2026年10月25日(日)のおすすめトピック

4本(論文2・ニュース2)

外来でアンビエントAIスクライブを使えるようにすると、患者向け指示書の記載がどう変わったかを調べた論文。

  • 単施設の内科外来で2023年12月〜2025年7月の成人受診391,061件を後ろ向きに分析し、差分の差分法で導入の影響を推定した
  • 導入で指示書の記載頻度は10.5ポイント上昇(P=.018)。AI作成分は医師作成分より長く(中央値1994文字対482文字)、文章の複雑さの指標3つで上回った
  • 医師がAI下書きを編集しても長さが増えるだけで複雑さはほぼ下がらず、下書きと最終版の差は中央値39.7%。患者の理解度は検証していない

出典:J Am Med Inform Assoc / Association of ambient artificial intelligence scribe availability with patient instruction documentation and readability in ambulatory care.

サトシサトシ
指示書が書かれるようになったのは前進ですが、長くて難しいままだと薬の説明書と同じで読まれません。短くする手間を誰が持つかですね

頭部CTの読影で医師がAIの助言に頼りすぎる、または頼らなさすぎる場面を、説明付きAIで減らせるかを調べた論文。

  • 放射線科医50人と非専門の医師・研修医75人が、AIなし、AI予測のみ、病変注釈付きAIの3条件で頭部CT50例ずつを読むランダム化クロスオーバー試験
  • 正しい注釈付きAIは助言なしに比べ正診を改善した(OR 1.84、p<0.0001)。正しい助言に従わない過少依存のほうが、過剰依存より正診率への害が大きかった
  • 注釈付きAIでも読影時間は短縮しなかった(p=0.071)。AI助言の20%を意図的に誤りにした実験環境での結果

出典:★Lancet Digit Health / Examining reliance patterns on AI advice in medical imaging: a mixed-methods, randomised, crossover experiment.

サトシサトシ
誤ったAIに引っ張られる話はよく聞きますが、正しいAIを信じない損のほうが大きいのは意外でした。導入時の研修の中身が変わりそうです
ニュース 生成AI・LLM

中国のネット大手が名医の「デジタル分身」などAI医師サービスに相次いで参入していることについて、財新の記事として東洋経済オンラインが報じました。

  • アントグループは2026年8月、一般向けAI健康アシスタント「阿福」の医師向け版を公開。医師ごとのAI分身が患者の問い合わせに24時間対応する
  • 同社によると阿福は5000超の病院、約30万人の医師とつながり、ユーザーは1億人を突破。半数以上が地方都市からの利用という
  • 中国の医療行政当局は、AIを含むオンライン医療で初診や確定診断を認めないなど利用範囲を制限している

出典:東洋経済オンライン / 中国のネット大手が「AI医師」サービスに続々参入 アント、京東、バイトダンス…ビジネスモデルはまだ手探り

サトシサトシ
医師の分身が患者の問い合わせに答える形は、薬局の服薬フォローにも近い発想です。日本だとまず医師法との線引きが議論になりそうです
ニュース その他

市立敦賀病院が嶺南地域で初めて手術支援ロボット「ダヴィンチ5」を導入したことについて、福井放送が報じました。

  • 市立敦賀病院は9月に「ダヴィンチ5」を導入した。県内では福井大学病院などに4台あるが、嶺南の医療機関では初めて
  • 泌尿器科が年内に初のロボット手術を予定。これまで前立腺がんの手術希望者はほとんど嶺北の病院に紹介していたという
  • 同院は昨年度まで3年連続の赤字で、手術件数を増やして収益改善につなげたいとしている

出典:dメニューニュース / 嶺南に手術支援ロボット初導入 嶺北との医療格差解消へ 地元で手術、患者の負担減 若手医師の育成にも 病院の赤字経営脱却に期待

サトシサトシ
赤字の公立病院がロボットに投資するのは大きな判断です。嶺北まで通っていた患者さんと家族の負担が減るのは確かですね