトシ
認証の要件に稼働率や施設数まで数字で入ったのは大きいと思います。更新時期の病院は、まず認証の有無で候補を絞れそうです。

クラウド電子カルテ『CLIPLA』に、生成AIが過去のカルテ記載を要約して表示する「AIサマリー機能」を2026年11月から提供するという発表。

  • カルテ画面でワンクリックすると、過去の主訴・所見・処置・処方の記載から要点を抽出し、同じ画面に要約を表示する
  • 対象は『CLIPLA』シリーズ利用中の医療機関。料金は当面無償で、利用状況により将来有償化する場合があるとしている
  • 記録を「書く」支援ではなく「読み返す」負担を対象にした点を新しさとして挙げている。利用はオプトイン方式で、データは国内で処理するという

出典:株式会社エムティーアイ / クラウド電子カルテ『CLIPLA』、生成AIによる「AIサマリー機能」の提供を開始

サトシサトシ
書く支援ばかりの中で読み返す側に振ったのは面白いです。処方歴の要約がどこまで正確か、薬局側からも気になります。

サイバー:被害は導入先の外のシステムから来た

月内にはサイバー被害も続きました。産婦人科向けの「アットリンク」では最大787医療機関の患者情報が漏えいした可能性があり、MICINのオンライン診療では最大87人分の情報が閲覧されました。PHPの脆弱性「php2shell」(CVSS 9.2)では、ID-LinkのDICOMViewer機能や病院のウェブ問診が止まっています。どれも病院の電子カルテ本体ではなく、周りのサービスで起きた件でした。787という数字は、1つの業者の先にそれだけの医療機関がつながっていたことを示しています。

医療機関向けシステム「アットリンク」への不正アクセスで、最大787医療機関の患者情報が漏えいした可能性について、読売新聞が報じました。

  • メドレーが10月15日に発表した。対象は主に産婦人科で使われる業務支援システム「アットリンク」と、患者向けの「アットリンクアプリ」など
  • 外部の専門機関から10月11日に情報提供を受けて判明した。関連サービスは14日深夜から一時停止している
  • 再開の見通しについて、メドレーは調査結果を踏まえて改めて知らせるとしている

出典:読売新聞 / 医療機関の予約システム「メドレー」に不正アクセス、最大787医療機関で患者の個人情報漏えいの可能性

サトシサトシ
予約から電子カルテまで扱うシステムが止まると、受付も診療も回らなくなります。委託先の事故が現場にどう響くかを考えさせられる件です。

MICINのオンライン診療サービスに不正ログインがあり、最大87人分の患者情報が閲覧されたことについて、朝日新聞が報じました。

  • MICINが10月27日に発表した。名前、メールアドレス、電話番号、受診状況など最大87人分が第三者に閲覧されたという
  • 閲覧された可能性がある情報には医師によるメモも含まれる。本人確認書類やクレジットカードの情報は含まれていないとしている

出典:朝日新聞 / オンライン診療サービスに不正アクセス 最大87人分の患者情報閲覧

サトシサトシ
受診状況や医師のメモは、件数が少なくても重い情報です。オンライン診療は患者側のログインも守る範囲に入るのだと改めて感じます

PHPの重大な脆弱性「php2shell」で、病院のウェブ問診や地域医療連携システムの一部機能が停止したことについて、医療テックニュースが報じました。

  • 脆弱性は2件で、CVSS v4.0のスコアはいずれも9.2。開発元は10月21日に修正版を公開した
  • ID-LinkのDICOMViewer機能が修正完了まで順次停止し、済生会宇都宮病院は健診のウェブ問診と予約を一時停止した
  • 日医ORCA管理機構はWebORCAなど4サービスでPHPを使っておらず影響なしと発表。全日病は予約や問い合わせ機能も確認するよう会員に求めた

出典:医療テックニュース / PHP重大脆弱性「php2shell」、病院の医療システムにも影響 復旧と安全確認進む

サトシサトシ
電子カルテ本体は無事でも、ウェブ問診や予約が止まると受付は一気に紙に戻ります。外注サイトの棚卸しは薬局も他人事ではないです。

特に注目された15本

EpicのAI返信下書きツールが、患者ポータルへの返信時間と時間外の返信にどう関わったかを調べた論文。

  • コロンビア大学アービング医療センターで、医師ら1542人の初回返信98万3154件を後ろ向きに解析した
  • ツール導入で全体の返信時間は8.6%延びた一方、ツールを使った返信では29.5%短縮した(いずれもP<.001)
  • 時間外の返信は全体では減らなかった(P=.46)。勤務時間外に届いたメッセージではむしろ4.52ポイント増えた

出典:JAMA Netw Open / AI-Generated Draft Response Tool, Message Turnaround Time, and After-Hours Replies Among Health Care Professionals.

サトシサトシ
下書きがあると返信のハードルが下がって、夜に届いた分まで返してしまう。負担が減るどころか形を変えるだけ、という結果は現場感に近いです。

熊本中央病院(361床)で、記録・書類作成のAI基盤「Sail AI」の利用が職員229名・月間約6,300回に広がったとispecが発表。

  • 看護記録の音声入力から始め、現場が自作した「AI業務」が10部署・300件超で使われている
  • 2026年9月の実行回数は約6,300回で、3月から半年で約9倍。1人あたり月に約27回
  • 時間外労働は病棟(60床)で約70%減、地域医療連携室で約30%減とする。病院提供データに基づく企業側の発表

出典:株式会社ispec / 病院AXプラットフォーム「Sail AI」、熊本中央病院で月間約6,300回活用。実際に使われるAI業務は300件超に

サトシサトシ
薬剤科でも使われているそうで、マイナ薬剤情報の転記を医師事務が任せている例が気になりました。現場が自分で業務を作れる設計が効いているんですね。

救急医がAIスクライブを使った診療録と使わなかった診療録を、電子カルテの監査ログで比べた論文。

  • 米国の20の救急部門で、指導医275人の記録を同じ医師の中で比較した。使用の有無は診療録内の同意文言から判定した
  • AI使用は全診療の31%。記録の作業時間は中央値10.0分対12.5分(調整後2.4分短縮)で、記録は約14%長く、書き始めは約15分遅かった
  • 記録の完了は遅れず、72時間以内の再受診も増えなかった(-0.8ポイント)。観察研究で、無作為化はしていない

出典:Ann Emerg Med / Ambient Artificial Intelligence Scribe Use and Objective Documentation Effort Among Emergency Physicians.

サトシサトシ
自己申告ではなく監査ログで測っているのがいいところです。書き始めが遅れても完了は遅れない、という点が現場の実感に近そうです。

クラウドドクターが、KDDIとOsaka Metroが駅構内に設ける個室ブースで、予約なしのオンライン診療を提供するという発表。

  • 御堂筋線北花田駅と四つ橋線西梅田駅で10月30日に開始し、天神橋筋六丁目駅は11月上旬から。診療は西梅田シティクリニックが担う
  • システム利用料は330円で、診療費は別途。診療は平日10時〜20時30分、土日10時〜17時30分(昼に休止あり)
  • 処方薬はブース内でオンライン服薬指導を受けて郵送するか、近隣薬局で対面受取を選ぶ。2026年4月の医療法改正で新設された受診施設の枠組みに触れている

出典:クラウドドクター / クラウドドクター、Osaka Metro駅構内の「診療・くらしの相談ブース Produced by KDDI」に参画

サトシサトシ
服薬指導までブースの中で済む設計なんですね。330円で通勤途中に受診できるなら、まず使うのは薬だけ切らした人かなと思います。
論文 生成AI・LLM 注目 2026-10-27

受診前に検査所見をAIで平易な要約にして患者へ渡すと、外来の診察や対話がどう変わるかを調べたNEJM AIのランダム化試験という論文。

  • ドイツの脳神経外科外来1施設で成人300人を1:1に割り付け、品質確認済みのAI要約を受診前に渡す群と通常診療群を比べた
  • 患者評価の医師患者関係スコアは4.42対4.25(P=0.005)。診察時間の中央値は25分対33分で、相対的に約21%短かった
  • 医師が自己評価した自律性支援はわずかに低下した。副次評価項目は多重比較の補正をしておらず、臨床転帰への影響は未検証

出典:★NEJM AI / Effect of Previsit AI-Generated Document Summaries on Consultation Time and Patient-Physician Communication - The AI-INFOCARE Randomized Controlled Trial.

サトシサトシ
要約を読んで来た患者さんとは、最初の説明を飛ばして相談から始められるのだと思います。8分の差は外来では大きいです

内閣府の検討会が、特定機能病院などに医療情報の提供を義務づける新制度の枠組みを取りまとめたことについて、社会保険研究所が報じました。

  • 検討会は10月9日に取りまとめた。特定機能病院や臨床研究中核病院は国の認定事業者への提供が義務、それ以外の医療機関は努力義務とする
  • 当初の対象は保険診療の電子カルテ情報と画像情報。事前通知は不要とし、本人が提供停止を求められる仕組みを設ける
  • 患者の識別には当面、被保険者番号を使う方向。政府は必要に応じて2027年の通常国会への法案提出をめざす

出典:社会保険研究所 / 医療データ利活用の新制度、大規模病院に情報提供を義務づけへ(2026年10月9日)

サトシサトシ
本人同意に頼らない収集は大きな転換です。広告・宣伝への利用禁止が明記された点は、メディア側としても気になります。

外来でアンビエントAIスクライブを使えるようにすると、患者向け指示書の記載がどう変わったかを調べた論文。

  • 単施設の内科外来で2023年12月〜2025年7月の成人受診391,061件を後ろ向きに分析し、差分の差分法で導入の影響を推定した
  • 導入で指示書の記載頻度は10.5ポイント上昇(P=.018)。AI作成分は医師作成分より長く(中央値1994文字対482文字)、文章の複雑さの指標3つで上回った
  • 医師がAI下書きを編集しても長さが増えるだけで複雑さはほぼ下がらず、下書きと最終版の差は中央値39.7%。患者の理解度は検証していない

出典:J Am Med Inform Assoc / Association of ambient artificial intelligence scribe availability with patient instruction documentation and readability in ambulatory care.

サトシサトシ
指示書が書かれるようになったのは前進ですが、長くて難しいままだと薬の説明書と同じで読まれません。短くする手間を誰が持つかですね

クラウド電子カルテ『CLIPLA』に、生成AIが過去のカルテ記載を要約して表示する「AIサマリー機能」を2026年11月から提供するという発表。

  • カルテ画面でワンクリックすると、過去の主訴・所見・処置・処方の記載から要点を抽出し、同じ画面に要約を表示する
  • 対象は『CLIPLA』シリーズ利用中の医療機関。料金は当面無償で、利用状況により将来有償化する場合があるとしている
  • 記録を「書く」支援ではなく「読み返す」負担を対象にした点を新しさとして挙げている。利用はオプトイン方式で、データは国内で処理するという

出典:株式会社エムティーアイ / クラウド電子カルテ『CLIPLA』、生成AIによる「AIサマリー機能」の提供を開始

サトシサトシ
書く支援ばかりの中で読み返す側に振ったのは面白いです。処方歴の要約がどこまで正確か、薬局側からも気になります。

アンビエントAIスクライブの利用開始前後150日で、プライマリケアの記録時間や時間外の作業がどう変わったかを調べた論文。

  • 36診療所の臨床医220人、診療31万4845件を対象に、中断時系列デザインで利用開始前後150日ずつを比べた
  • 記録時間は開始日に7%、150日後に16%減った(IRR 0.84)。150日後には夜間のパジャマタイムが19%、時間外作業が13%減った
  • 開始日にはパジャマタイムと時間外作業に変化がなく、効果は使い続けて出てきた。記録の長さは開始日も150日後も変わらなかった

出典:J Am Med Inform Assoc / Longitudinal effects of ambient artificial intelligence scribe use on documentation burden and financial productivity in primary care: a quasi-experimental study.

サトシサトシ
導入した日より半年後のほうが効いているのが面白いところです。スクライブを試して「思ったほど減らない」と感じた施設は、早めに判断しすぎているのかもしれません。

ヘンリーが、厚生労働省の「医科診療所及び中小病院向け電子カルテの標準仕様に係る認証制度」に、受付初日の11月1日に申請するという発表。

  • 認証制度は2026年10月16日に公表され、11月1日に施行。要件には単一コードベースのマルチテナント方式、稼働率99.9%以上、直近1年で30施設以上の稼働実績が含まれる
  • 同社によると、Henryの直近1年の稼働率は99.943%、稼働施設は30以上で約8割が地方の病院
  • 導入事例として、そのべ病院で月間の診療報酬収入が導入前の1.3倍になったと同社は説明している

出典:ヘンリー / ヘンリー、厚労省「電子カルテ標準仕様に係る認証制度」受付初日に申請へ

サトシサトシ
認証の要件に稼働率や施設数まで数字で入ったのは大きいと思います。更新時期の病院は、まず認証の有無で候補を絞れそうです。

中小病院・診療所向け電子カルテの認証制度で、サイバーセキュリティー対策も審査するという上野厚生労働相の会見発言について、日本経済新聞が報じました。

  • 上野厚労相は20日の会見で、2027年春に始まる認証制度で脆弱性診断などの実施状況の結果も審査すると述べた
  • 要件には、事業者が安全性を自己評価する「医療情報セキュリティ開示書」の医療機関への提出、ペネトレーションテスト、定期的なパッチ適用が含まれる

出典:日本経済新聞 / 電子カルテの認証取得、サイバーセキュリティーも審査 上野厚労相

サトシサトシ
ペネトレーションテストまで要件に入るのは踏み込んでいます。中小の病院が自前で確認しにくい部分なので、認証が目安になると助かります。

電子処方箋の導入補助について、医療機関の導入期限が2027年3月末まで延びたと日本医事新報が報じました。

  • 厚労省は2026年9月30日までとしていた医療機関の導入期限を2027年3月31日まで延長した。申請期限は2027年9月30日の予定
  • 補助上限は診療所27.1万円、病院135.3万円、大規模病院200.7万円。院内処方機能も同時導入する場合は上限が上がる
  • 薬局の導入期限は2026年9月で終了とした。厚労省は認証クラウド型電子カルテの導入支援などを2027年度に検討している

出典:日本医事新報社 / ■NEWS 電子処方箋の導入補助、医療機関の導入期限を「2027年3月」まで延長

サトシサトシ
医療機関は延長、薬局は終了と分かれたのが目を引きます。電子カルテ側の支援策とセットで更新時期を考える病院が増えそうです。
論文 生成AI・LLM 注目 2026-10-10

患者と事前に問診の対話をするAI「AMIE」を、米国のプライマリケア急患外来で実際の受診前に使った前向き実行可能性研究がLancetに載ったという論文。

  • 単施設・単群で、成人114人が受診前の最大5日間にAMIEと対話し、98人が対話と受診の両方を終えた。対話は医師が監視した
  • 事前基準による安全停止は0件。監視医が指摘したハルシネーションは1件で、臨床評価者は17項目中87〜100%の対話を好意的と評価した
  • 記録を事前に読んだ医師44人中33人が受診準備に役立ったと回答した。比較群のない単施設研究で、資金はAlphabetが出している

出典:Lancet / Conversational diagnostic artificial intelligence in ambulatory primary care: a prospective feasibility study.

サトシサトシ
監視医が付いた条件での安全停止0件なので、無人で回すのとは別の話です。それでも受診前の問診をAIに任せる絵はかなり具体的になってきました

東日本メディコムが、在宅訪問先で録音・撮影した内容から薬歴の下書きを作るiPhone・iPad向けアプリ「MC-Drive GO」を10月から提供するという発表。

  • 訪問先ではオフラインで会話を録音し写真を撮る。帰局後に「MC-Drive for Pharmacy」へ取り込むと、AIが書き起こしてSOAP形式の薬歴の下書きを作る。
  • 価格はMC-Drive for Pharmacyのスタンダードプラン利用者で月額3000円から、ライトプラン利用者で月額5000円から(いずれも税抜)。
  • 投薬後の作業時間が9%減り、薬歴のA欄の記載量が78%増えたと同社は説明している(同社調べ)。AI処理は国内に限定したAIで行うとしている。

出典:東日本メディコム株式会社 / AIを訪問先へ持ち出せる。モバイルAIアシスタント「MC-Drive GO」提供開始

サトシサトシ
在宅は電波の届かない家も多いので、オフラインで録って戻ってからまとめる設計は現実的です。訪問後の薬歴が溜まる苦しさは薬剤師ならみんな知っています。
論文 画像診断AI 注目 2026-10-07

胃の腫瘍性病変を拾う内視鏡AIが、内視鏡医の生検の取り方をどう変えたかをランダム化比較試験の二次解析で調べた論文。

  • AI群1万3440人、対照群1万2561人のRCTを二次解析した。AIは高リスク病変を赤枠、低リスク病変を青枠で示し、中央病理判定を基準にした。
  • 赤枠病変の非生検率は18.00%で、赤枠以外の43.26%、対照群の45.60%より低かった(いずれもP<0.001)。腫瘍への生検効率は8.19%対0.36%、1.77%だった。
  • 偽陽性アラートと生検数の相関は弱い負の相関(ρ=-0.182)で、誤警報が無差別な生検を増やす傾向は見られなかった。

出典:Dig Endosc / Effect of a Computer-Aided Device on Endoscopists' Biopsy Practice for Gastric Neoplasms: A Secondary Analysis of a Randomized Controlled Trial.

サトシサトシ
AIの警告が多いと生検が増えて病理の負担が膨らむ心配がありますが、そうはならなかったという結果ですね。検体を扱う側にもありがたい話です。

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