小児ICUで個別化機械学習の急変予測アラート「P-WIN」を前向きに稼働させ、既存の警告ツールや医師らのハドルと比べたという論文。
- 4次医療の小児病院で2026年1〜4月、PICU患者1005人の急変リスクを電子カルテのデータから30分ごとに算出した前向きコホート研究
- 62人に起きた99件の急変のうち、P-WINは73%を1〜24時間前に検出した。既存ツールは39%、ハドルは23%(いずれもP<.05)
- 陽性的中率は既存の2つの方法と同程度で、アラートは患者1日あたり0.21件。単施設で3か月間の結果
出典:JAMIA Open / P-WIN deployment: real-time personalized machine learning to predict critical deterioration in a pediatric intensive care unit.
サトシ アラートが患者1日あたり0.21件に収まっている点が大事だと思います。鳴りすぎる警告は現場で無視されがちなので。
TXP Medicalが、群馬大学医学部附属病院(722床)に生成AIの医療文書作成支援システム「NSDA」が導入されたという発表。
- 電子カルテの検査結果や経過記録をAIが参照し、退院サマリや診療情報提供書の下書きを作る。医師はそれを確認・修正して仕上げる
- 院内サーバーでのオンプレミス運用とクラウドの両方に対応する。文書作成の過程で研究用の構造化データも作るとTXP Medicalは説明している
- 削減時間などの効果の数字や価格は示されていない。同社は東京都立墨東病院への導入も発表している
出典:TXP Medical / 群馬大学医学部附属病院、生成AIで医療文書作成を効率化—医師の負担を軽減し「患者に向き合う時間」を創出
サトシ 病院側のセンター長が「拾い切れていなかった情報に気づく」と書いているのが印象的でした。時短以外の効き目の話は珍しいです。
済生会川口総合病院がAI文字起こし「Notta」を院内の会議に導入したことについて、医療テックニュースが報じました。
- 対象は職員間の対面・ウェブ会議の文字起こしと要約。患者の個人情報を扱う診療現場では使わず、バックオフィス業務とプロジェクト会議に限る
- Notta側の発表として、30分の会議で約90分かかっていた議事録作成が10分程度になり、1週間ほどかかった共有が当日中になったと伝えている
- 次期電子カルテ更新で数十の会議体が並行する見込みがあった。データの国内保管など院内規程への適合を評価して選んだという
出典:医療テックニュース / 済生会川口総合病院、AI文字起こし「Notta」導入 議事録作成が90分から10分に
サトシ 電子カルテ更新のワーキンググループは本当に会議が多いので、まず会議から入るのは堅実な順番だと思います。患者情報を外す線引きも明確です。
Health ISAC Japanが、医学論文の執筆・査読・編集で生成AIを使う際の検討事項をまとめた提言を公開したことについて、Dellows Newsが報じました。
- 投稿者、査読者、編集者の立場ごとに、研究公正性を保つための留意事項を整理した。学会やジャーナルが独自ルールを作る出発点という位置づけ
- 論点は出力の正確性の確認、利用範囲と目的の透明性、査読の独立性の維持など。機密情報を汎用AIで扱う際のセキュリティ上の注意も補足している
- 同団体は提言のオンライン説明会を開く予定で、開催日は別途告知するとしている
出典:Dellows News / Health ISAC Japan、医学論文での生成AI安全利用に向けた提言を公開
サトシ 査読中の原稿を汎用AIに貼るのは、未公表データを外に出すのと同じなんですよね。メディアの編集側でも同じ線引きが要ると感じます。
MedTech Groupが対話型AIで医療従事者の疑問にその場で答えるワークフローの提供を始めたことについて、医療テックニュースが報じました。
- 「AI Hippo 医療Loop」上で、病名や症状、薬剤、医療用語の確認、ガイドラインの参照・要約、院内マニュアルの検索に対応する
- 医師、看護師、事務スタッフの利用を想定する。AIは情報整理と検索を支援し、最終判断は医療従事者が行う設計としている
- 価格や導入施設、回答精度の検証結果は記事中に示されていない
出典:医療テックニュース / MedTech Group、対話AIが医療現場の疑問に回答する新サービス 教育・確認業務を支援
サトシ 「忙しい先輩に聞きにくい」は薬局でもよくある悩みです。院内マニュアルを正しく引けるかどうかが、使われるかの分かれ目だと思います。
韓国NTL Healthcareが子宮頸がん検診AIをクラウドを使わずローカルPCで動かせる構成を発表したことについて、remioが報じました。
- 新エディション「CerviCARE AI AT」は専用サーバーやクラウドを使わず、院内のPCで画像解析とデータ管理を行う。SaaS版の中核機能にDICOM生成を加えた
- 記事は、同社が画像アーカイブや電子カルテとの連携仕様、PCの要件、更新手順を公表していないと指摘している
- 記事の分析として、院外にデータを出さない代わりに、セキュリティと保守の責任の多くが医療機関側に移ると論じている
出典:remio / NTL Healthcareの子宮頸がん検診AIがオンプレミス化、ただしセキュリティは依然としてクリニック次第
サトシ ローカルなら安全、ではなく管理の責任が院内に移るという整理に同感です。共通パスワードの共有PCに入れたら意味がないですからね。