2026年10月26日(月)のおすすめトピック

8本(ニュース4・リリース3・論文1)

ニュース 規制・実装・医療政策 注目

内閣府の検討会が、特定機能病院などに医療情報の提供を義務づける新制度の枠組みを取りまとめたことについて、社会保険研究所が報じました。

  • 検討会は10月9日に取りまとめた。特定機能病院や臨床研究中核病院は国の認定事業者への提供が義務、それ以外の医療機関は努力義務とする
  • 当初の対象は保険診療の電子カルテ情報と画像情報。事前通知は不要とし、本人が提供停止を求められる仕組みを設ける
  • 患者の識別には当面、被保険者番号を使う方向。政府は必要に応じて2027年の通常国会への法案提出をめざす

出典:社会保険研究所 / 医療データ利活用の新制度、大規模病院に情報提供を義務づけへ(2026年10月9日)

サトシサトシ
本人同意に頼らない収集は大きな転換です。広告・宣伝への利用禁止が明記された点は、メディア側としても気になります。
リリース 生成AI・LLM

プレシジョンが、約3万例の疾患因果ダイアグラムで国産LLM「LLM-jp-4」を追加学習し、実在しない病名の提示が減ったと報告した発表。

  • 内閣府SIPの研究の経過報告。医師が作成した症例問題のうち学習に使っていない100問で、追加学習の前後のモデルを比べた
  • 辞書にもWebにも無い病名の割合は15.5%から3.0%に、正解疾患を上位10件に挙げた率は27%から65%に上がったと同社は説明している
  • モデルは研究段階で医療機器の承認は受けていない。成果を使った医療用日本語入力「今日の医療AI日本語入力」は2026年10月から販売する

出典:株式会社プレシジョン / 【研究経過報告】症例報告を学んだLLM-jpベースの医療特化のエージェントLLM、ハルシネーション病名を8割削減

サトシサトシ
薬剤名の変換ミスは薬局の疑義照会のもとにもなるので、文章を生成しない日本語入力という割り切り方は現場向きだと思います。
リリース その他

VITAL SYNCが、産業医の開発した中小企業向け健康管理クラウド「Good Day」とストレスチェックサービスの正式提供を始めたという発表。

  • 健診結果の管理、ストレスチェック、時間外労働の月80・100時間の判定を1画面で扱う。2028年4月の50人未満事業場への義務化を見据える
  • 料金は1人あたり月額240円(税別、初期費用は1人600円)。50人未満の事業場はストレスチェックを2028年3月31日まで無料とする
  • 仙台市のサンケミファでは受検率が前回の80%から96%に上がったと同社は説明している。社内運用から社外委託に切り替えた事例

出典:VITAL SYNC合同会社 / 【ストレスチェックの受検率が80%から96%に】産業医がつくった健康管理クラウド「Good Day」正式提供を開始

サトシサトシ
50人未満の事業場には薬局も多いので、2028年の義務化は他人事ではありません。紙受検に対応している点が地味に効きそうです。
ニュース 生成AI・LLM

富士フイルムシステムサービスが、AIで医薬品関連の文書を作成・審査するシステムを12月まで検証することについて、日本経済新聞が報じました。

  • 医薬品関連文書の作成サービスを手がけるEPファーマラインと共同で、7月から実務環境で検証している
  • 製薬会社が医療従事者向けに使う資料の文書案をAIが作成し、薬機法などとの整合性を確認して修正候補を示す
  • 作業時間の短縮効果などを評価する。実用化の時期は未定としている

出典:日本経済新聞 / 富士フイルム系、AIで医薬品関連の文書作成 製薬会社向けに支援

サトシサトシ
製薬の学術資料は薬局にも届くので、薬機法チェックの精度は気になります。人の負担が集中する工程から入るのは理にかなっています。
ニュース その他

リードが医療・介護向けの勤怠管理・シフト自動作成システム「HRM369 共に!」に月額制プランを加えたことについて、Dellows Newsが報じました。

  • 新プランは拠点単位の定額制で、拠点あたり月額45,000円(税別)から。初期導入支援と機器調達は別で、最低契約期間は6カ月
  • 東海地区を中心に約600拠点、利用者約3万人の導入実績があり、今後3年間で300拠点への導入を目指すと同社は説明している
  • 記事はリードの発表をもとに作成されている。欠員時のシフト再調整や、運営指導・加算申請向けの帳票出力に対応する

出典:Dellows News / リード、医療・介護向け勤怠・シフト管理システムで月額制プランを提供開始

サトシサトシ
非常勤が多い現場ほど人数課金は重いので、拠点定額は現実的です。シフトと勤怠が同じデータで直結しているかが選ぶ決め手だと思います。

画像や波形など複数の臨床モダリティを扱う推論型の基盤モデル「QoQ-Med3」を開発し、未学習の課題や他施設データへの汎化を調べたという論文。

  • 公開臨床データで学習した2モデルを、未学習のモダリティと課題、施設の異なる外部データ、施設間のばらつきへの頑健性で評価した
  • 全体のbalanced accuracyは71.3%、F1は0.349でGPT-4oを含む既存モデルを上回った。学習後に外的ハルシネーション率は44.4%低下した
  • 公開データのみの学習でMIMIC-IVとジョンズ・ホプキンス大の非公開データにも汎化した。臨床現場での前向き検証は行っていない

出典:★NPJ Digit Med / QoQ-Med3: a multimodal reasoning foundation model for clinical analysis.

サトシサトシ
F1が0.349という数字を見ると、GPT-4o超えでもまだ任せられる水準ではないと感じます。汎化を正面から測っている点は好きです。
リリース その他

GENSHI AIが、訪問診療チーム向けの医療者専用チャット「RoundTrace」の先行パートナー施設を5施設募集するという発表。

  • 患者ごとにチャンネルを設け、医師、訪問看護師、薬剤師、ケアマネジャー、医療事務が情報を共有する。データは国内で保管する
  • 検証期間は3か月で期間中の利用料は無料、応募締切は2026年12月25日。iPhone、Mac、Windowsに対応し、Android版は開発中
  • 令和8年度改定で明確化された在宅医療情報連携加算のICT要件7項目に対応すると同社は説明している。算定は保証しないとしている

出典:株式会社GENSHI AI / GENSHI AI、訪問診療チーム向け医療者専用チャット「RoundTrace」の先行パートナー5施設を募集

サトシサトシ
在宅の連絡はいまだに個人LINEと電話が混ざりがちです。薬剤師が最初からチャンネルに入っている設計はありがたいです。
ニュース 画像診断AI

救急CT読影支援AIのfcuroが、キヤノンメディカルシステムズと製品・技術の認知向上で提携したことについて、医療テックニュースが報じました。

  • ERATSは救急で撮影した全身CTの数百〜1000枚以上の画像から、医師が注目すべき画像を約10秒で提示するとされる
  • これまでは一部の医療機関で研究目的に使われてきた。今後はより多くの医療機関で検証を進め、有効性の実証に取り組むという

出典:医療テックニュース / fcuro、キヤノンメディカルと提携 救急CT読影AIなどの認知を拡大

サトシサトシ
研究利用の段階でメーカーと組むのは、まず現場の目に触れる機会を増やしたいからだと思います。有効性のデータが出るのを待ちたいです。