2026年10月11日(日)のおすすめトピック

4本(ニュース2・論文2)

電子カルテなどの診療データを、患者への事前通知なしで外部提供できるよう大病院に一部義務づける政府の検討について、日本経済新聞が報じました。

  • 政府は診療データを医薬品や治療法の開発で使いやすくするため、提供を一部義務とし、事前通知をなくして不同意を別に申し出る仕組みの新設を検討している
  • 現行の次世代医療基盤法では、医療機関が外部提供する際に患者へ事前通知し、不同意がなければ渡す形で、通知のない提供は法律に反する

出典:日本経済新聞 / 患者通知なく診療データ提供、大病院に義務づけ 創薬活用へ政府検討

サトシサトシ
オプトアウトの手続きが通知なしになると、病院側の事務はかなり軽くなります。患者さんへの説明をどこが担うのかは、薬局の窓口にも関わってきそうです

在宅医療の患者との週1回のフォロー電話の会話と音声から、30日以内の入院・救急受診を予測できるか調べた前向き研究という論文。

  • 米国の在宅医療機関で成人174人に最大4回の構造化電話を行い、書き起こし、音響特徴、音声対応LLMの3系統でモデルを作り統合した
  • 30日以内の入院・救急受診は10.9%。単独モデルのAUROCは最大0.77、統合で0.85(60日は0.79)。高リスク群は低リスク群よりオッズが44.65倍だった
  • オッズ比の95%信頼区間は2.61〜765.15と広い。英語で会話できる患者に限った単一機関の研究で、外部検証は行っていない

出典:Int J Nurs Stud / Using conversational signals for acute care risk stratification: A multimodal AI approach in home health care.

サトシサトシ
電話の中身より声そのもののほうが予測に効いていたのが面白いところです。服薬フォローの電話を録音しておく意味が変わるかもしれません
論文 その他

うつ病のデジタル治療(DTx)の臨床試験で、デジタルプラセボ群のPHQ-9がどれだけ改善するかを統合したシステマティックレビューとメタ解析という論文。

  • デジタルプラセボを対照にした盲検RCTを8つのデータベースで検索し、29本・30試験・5680人を対象に解析した
  • プラセボ群内のPHQ-9改善の統合効果量はHedges g=0.44(95%CI 0.29〜0.59)。異質性はI2=93.2%と高かった
  • 改善幅の独立した調整因子は、主診断が精神疾患であること(P=.008)とベースラインのPHQ-9(P<.001)だった

出典:J Med Internet Res / Magnitude and Moderators of Depressive Symptom Improvement in Digital Placebo Arms: Systematic Review and Meta-Analysis.

サトシサトシ
偽アプリでもそれなりに良くなるとなると、DTxの試験は設計の段階で勝負が決まります。日本の研究グループの仕事なのもうれしいところです
ニュース 生成AI・LLM

Sakana AIのLLM「Sakana Namazu」が、医師向け文献検索ツール「Evidence Finder」に採用されたことについて、AI Watchが報じました。

  • アイリスの検索・検証アルゴリズムが関連文献を選び、文献の比較・統合と回答の生成をSakana Namazuが担う構成にした
  • 評価用モデルは第120回医師国家試験で正解率96.4%。アイリスによれば、GENIACが指定する国産基盤モデルの最高得点にあたるという
  • AIが引用した文献の実在性を自動で検証する「Verify」機能を備え、医師が一次文献にたどり着ける設計としている

出典:株式会社インプレス / Sakana AIのLLM「Namazu」、医師向け「Evidence Finder」に採用

サトシサトシ
国試の点数より、引用文献の実在チェックが付いている点のほうが現場では効きます。薬の文献を引くときに使えるかは試してみたいです