ドイツのADPKDレジストリの臨床データと研究データを統合し、ほぼリアルタイムで解析・可視化するプラットフォームMEDA-PKDを報告した論文。
- German AD(H)PKD Tolvaptan Registryの診療データと研究データを一つのデータベースに統合し、自動解析と動的な可視化を行う
- 2026年3月時点で1,735人(平均追跡796日)を可視化。トルバプタン開始例332人のeGFRスロープ解析を実データで示した
- 検査値2万894件やプロテオミクスも統合する。プラットフォームの報告で、診療成績の改善を検証した研究ではない
出典:★NPJ Digit Med / MEDA-PKD: a dynamic, real-time analytics platform for precision care in autosomal dominant polycystic kidney disease.
サトシ トルバプタンの実臨床での効き方を眺め続けられる仕組みは、薬剤側から見てもうらやましいです。日本の希少疾患レジストリでも見てみたいです。
eWeLLが、訪問看護専用電子カルテiBowの記録から経営改善策と収益試算をAIが示す「iBowボード Pro」を10月22日に提供開始したという発表。
- iBowに蓄積された記録やレセプトのデータを使い、12の評価指標で経営状態をスコアリングする。分析のためのデータ入力は不要としている
- AIが重要な改善ポイントを3つ挙げ、60日後・90日後の目標KPIと改善後の想定収益を示す。対象は全国のiBow契約ステーション(3,736事業所)
- 想定収益は条件に基づく試算で、改善効果を保証するものではないと同社は注記している。価格は発表に書かれていない
出典:株式会社eWeLL / 【AIで訪問看護の経営支援】電子カルテiBowの日々の記録を経営改善策へ、「iBowボード Pro」提供開始
サトシ 記録を経営指標に回す発想は薬局のレセコンにも欲しいところです。訪問看護の廃業率6.4%という背景の数字が重いですね。
電子カルテ情報共有サービスは2027年1月頃に運用開始を目指すものの、全国で広く使えるまで6〜7年かかる可能性があると厚労省担当者が説明したことについて、日経メディカルが報じました。
- 厚労省の木下栄作参事官が、10月の日本薬剤師会学術大会の分科会で説明した
- 医療機関のシステム更新に合わせて改修を進める方針で、全国で利用できる環境は6〜7年後を目指すという
- 患者の同意の下で傷病名、薬剤アレルギー、検査情報などを共有する仕組みで、薬局では検査値を確認できるようになる
出典:日経メディカル / 電子カルテ情報共有サービス、27年開始は「誤解を招く」 広範な普及にはあと6~7年の可能性
サトシ 薬局で検査値が見られるのは大きいのですが、6〜7年と聞くと現場の期待値は下げておいたほうがよさそうです。
米Doximityが臨床AIツール「Doximity Ask」にWolters KluwerのUpToDateを組み込む提携について、Fierce Healthcareが報じました。
- 数週間以内に、両製品を使う医療機関の臨床医はAskの回答と並べてUpToDateに基づく回答を見られるようになる
- UpToDateの1万3,000の臨床トピックとベストプラクティスガイドが対象。UpToDateの利用者は300万人超と記事は伝えている
- Doximityは同社の医師1万2,000人によるPeerCheckと並ぶ信頼の根拠としてUpToDateを位置づけている
出典:Fierce Healthcare / Doximity adds UpToDate to Ask in push to become doctors’ go-to AI platform
サトシ 生成AIの差別化が性能から出典の信頼に移っているのがよく分かる提携です。国内の医療情報サービスも同じ道を通りそうです。
オーガイホールディングスが、訪問歯科の予定・記録・帳票・多職種連携をまとめるクラウド型SaaS「オクチミル」を正式リリースしたという発表。
- 訪問中の音声を文字起こしし、歯科用語に合わせて清書するAIアシストを備える。記録は医療従事者が確認して確定する流れとしている
- 職種・法人・利用者ごとに入力と閲覧の範囲を分け、施設、ケアマネ、訪問看護、家族と情報を共有できるという
- 導入医院で業務時間や帳票作成時間を導入前後で計測するとしている。口腔データの研究利用は将来構想の段階で、価格は書かれていない
出典:オーガイホールディングス株式会社 / 訪問歯科DX「オクチミル」正式リリース。全国2.2万の在宅サービス実施歯科を起点に、“口腔ヘルスデータ基盤”の構築へ
サトシ 訪問歯科のICT活用が5%という数字に驚きました。居宅療養管理指導の帳票は薬局とも共通の悩みなので気になります。
日立と医薬品卸のケーエスケーが、配送ルートを自動で組み直す機能の実証を終え11月から展開することについて、日本経済新聞が両社の発表を報じました。
- 日立の物流ソリューションHDSLの「ポイントダイナミック機能」で、配送担当者の欠員分を稼働可能な別ルートへ自動で再配分する運用を検証した
- 両社の発表によると、営業担当者が代行していた配送の工数を60%削減した。実証は2026年9月末に完了した
- 2026年11月からケーエスケーの各支店で順次稼働を始める。削減効果は対象支店の稼働状況などをもとに算出した値とされる
出典:日本経済新聞 / 日立とケーエスケー、医薬品配送業務のデジタルトランスフォーメーションに向けたPoCを完了
サトシ 卸のMRさんが配送を代行している話は薬局側でもよく聞きます。欠員時の穴埋めが自動化されるのは地味に効きそうです。
韓国保健福祉部とWHOが医療AIの安全で公平な活用を掲げる「AIヘルスケアソウル宣言」を共同発表したことについて、毎日経済が報じました。
- 10月21日にソウルで開幕した2026世界バイオサミットで発表された。保健福祉部とWHOが医療AIに関する共同宣言を採択した最初の事例とされる
- 倫理的なAI活用、未充足の医療需要を中心としたR&D投資、リスクに比例した監督体系などを原則として明記した
- テドロス事務総長の訪韓は2017年の就任後初めて。サミットは第49回世界病院大会と連携して開かれた
出典:매일경제 / テドロス·アダノム·ゲブレイェスス世界保健機関(WHO)事務総長が2017年就任後初めて韓国を訪れ、韓国政府と共にグローバル医療人工知能(AI)規範を盛り込んだ共同宣言を出した。 WHOの首長が訪韓し..
サトシ 宣言自体に拘束力はないものの、規制の議論でアジアから発信する枠組みができたのは見ておきたい動きです。