クラウド電子カルテ『CLIPLA』に、生成AIが過去のカルテ記載を要約して表示する「AIサマリー機能」を2026年11月から提供するという発表。
- カルテ画面でワンクリックすると、過去の主訴・所見・処置・処方の記載から要点を抽出し、同じ画面に要約を表示する
- 対象は『CLIPLA』シリーズ利用中の医療機関。料金は当面無償で、利用状況により将来有償化する場合があるとしている
- 記録を「書く」支援ではなく「読み返す」負担を対象にした点を新しさとして挙げている。利用はオプトイン方式で、データは国内で処理するという
出典:株式会社エムティーアイ / クラウド電子カルテ『CLIPLA』、生成AIによる「AIサマリー機能」の提供を開始
サトシ 書く支援ばかりの中で読み返す側に振ったのは面白いです。処方歴の要約がどこまで正確か、薬局側からも気になります。
進行CKDの高齢者に動画の意思決定支援と本人のビデオ宣言を組み合わせると、電子カルテ上のACP記録が増えたという論文。
- 米国の外来12施設で65歳以上の進行CKD患者453人を無作為化した。介入群は3つの治療選択肢の動画を見て、自身の希望を録画し主治医へ送った
- 12か月時点のACP記録は介入群56.6%、対照群40.0%(差16.6%、P<.001)。治療選択肢の話し合いの記録も46.1%対31.6%(P=.001)だった
- 動画視聴後に治療を決めかねていた人は13.2%対41.3%で、保存的腎臓管理を選ぶ人は50.7%対31.8%に増えた。記録の判定にはNLP支援の人手判定を使った
出典:JAMA Intern Med / Video Decision Support and Advance Care Planning in Older Adults With Advanced Kidney Disease: The VIDEO-KD Randomized Clinical Trial.
サトシ 動画を見たあとに保存的管理を選ぶ人が増えた点は、説明の仕方で選択が動くことの裏返しでもあり、扱いが繊細だと感じます。
肺がんの実症例150例で、GPT-5とGemini-2.5-Proの治療推奨を多職種カンファの方針と比べたという論文。
- 連続150例を構造化した症例文にし、情報量3段階と自然文・JSONの2形式で入力した。各モデルの1文の推奨を10の治療カテゴリに分けて比較した
- 最良はGemini-2.5-Pro(情報量最大・自然文)で正解率0.8647、F1 0.7603。GPT-5は同条件で正解率0.7967、F1 0.6826だった
- GPT-5はJSON入力で再現率0.9132まで上がったが、適合率とF1は下がった。基準はMDTの方針で、ガイドライン上の正解ではない
出典:BMC Med Inform Decis Mak / LLM-assisted multidisciplinary decision-making in lung cancer: efficacy of Gemini-2.5-Pro and GPT-5 in a real-world MDT setting.
サトシ 入力の形式で成績が変わるのが実務的に効く話です。カンファ資料をどう整えて渡すかが、モデル選びより先の課題かもしれません。
クラウドドクターが、オンライン診療と健診・予防接種などをまとめた法人向け福利厚生パッケージ「クラウドドクター for ウェルネス」のβ版を10月23日に提供開始したという発表。
- 対象は企業の従業員。オンライン診療・来院型診療、健診・人間ドック、集団予防接種、産業医の選任などを含む
- 通常は導入費用が税込110,000円、月額が税込11,000円から。2026年11月30日までの申し込みはどちらも無料としている
- 診療は各医師の所属医療機関が行い、同社はマッチングとシステムを提供する。登録医師は1,000名超と同社は説明している
出典:クラウドドクター / 働く空間にも医療アクセスを。福利厚生パッケージ「クラウドドクター for ウェルネス」β版、提供開始
サトシ 産業医の選任まで一つのパッケージに入れてきたのが目を引きます。中小企業の健康経営の入口として刺さりそうです。
Microsoftの診断AI「MAI-DxO」が難しい症例で一般医の2倍超の正解率を示した研究がScienceに掲載されたことについて、韓国の毎日経済が報じました。
- NEJMの症例304件を、初期症状から質問と検査を選ばせて診断させた。検査ごとに費用を課す「順次診断ベンチマーク」で評価した
- MAI-DxOの正解率は83.2%、一般医は36.1%だった。救急入院325件では80.3%対46.8%と記事は伝えている
- GPT-5単独でも78.9%で、上乗せは約4ポイントだった。比較相手は専門医ではなく、治療判断や患者安全は評価していないという
出典:매일경제 / マイクロソフト(MS)が開発した人工知能(AI)診断システムが複雑な疾患を診断する試験で、実際の医師より2倍以上高い精度を記録した。 複数の医師が集まって意見を交わすように、AIが自ら質問し、検査を選..
サトシ 仕組みの上乗せより基盤モデルの伸びが大きいという数字のほうが印象に残りました。BIDMCでの実患者検証の結果を待ちたいです。
PHPの重大な脆弱性「php2shell」で、病院のウェブ問診や地域医療連携システムの一部機能が停止したことについて、医療テックニュースが報じました。
- 脆弱性は2件で、CVSS v4.0のスコアはいずれも9.2。開発元は10月21日に修正版を公開した
- ID-LinkのDICOMViewer機能が修正完了まで順次停止し、済生会宇都宮病院は健診のウェブ問診と予約を一時停止した
- 日医ORCA管理機構はWebORCAなど4サービスでPHPを使っておらず影響なしと発表。全日病は予約や問い合わせ機能も確認するよう会員に求めた
出典:医療テックニュース / PHP重大脆弱性「php2shell」、病院の医療システムにも影響 復旧と安全確認進む
サトシ 電子カルテ本体は無事でも、ウェブ問診や予約が止まると受付は一気に紙に戻ります。外注サイトの棚卸しは薬局も他人事ではないです。
アルフレッサとセイコーソリューションズが、医療機関向け電子同意サービス「COMPACT IN」の共同展開を含む医療DX分野の協業で基本合意したという発表。
- 手術・検査・処置の同意手続きを電子化するサービスで、アルフレッサが販売支援と申込受付、セイコーソリューションズが契約と保守を担う
- 販売支援業務委託契約は2026年10月1日に効力が発生し、基本合意書は10月9日に締結した
- 電子署名・タイムスタンプ技術を使う新サービスは検討段階にとどまる。2027年3月期の業績への影響は軽微としている
出典:アルフレッサ ホールディングス株式会社 / アルフレッサ株式会社とセイコーソリューションズ株式会社が医療DX分野で協業
サトシ 卸のMRさんが同意書の電子化まで提案しに来る時代です。日々の接点を持つ卸が売るのは、導入の後押しとして現実的だと思います。
米Sentara HealthがRegardと共同開発した、カルテに自然文で問い合わせるケースマネジメントAIを導入したことについて、Fierce Healthcareが報じました。
- ケースマネージャーが患者の経過や状態の変化をカルテから自然文で引き出せ、直近24時間の変化も一覧できる
- 経営陣は約9万時間の削減を見込み、常勤40人超、人件費約500万ドルに相当すると説明している。実測値ではない
- Sentaraは12病院と400超の拠点を持ち、急性期から外来へ広げる計画という
出典:Fierce Healthcare / Sentara Health deploys new AI case management tool co-developed with Regard
サトシ 退院調整の前の情報集めは、薬剤師の持参薬確認とも重なる手間です。見込みの9万時間が実際どうだったかの続報が欲しいですね。
ゼロシステムが院内物流管理システムに医療材料データベースとMRI安全性情報を連携させ、相澤病院が先行導入したことについて、医療テックニュースが報じました。
- 院内物流管理の「ZERO Supply」に、メディエの医療材料データベースとMR適合性検索システム「Nextant」の情報を連携した
- 使用材料を患者やロット・シリアル番号と結び付けて記録し、リコール時に対象患者を確認できる。相澤病院は9月から導入している
- インターネットに接続しない院内ネットワークでも、製品情報やMR安全性情報を参照できるという
出典:医療テックニュース / ゼロシステム、院内物流に医療材料DB・MR安全性情報を連携 機器管理とMRI検査前の確認を支援
サトシ リコール時に対象患者をたどれるのは、医薬品のロット管理と同じ発想です。他院で入った機器まで登録できる点は現場で効きそうです。
シーメンス・ヘルシニアーズとエヌビディアが、適応放射線治療へのAI活用で協業すると発表したことについて、医療テックニュースが報じました。
- AIエージェントによる治療計画の作成支援、患者ごとのシミュレーション、照射中のデータ処理の3分野で技術開発に取り組む
- 計画作成ではエヌビディアの推論モデル「Nemotron」を使い、医師の目標に沿って計画案を比較する。最終確認と承認は医療従事者が行う
- 製品化の時期や価格は記事に書かれていない
出典:医療テックニュース / シーメンス・ヘルシニアーズ、エヌビディアと放射線治療AIで協業 治療計画作成を支援
サトシ 治療計画の比較をエージェントに任せる流れは、放射線科以外にも波及しそうです。医学物理士の手の足りなさが背景にあるのでしょうね。
AI創薬のPathosがBristol Myers Squibb主導のシリーズEで2億3,700万ドルを調達することについて、STATが報じました。
- 今回の調達で企業評価額は約30億ドルになるという
- 腫瘍領域から神経疾患へ広げ、Tempus AIの新たなデータセットを使う。BMSとの提携はまずアルツハイマー病の治療薬に取り組む
- 独自モデル「Foundry」が多数のエージェントで臨床試験の成功確率を計算し、開発品や対象集団、試験設計の判断に使うと同社は説明している
出典:STAT / STAT+: AI drug firm Pathos raises $237 million, pushing valuation to $3 billion
サトシ 治験の成功確率を当てにいくAIに製薬大手が出資する構図は、創薬の意思決定そのものが変わりつつある兆しに見えます。