電子カルテ・記録業務

59本(新しい順)

NSQIPの乳房再建データ抽出で、ChatGPT 4.1のワークフローと人手の精度を比べた論文。

  • NSQIPパイロットの105例、9,048データ点を、匿名化したカルテからChatGPT 4.1で抽出し、形成外科医の基準と照合した
  • 抽出精度はLLMが99.33%(誤り61件)、人手が98.19%(誤り164件)でp<0.001。術前項目ではLLMがやや低かった
  • LLMの誤りで最多は乳房手術歴(29/61件)。概念実証で、多施設での検証が必要とされている

出典:J Am Coll Surg / Large Language Model Data Abstraction Demonstrates Accuracy and Reliability for NSQIP.

サトシサトシ
カルテからの転記作業は人間もそこそこ間違えます。まず人間の誤り率を測ってから比べる発想は現場に使えます。

院内のローカルLLMで診療情報を処理するクリニックについて、ITmediaが報じました。

  • 東京都文京区の本郷真砂ハートクリニックは、院長自らMac Studioで環境を構築。過去診療情報の要約と、音声認識によるカルテ作成の補助に使い、処理は院内で完結する
  • 医療機関向けにGENSHI AIが提供する構成は、初期費用が約400万円から、保守が月額約30万円から。同社には20件以上の問い合わせがあるという
  • 記事はベンダー経由の導入について、医療機器と比べて安いとは言いにくいと指摘している

出典:ITmedia / ローカルLLM利用のクリニックが話題 院長自ら環境を構築 「医療機器より安い」は本当か

サトシサトシ
音声からカルテへの転記が一番の需要、というのは現場の実感に近いです。

エス・エム・エスと訪問介護向けAIのENBASE(エンベース)の提携について、日本経済新聞が報じました。

  • ENBASEのAIで会話から作った記録を、SMSの介護事業者向けクラウドに反映できるようにする。まず訪問看護ステーションで提供し、順次拡大する
  • 記事によると、ENBASEのAIを導入した訪問看護ステーションでは、記録や報告書などの作成時間が50%減ったという

出典:nikkei.com / SMS、AI作成の看護記録をクラウドに反映 エンベースと提携

サトシサトシ
記録の自動化は、入力先とつながって初めて時間が減ります。

Oracle Healthの入院看護師向け臨床AIエージェントの米国での提供開始について、Fierce Healthcareが報じました。

  • 電子カルテに組み込まれ、音声によるカルテ内の検索、急性期の看護サマリー、音声での構造化記録に対応する
  • 同社は臨床ノートAIが約2年で医師の時間を40万時間超節約したと説明する。看護向けは早期導入施設が記録時間の短縮を挙げるが、記事に数値はない

出典:Fierce Healthcare / Oracle Health extends clinical AI agent to inpatient nurses

サトシサトシ
看護記録の負担は大きいので、勤務後の記録が減るかが実測で見たいところです。

労働組合のあるAPP15人に11週間AIスクライブを試験導入し、記録時間と当日完結率への効果を測ったという論文。

  • 労働組合と協議した上でNPとPAら15人に11週間Abridge社のAIスクライブを導入し8100件の診察で追跡した
  • 記録時間は導入群平均6分で非導入群14分の半分以下、当日完結率も90%対72%まで上がった
  • 利用率は個人差が30〜89%と大きかったが、組合からの反対は出ず全APPへの導入合意に至った

出典:JMIR Form Res / Navigating Collective Bargaining Barriers to the Implementation of AI Scribe Technology Among Ambulatory Advanced Practice Providers: Mixed Methods Quality Improvement Study.

サトシサトシ
組合との合意形成まで含めて書いてあるのが実務的でいい。数字より先に現場の同意を取る手順が参考になる

三重県の永井病院が電子カルテと連携するAI基幹システム「Apollo AI」を導入し、業務時間短縮の効果を公表したという発表。

  • 199床の永井病院で電子カルテMI・RA・Isと連携するAI基幹システムApollo AIを導入し主要文書作成業務に使った
  • 退院サマリ作成は37分から3分、IC文字起こしは15分から4分に短縮し定着率は約95%になったと公表した
  • 数値は導入企業と病院側の発表によるもので、他院での再現性は今後の全国展開の中で見えてくる

出典:株式会社Albatrus / 『Apollo AI』が医療法人永井病院で大きな業務改革を実現──電子カルテ MI・RA・Is(株式会社シーエスアイ) × AIエージェントの、生成AI活用の基幹システム

サトシサトシ
退院サマリが3分になるなら現場のインパクトは大きい。ただ自社発表の数字なので他院での再現度は気になる

小児がん生存者40人分の長期フォロー計画をGPT-4oに作らせ、医師作成の計画とどれだけ一致するか調べたという論文。

  • 小児がん・移植生存者の検証コホート40人分の治療サマリをGPT-4oに渡し長期フォロー推奨を生成させた
  • 医師作成446項目のうち86.3%をAIが提示、AI提示467項目のうち82.4%は医師作成分と一致していた
  • 不一致の多くは放射線関連の判断など臨床的な解釈が必要な場面に集中していた

出典:J Pediatr Hematol Oncol / AI-Assisted Generation of Long-Term Follow-Up Recommendations for Survivors of Childhood Cancer and Hematopoietic Stem Cell Transplantation.

サトシサトシ
8割一致でも残り2割の見落としが放射線関連に集まるなら、そこだけ人が見る運用がちょうどいい

小児外科手術記録から術式情報を抽出するLLMパイプラインを開発し、外科医の判定と比べたという論文。

  • 小児食道気道手術の記録を対象に、概念リストとプロンプトを組んだLLMパイプラインCLASSを構築した
  • 最長20件・3960件の記録と術式のペアで外科医判定との一致はF1スコア0.9967と高かった
  • 新たな術式候補28件も提示し18件(64.3%)は臨床的に有用と判断されたが、単施設単科の検証にとどまる

出典:J Med Syst / Exploratory Implementation and Feasibility Report of CLASS (Clinical LLM Abstraction & Structuring System), A Large Language Model Pipeline for Extracting Unstructured Data From Clinical Notes.

サトシサトシ
自由記載のカルテから構造化データを起こす手間は現場が一番実感している。単施設でも数字が良いのは希望が持てる

GPT-5に入院患者の当日退院を予測させ、精度と誤り要因、プロンプト最適化の効果を検証したという論文。

  • 米国の大学病院で入院2〜14日の患者を対象に、直前30時間分の診療記録からGPT-5に当日退院の予測をさせた
  • 基本プロンプトでのF1スコアは0.48、感度は0.37にとどまり、自動プロンプト最適化でF1と感度はやや改善したが適合率は低下した
  • 誤りの主因は医学知識ではなく退院調整などの運用面の理解不足で、専門家による手動プロンプト調整はほとんど効果がなかった

出典:J Gen Intern Med / Optimizing Large Language Models for Hospital Discharge Prediction.

サトシサトシ
精度が低い結果を正直に出しているのが良いと思いました。うまくいかない理由が業務知識の不足という点も、導入を検討する上で参考になります。

北里大学病院が2027年1月の電子カルテ更新にあわせ「ユビー生成AI」による文書作成支援を導入するという発表。

  • 北里大学病院がUbieと契約し、複数の診療記録を集約して退院サマリや紹介状などの文書作成を支援するサービスを導入する
  • 2026年8月時点で「ユビー生成AI」は大学病院を含む160超の病院に導入されており、全国では1,800以上の医療機関に導入実績がある
  • 業務負担の軽減効果は導入企業側の見込みであり、開始は2027年1月の電子カルテ更新後を予定している

出典:Ubie株式会社 / 学校法人北里研究所 北里大学病院が「ユビー生成AI」導入を決定 2027年1月の電子カルテの切り替えにあわせ、複数の診療記録をもとにした文書作成支援を開始

サトシサトシ
電子カルテ更新のタイミングに合わせて導入するのは現実的な進め方だと思います。文書作成の負担が減るかは現場での検証待ちですね。

精神疾患患者のカルテ記載を患者視点で感情分析し、退院後死亡との関連を調べたという論文。

  • MIMIC-IVの精神疾患患者6382例、記録16447件について、LLMと辞書ベース手法で患者視点・医師視点・全体の感情を判定した
  • 退院後30〜90日に死亡した患者は、生存者よりも退院指示の感情スコアがより否定的だった(両LLMで有意差あり)
  • 手作業評価との一致はLLMの方が辞書法より良かったが、全体の精度はまだ限定的だとしている

出典:J Med Internet Res / Temporal Analysis of Patient-Centered Sentiment in Clinical Notes for Patients With Mental Health Conditions: Retrospective Cohort Study.

サトシサトシ
退院サマリのトーンが予後と関連するというのは記録業務の新しい使い道だと思います。ただカルテを書く手が止まりそうな話でもあります

26,479件の入院で1,140万件のバイタル測定値を分析し、EHR反映の遅延と看護シフトの関連を検証したという論文。

  • 26,479件の入院における1,140万件のバイタルサイン測定値を対象に、測定からEHR反映までの遅延を施設横断で分析した
  • 反映までの中央値は12〜25分で、異常値でも3分の1が1時間以上遅延し、遅延は看護のシフト交代前に集中していた
  • デバイスとEHRが連携済みの環境でも遅延は生じており、技術的な問題より人員配置の運用が主要因と結論づけた

出典:Npj Health Syst / Delayed EHR availability of vital signs is associated with nursing shift structure.

サトシサトシ
システムが繋がっていても人の動きがボトルネックになるという話です。多くの外来で似たことが起きていそうです。

集中治療の複雑な症例で、生成AIと人が作った引き継ぎ要約の質を盲検比較した研究という論文。

  • MIMIC-IIIから抽出した多疾患合併患者64例の要約をAIと臨床家が別々に作成し、盲検で有用性などを評価
  • 有用と評価された割合はAI要約75%、人手要約76%とほぼ同等で、正確性や統合の質もAIが同等かやや上回る領域があった
  • AI要約は簡潔さの評価が55〜67%と人手より低く、個々のデータ要素をまとめきれない場合があった

出典:JAMIA Open / Optimizing generative artificial intelligence for clinical summarization: a blinded comparison study of automated versus human care planning synopses.

サトシサトシ
要約の質が人と同じでも簡潔さで負けているのは実感通りです。冗長さを削る調整がまだ要ると思います。

電子カルテ導入の前後で医師・看護師の業務負荷や燃え尽きを追跡したドイツの前向きコホート研究という論文。

  • 医師・看護師163名(導入前87名、導入5か月後76名)を対象に、標準化調査と聞き取りで業務やバーンアウトを比較
  • ワークフローやバーンアウトの指標全体では導入前後で有意差はなかったが、看護師の情報過多は有意に減少した
  • 一方で医師の脱人格化は導入後にむしろ有意に増加しており、職種ごとの導入プロセスの違いが影響した可能性がある

出典:JAMIA Open / Effects of electronic health records implementation on workflow and health care provider outcomes: a prospective, multi-professional cohort study.

サトシサトシ
入れれば良くなるわけではないという話が、有意差なしという数字ではっきり出たのは価値がある。

在宅医療の診療報酬算定業務を、AIエージェントとルールエンジンで自動化する「AI BPO」を開発したという発表。

  • ファストドクターとクラウドクリニックが、在宅医療特有の複雑な診療報酬算定に対応するAIエージェント型の業務システムを共同開発した(特許出願中)
  • AIエージェントが診療記録から算定候補と根拠を生成し、専門スタッフの確認・承認を経て、1カルテあたりの算定作業時間を従来比約75%削減した
  • クラウドクリニックのサービス利用医療機関は、相場価格の半額水準で算定業務を外注できるとしている(リリースの主張)

出典:ファストドクター株式会社 / ファストドクター、AIを活用した医療現場の業務変革を推進 在宅医療の診療報酬算定業務をAI BPO化

サトシサトシ
算定業務の自動化は地味だけど経営インパクトは大きい。75%削減が本当なら在宅医療のBPO市場ごと変わる話だと思う。

電子カルテなど院内データとAIエージェントを組み合わせた病院向け基幹システム「Apollo AI」の正式提供を開始したという発表。

  • 東大発スタートアップのAlbatrusが、従来製品「メディラクAI」のアップデート版として病院向け生成AIプラットフォーム「Apollo AI」を発売した
  • 先行導入した三重県の医療法人永井病院(199床)では、退院サマリ作成が30分から2分に、音声文字起こしによるIC記録が15分から3分に短縮したとしている
  • 2026年4月の正式発売以降、国立大学病院を含む10以上の病院で導入が進んでおり、効果試算は同社が公表した数値であることに留意が必要

出典:株式会社Albatrus / 【地方総合病院 × 東大発スタートアップ】院内データ × AIエージェントで病院を変える、AI基幹システム「Apollo AI」を正式提供開始!

サトシサトシ
退院サマリが30分から2分というのは大きい数字です。ただ実証は1病院分なので、他院でも同じ効果が出るかは注目したいところです。

AIによる診察音声要約(スクライブ)の精度が、環境音やマイクの位置でどう変化するかを調べたという論文。

  • 模擬プライマリケア診察を録音し、マイク種類・距離、背景音、無関係な会話の3種類のノイズで精度を比較した
  • マイクから4.5m離れると全ての機種で内容がすべて欠落し、2m以内では欠落は5件未満に収まった
  • 幼児の声や強い雨音など特定の背景音は欠落を増やす一方、無関係な会話(情報ノイズ)には強かった

出典:BMJ Digit Health Ai / Impact of acoustic and informational noise on AI-generated clinical summaries.

サトシサトシ
マイクの位置一つで精度が変わるなら、スクライブ導入は機材選びも含めて丁寧にやる必要がありますね

韓国の大学病院で28万件超の術後CTレポートから再発・転移を自動判定するモデルを開発したという論文。

  • 韓国Asan医療センターの2014〜2021年、術後CT報告28万8076件・患者8万6083例を用いて半教師あり深層学習モデルを開発した
  • 実運用を模した条件下で再発判定は精度97.33%(多クラス)、転移判定は精度96.67%(2値)に達し、臨床医同士の一致率に匹敵した
  • 「否定できない」等の診断上の不確実性も再発1.4%・転移6.9%で検出できたが、他施設への一般化には前向き多施設検証が必要とされた

出典:JMIR Med Inform / Automated Extraction of Postoperative Cancer Recurrence and Metastasis From Computed Tomography (CT) Reports: Semisupervised Deep Learning Study.

サトシサトシ
CTレポートを自動で仕分けてくれるなら、術後フォローの見落とし防止に地味だけどかなり効くと僕は思います。

入院患者50人分の退院時サマリーを、医師執筆とAI生成で盲検比較したという論文。

  • UCSDの入院患者50人分について、医師執筆の退院時サマリーとGPT-4・Gemma生成のサマリーを盲検で比較した後ろ向き研究
  • 分かりやすさの指標PEMATでGPT-4が85.5%、Gemmaが87.5%、医師執筆が66.1%と、AI生成が有意に上回った(p<0.001)
  • 正確性や安全性の評価でもAI生成が上回ったが、著者らは医師の確認を前提とした運用を検証する必要があるとしている

出典:J Hosp Med / Comparison of physician-authored and artificial intelligence-generated after-visit summaries: A blinded comparative study.

サトシサトシ
退院サマリーをAIが下書きして医師が確認する形なら、記録業務の負担は変わりそうです。

LLMが作る手術同意書と従来の説明文書の分かりやすさを、盲検で比較したという論文。

  • 耳鼻咽喉科の41手術について、公式書式とChatGPT-5.2・Gemini3Proが作った同意書計123件を医師3名と協力者5名が評価した
  • 医学的な質は公式書式が4.62点で最高、分かりやすさはGemini版が4.33点で公式の3.18点を上回った(p<0.001)
  • 小規模な予備研究であり、分かりやすさが増す一方、医学的正確さや法的妥当性の面ではAI生成文書がやや劣る結果だった

出典:Acta Otolaryngol / AI-generated versus standard informed consent forms in otolaryngology: a blinded multirater pilot feasibility study.

サトシサトシ
同意書の分かりやすさは大事ですが、医学的な正確さとのトレードオフがあるのは実感と合います。ハイブリッド運用が現実的だと思いました。

米国の内科研修外来で検査結果連絡を改善する構造的・教育的介入を評価したという論文。

  • 研修医32人が在籍する内科外来で、受信箱当番制と縦断カリキュラムを組む介入を導入し、前後比較で評価した
  • 検査結果の連絡率は57%から76%に上昇し(P<0.01)、連絡までの時間も18.7日から8.5日に短縮した
  • 単施設・研修医32人規模の前後比較で、研修医個人レベルの改善度は訓練段階により差があった

出典:J Gen Intern Med / A Structural and Educational Intervention to Improve Inter-Visit Care in an Internal Medicine Residency Clinic: A Multimethod Evaluation.

サトシサトシ
受診後のフォロー漏れはどの外来でも悩みの種と聞きます。当番制と教育をセットにする発想は参考になります。

訪問看護向けAIエージェント「SHISHIホウカン」が報告書作成機能を対話形式に刷新したという発表。

  • スマホやPCのトーク画面で「今月の報告書を作って」と伝えるだけで、記録書や前月報告書を読み取り下書きを作成する
  • 対応する請求ソフトはカイポケやiBowなどで、保存すると使用中のソフトに報告書がそのまま反映される
  • 修正の指示内容を記憶し次回以降に反映する機能も搭載しているが、負担軽減の程度は同社の説明による

出典:株式会社クラシテク / 自然言語で会話しながら報告書ができるAIへ クラシテク、訪問看護向けAIエージェント「SHISHIホウカン」の報告書作成機能を大幅アップデート

サトシサトシ
報告書のたたき台を対話で作れると、訪問看護の書類負担は結構減りそうだと感じます。

退院サマリから減薬提案をルールベースとLLMで自動抽出するシステムを開発したという論文。

  • オーストラリアの公立病院6施設で65歳以上・入院48時間以上の患者850例の退院サマリを対象に、ルールベース抽出とLLM分類を組み合わせた2段階システムを開発し正解データと照合した
  • 減薬提案の有無を判定する精度はF1スコア0.91、正解率0.90で、評価者間の一致度はカッパ係数0.70だった。処理時間は1件平均12.6秒だった
  • 誤分類の多くは入院中に既に実施された対応を退院後の提案と取り違えたケースで、抗菌薬とオピオイドが減薬提案の対象として多く抽出された

出典:Drug Saf / Development and Validation of a Two-Stage NLP System Combining Rule-Based Extraction and LLM-Based Classification for Deprescribing Recommendations in Discharge Summaries.

サトシサトシ
退院サマリに埋もれた減薬提案を拾い上げる作業、まさに人手でやると漏れる典型です。1件12秒ならバッチ処理で十分回せそうです。

胸部X線の読影にAI優先順位付けと自動レポート生成を導入した前向きクロスオーバー試験を報告したという論文。

  • 放射線科医8人が胸部X線1054件を、通常のFIFO運用とAI優先順位付け・自動レポート生成の2条件で読影する単施設クロスオーバー試験
  • レポート作成時間の中央値は2分から0.53分に73.3%減、総ターンアラウンドタイムは876分から82分に90.6%減少した(いずれもP<0.001)
  • 緊急度の高い症例を含む全区分でTATが有意に短縮したが、単施設・胸部X線に限った検討で診断精度への影響は評価していない

出典:J Med Internet Res / Impact of AI-Triaged Worklists and AI-Assisted Report Generation on Radiology Turnaround Times: Prospective Real-World Study.

サトシサトシ
ワークリストの並び替えだけでこれだけ変わるのかと驚きました。診断の質は担保しつつ、待ち時間を削れる余地はまだありそうです。

甲状腺エコーのTI-RADS判定を、LLM音声認識とLLM採点の2段階ワークフローで検証したという論文。

  • 149症例の甲状腺画像データベースを用い、LLM音声認識モデルと市販音声認識モデルの文字起こし精度、GPT-4oによるTI-RADS採点精度を検証した
  • LLM音声認識は語誤り率1.0%(市販3.0%)、修正時間6.38秒(市販11.39秒)といずれも有意に優れ、詳細な指示でTI-RADS判定精度は50.3%から78.5%に向上した
  • 放射線科医による確認・修正の工程は依然必要で、前向きの臨床検証はまだ行われていない単施設の実現可能性研究にとどまる

出典:Acad Radiol / Streamlined TI-RADS Reporting From Bilingual Speech Recognition to LLM-Assisted Conclusion Generation Using a Two-Stage Workflow.

サトシサトシ
レポート作成の下流工程を丁寧に数値化していて実装のヒントになります。プロンプト設計次第で精度が変わる点は要注意です。

米国MIMIC-IVの26万人超のデータで、物質使用障害患者の診療記録の非専門的な表現とその後の紹介行動の関連をLLM併用NLPで調べたという論文。

  • 米国MIMIC-IVデータベースから2008〜2019年に救急・ICUに入院した成人26万347人を対象に解析した。うち31.5%が物質使用障害(SUD)患者だった
  • SUD患者の診療記録では非専門的な表現の使用率が72%と、非SUD患者の52%より高く、行動医学紹介の増加と有意に関連した(調整オッズ比1.54、p<0.001)
  • ルールベースNLPにGPT-4など3種のLLMで語彙を拡張し専門家が妥当性を確認したモデルで、検出のF値はベースラインの0.89から0.91に改善した

出典:Digit Health / When documentation follows the patient: Unprofessional language and behavioral health referrals in substance use disorder - a retrospective cohort study using LLM-augmented natural language processing.

サトシサトシ
診療記録の言葉選び一つで紹介行動まで変わるという結果、カルテ記載の癖は自分にもあるので気をつけたいです。

病院向け生成AIサービス「OPTiM AIホスピタル」が、機能を一覧できるダッシュボードや出力根拠を確認できる機能を追加したという発表。

  • 電子カルテと連携し医師・看護師の文書作成や情報抽出を支援する既存サービスの更新で、複数機能を一画面から呼び出せるダッシュボードを新たに搭載した
  • AIの要約・回答が電子カルテのどの情報を根拠にしたかを画面上で確認できる「情報源の表示」機能を追加し、ボイスレコーダーAI要約の収録上限も30分から60分に延ばした
  • ver.3.0のハイブリッドAI構成、ver.3.1の申し送り支援機能に続く更新で、多職種が複数機能を使い分ける利用実態を踏まえた機能拡充としている

出典:株式会社オプティム / 病院向け生成AIサービス「OPTiM AI ホスピタル」ver.3.2提供開始

サトシサトシ
根拠を確認できる機能は現場での信頼感につながりそうです。ボイスレコーダーの上限延長も地味に助かる改善だと思います。

小児病院のEHRで発注時の操作回数を減らす介入を行い、効果を検証したという論文。

  • 米国の小児3病院で2024年の入院薬剤オーダーを対象に、頻用薬にデフォルト設定を導入する前後比較を行った
  • 22件のオーダーで操作回数の中央値は3.20から0.39に減少した(p<0.001)
  • 新設リストの採用率は9.6%から15.8%への上昇にとどまり、システム全体への効果は限定的だった

出典:Appl Clin Inform / Reducing Order Friction in Pediatric Electronic Health Record Systems: A Quasi-experimental Pre-Post Analysis.

サトシサトシ
発注時の手間を減らす設定は現場にありがたいはず。ただ普及率が上がらないと効果は薄いですね。

精神科向け医療AI「MENTRA」が記録業務の実測効果を公開し、無料トライアルを開始するという発表。

  • MENTRAは、精神科病院での2026年2月から8月の6カ月間に、会話1356件・190.1時間分を記録の下書きにしたと発表した
  • 下書きが届くまでの中央値は18秒、下書きの96.7%が医療者の確認・修正を経て正式な記録として採用されたという
  • 手書き想定(1件8分)との比較で診察記録だけで約135時間の削減と試算する。トライアルは2026年10月31日申込分まで1カ月間無料

出典:株式会社MENTRA / 精神科病院やメンタルクリニックの業務をラクにする医療AIサービス「MENTRA」、医療機関向けに期間限定の無料トライアルを開始

サトシサトシ
書く仕事を減らす具体的な数字が出ているのはいい。ただし自社集計なので、第三者の検証も見てみたいです

医療・介護文書をAI-OCRで構造化データに変換する機能を共同開発し、商用提供を始めるという発表。

  • United Vision & Companyとアイ・エス・ビーが、医療介護連携基盤「Pubcare Pro」向けにAI-OCR機能を開発し2026年8月28日に商用提供を開始した
  • 診療情報提供書や訪問看護指示書など多様な帳票に対応し、認識精度は95%以上を安定して確保しているという
  • 現場ヒアリングでは1文書の確認・入力に従来30分から1時間を要していたとしており、転記業務の削減を狙う

出典:株式会社United Vision & Company / 株式会社United Vision & Companyと株式会社アイ・エス・ビー、 医療文書を構造化データへ変換する 「Pubcare Pro AI-OCR 機能」を共同開発、商用提供を開始

サトシサトシ
紙とFAXが残る医療現場の構造そのものへの投資という感じがする。精度95%は自己申告なので実測が見たい

標準化された脳神経放射線レポートをAIで平易な言葉に書き換え、患者の評価を比較したという論文。

  • 成人100人を無作為に割り付け、放射線科医2名が確認したAI簡易版と通常の専門用語版レポートを読んでもらい5段階で評価させた
  • 全項目でAI簡易版の評価が有意に高く(すべてp<0.001)、効果量は総合印象でd=2.10、信頼のトーンでd=1.31だった
  • 客観的な理解度テストは行っておらず、単一症例のレポートのみで検証した結果である

出典:Insights Imaging / Perceived communication quality of a standardized neuroradiology report following AI-based simplification: a randomized, blinded study.

サトシサトシ
患者の満足度が上がるのは当然だと思う。「分かりやすい」と「正しく理解できた」は別物で、混同しない方がいい

CAR-T療法後の有害事象をGPT-4にカルテ記載から抽出させ、精度を評価したという論文。

  • UCSFで2012年から2023年の患者293例、進行記録4762件を対象に、ゼロショットのGPT-4-0314でCRSやICANS等を抽出した
  • CRSとICANSの重症度判定はそれぞれ正解率0.97、0.91と高かったが、あらかじめ定めた有害事象の抽出は正解率0.62から0.76にとどまった
  • 日付や対応処置の抽出は一致度が中程度で、幅広い有害事象属性の抽出は精度が安定しなかった

出典:PLOS Digit Health / Extracting adverse event nature, severity, timelines and resulting interventions from clinical notes of patients receiving CAR-T cell therapy using large language models.

サトシサトシ
CRSとICANSは精度が高い一方、それ以外の有害事象は精度がばらつく。使う項目を絞れば実務に使えそうです

京都の病院がリハビリ評価を院内iPhoneで行うアプリを独自に構築し、本格導入したという発表。

  • 蘇生会総合病院は約50台の院内iPhoneを使い、BBSやTUGなど各種リハビリ評価を実施・記録するアプリを開発、7月のテストを経て8月に本格導入した
  • 運用開始から約半月で350件を超える評価が蓄積され、義務化せずスタッフが自発的に使う形で定着が進んでいるという
  • 評価結果は診療記録用テキストとして出力できるが電子カルテへの自動登録はせず、最終確認は評価者が行う運用としている

出典:医療法人社団蘇生会 / 「現場の課題」から生まれた医療DX 蘇生会総合病院リハビリテーション科、院内iPhoneを活用したリハビリ評価システムを独自に構築

サトシサトシ
現場発というのがいい。義務化せず自発的に使われているのが、定着する仕組みの証拠だと思います

研修医のインバスケット業務を個別分析付きコーチングで改善した米国単施設の研究という論文。

  • 米国の内科PGY2・3の研修医を対象に、個別EHR分析データを用いたコーチング介入の前後でインバスケット指標を比較した
  • 患者対応の折り返し時間が2.2日短縮し(p<0.001)、電話対応の平均時間も1日0.99分から0.74分に減った(p=0.03)
  • 研修医の主観的な負担感や自信度は有意に変わらず、指標改善が体感には直結しなかったとしている

出典:J Gen Intern Med / Leveraging Individualized Electronic Health Record Learner Analytics to Improve Resident Inbasket Management.

サトシサトシ
指標は良くなっても燃え尽き感は変わらないというのが正直だなと思いました。可視化だけでは足りないのかもしれません。

歯科医院向けの予約・患者管理DXサービスの提供を開始したという発表。

  • 美容自由診療クリニック向けの実績あるサービスを歯科向けに再設計し、2026年8月1日に提供を始めた
  • 料金は月額1000円(税別)のプランから利用でき、予約管理を起点に問診や同意書、データ可視化まで段階的に導入できるとしている
  • 紙やExcel、複数システムへの情報分散が業務負担になっているとの課題認識から開発され、今後はレセコン連携も進める予定としている

出典:GMOインターネットグループ / GMOビューティー、歯科医院向け予約・患者管理DXサービス「キレイパスコネクト デンタル byGMO」を提供開始

サトシサトシ
月額1000円からという価格設定は、小規模な歯科医院にも導入しやすそうです。段階的に機能を足せる設計も現実的だと思います。

退院指導文書の質を生成AI(GPT-4)と看護師で比較した二重盲検のビネット研究という論文。

  • 5つの退院場面を想定し、看護師5名とGPT-4が作成した退院指導文を専門家15名と患者38名が盲検評価した
  • AIは情報の網羅性で看護師を上回ったが、専門家はAI文書にのみ安全性上のリスクを指摘し、共感性と読みやすさは看護師が有意に上回った
  • AIが生成した文章は構文が複雑で専門用語が多く、高齢や低学歴の患者ほど受容度が低い傾向がみられた

出典:Nurs Open / Evaluating the Accuracy, Empathy, and Readability of Generative AI Versus Registered Nurses in Discharge Planning: A Vignette-Based Study.

サトシサトシ
情報量では勝っても安全面や共感で負けるという結果は、AIを単独運用に任せるのは危ういという実感と合います。

救急部14施設・31万件超のカルテでアンビエントAIの導入効果を後ろ向きに検証したという論文。

  • 米国の救急外来14施設、約31万件のカルテのうち8.6%でAI使用。2024年5月〜2025年6月の実運用データを前後比較した
  • 傾聴評価の高評価率は82.0%対76.6%(p=0.003)、コピペ由来の記載は9.4%対18.3%に半減、NASA-TLXは40.2点低下した
  • 自主的な利用でAI使用率は8.6%にとどまり、正味の編集時間には有意差がなかった(p=0.349)

出典:Appl Clin Inform / The Effect of Ambient AI Documentation on Clinician Workload, Efficiency, and Patient Experience in a Multisite Emergency Department Network.

サトシサトシ
使用率8.6%というのが現実的な数字だと思います。TLXは下がっても編集時間は変わらないところが実感に近いです。

肝胆膵手術650例の退院時サマリーから、LLMに術後合併症のグレード分類をさせたという論文。

  • 2010〜2024年の肝胆膵手術650例を対象に、6種のLLMにゼロショットでClavien-Dindo分類を判定させ専門家評価と比較した
  • 二値分類(合併症の有無)の精度は0.93〜0.94で、専門家2名間の一致度(κ=0.75)に迫るκ0.76〜0.79を示した
  • 詳細な5段階分類の精度は0.75〜0.78にとどまり、二値分類ほどの精度は出なかった

出典:J Med Internet Res / Zero-Shot Classification of Postoperative Complications From Real-World Discharge Letters According to the Clavien-Dindo System Using Large Language Models in Liver Surgery: Comparative Study.

サトシサトシ
肝胆膵の退院サマリーは自分の領域に近い。合併症の重症度判定を自動で一次仕分けできるのは大きい。

プロンプト設計と内部推論が問診チャットボットの情報収集にどう影響するかを調べたという論文。

  • 模擬患者による66症例のプライマリケア問診を、詳細さと思考モードを変えた4種のLLM構成とルールベースの計5構成で比較した
  • 詳細プロンプト+思考モードの情報網羅率は72.3%で最高、簡易プロンプトとルールベースは51〜54%にとどまった(P<.001)
  • 模擬患者を使った統制環境での評価であり、実診療での文書化や運用への効果は今後の検証課題とされた

出典:JMIR Med Inform / Evaluation of Prompt Design and Internal Reasoning in Chatbot-Based Medical History Taking: Simulation Study.

サトシサトシ
問診の型を思考モードで補強するアプローチは分かる。ただシミュレーションなので、実際の外来でどこまで保つかは未知数。

複数州の医療システムで大規模導入したアンビエントAI文書化ツールが、記録時間と医師のウェルビーイングに与えた効果を検証したという論文。

  • 外来医師・APP210人を対象に、DAX Copilot導入前後8カ月間のEHR操作ログと導入45日後のアンケートを比較
  • 1回の診察あたりの正味記録時間は5.54分から4.09分へ26.2%減少し(p<0.001)、手入力は51.7%、コピペは42.7%減った
  • ノート文字数は28.8%増えたが、回答者(回答率26.4%)の多くが燃え尽き感の軽減や継続利用の意向を示した

出典:Appl Clin Inform / Large-Scale Implementation of Ambient AI Documentation and Its Effects on EHR Efficiency and Clinician Well-Being.

サトシサトシ
26%の時間短縮という数字は説得力があります。ただ回答率26%なので満足度の数字は割り引いて見た方がよさそうです

処方箋の事前送信をAI-OCRでレセコンへ自動連携する仕組みを、Googleの予約サービス「Reserve with Google」と連携させたという発表。

  • 全国7000店舗以上に導入済みのAI-OCR「薬師丸賢太」と、月間1300万人が利用する「ユビー」を連携し、首都圏の調剤薬局約300店舗でサービス提供を開始
  • Google検索・マップの「Reserve with Google」から薬局を予約すると、処方箋画像をAIが解析しレセコンへ自動出力する
  • 対象は東京・神奈川・千葉の大手チェーン加盟約300店舗からで、全国7000店舗への展開時期は明言されていない

出典:NeoX株式会社 / NeoX、Ubieが開始する「Reserve with Google」と連携を開始 処方箋事前送信をAI-OCR「薬師丸賢太」がレセコンへ自動連携

サトシサトシ
予約から入力までを一気通貫でつなぐ発想は良いですが、まずは300店舗規模での使い勝手の検証が見どころです

電子カルテの患者IDを自動認識して録音データに紐づける新機能を、カルテAIアシスタント「MC-Drive for Clinic」に追加したという発表。

  • 全国100件の医療機関・保険薬局(2026年6月末時点)で稼働するサービスに、2026年7月1日から患者ID自動認識機能を追加
  • 月額利用料は1台目4万円・2台目以降1台ごとに1万円で、録音データは診療日ごとに最大60日間保存される
  • 対応する電子カルテはメディコム社製のMedicom-HRfとクラウドカルテに限られ、他社カルテとの連携には別途動作検証が必要

出典:東日本メディコム株式会社 / 【医療DX/診療記録の負担軽減】カルテAIアシスタント「MC-Drive for Clinic」、電子カルテの患者IDを自動認識する新機能を提供開始

サトシサトシ
患者IDが自動で紐づくのは地味だけど地味に効く機能。共有や引き継ぎの手間はこういう細部の積み重ねで減っていく実感があります

新生児マススクリーニングの事後処理業務にルールベースとRAG搭載LLMを組み合わせたシステムを導入し、処理時間を半減させたという論文。

  • タンデムマス法による新生児スクリーニングのQCレビュー・レポート作成・カットオフ再評価を、AI出力を専門医が必ず確認する設計で自動化
  • バッチ処理時間は平均50.5分から24.3分に、カットオフ評価は9.2時間から63.6分に短縮し、20症例のレビューで重大な誤りは検出されなかった
  • 診断性能の評価は20件の模擬症例にとどまり、確定陽性検体や人手評価との比較によるさらなる検証が必要としている

出典:Ann Lab Med / Automated Post-Analytical Workflow for Newborn Screening Using a Hybrid Rule-Based and Retrieval-Augmented Large Language Model System.

サトシサトシ
検査室の裏側の業務にもLLMが入ってきていて、記録業務の負担軽減は診療科を問わず共通の課題なんだと感じます

病院のHIS-PACSにNLPによる放射線レポート品質管理システムを組み込み、21万5870件の実レポートで誤り傾向を分析したという論文。

  • 中国の病院で2024年8月から2025年2月に作成された放射線レポート21万5870件を対象に、医師の職位・撮影部位・機器・時間帯別に誤り率を分析
  • 医師の職位・撮影部位・機器・時間帯によって誤り率に有意差があり、ARIMAモデルは今後3カ月で誤り率がさらに低下すると予測した
  • 単一施設での後ろ向き分析であり、システム導入によって実際に誤りが減ったかどうかの前後比較は行っていない

出典:J Imaging Inform Med / Development and Real-World Evaluation of an NLP-Assisted Quality Control System for Radiology Reports.

サトシサトシ
21万件という規模はさすがだけど、これは誤りの見える化止まりで、現場が実際に減らせたかはまだ見えていません

電子カルテの自由記載からソーシャルニーズを検出するNLP・機械学習モデルを比較検証したという論文。

  • ルールベースNLPと3種の機械学習モデルを、均衡データと実際の不均衡データの両方で学習し比較した
  • 不均衡データでの最良モデル(XGBoost)はF1 0.312、適合率0.839に対し再現率は0.191にとどまった
  • 均衡データで学習すると見かけの性能が高くなり、実運用に近い設定での再評価が必要だと指摘した

出典:JAMIA Open / Using natural language processing and machine learning to identify social needs in patient medical notes: model training with balanced versus real-world datasets.

サトシサトシ
均衡データだけで評価すると数字が甘くなるという話は、記録業務のAI導入を検討するときに効きます。

harmoが電子カルテ改修不要のオフライン転送機能にAI-OCRを追加し、紙のお薬手帳にも対応したという発表。

  • 院内の複合機やスキャナで紙のお薬手帳をスキャンし、AI-OCRと薬剤辞書の照合で薬剤名や用法・用量をテキスト化して電子カルテへ転送する機能を追加した
  • 2025年10月リリースの電子版お薬手帳向け機能に続くもので、電子カルテ側はインターネット接続不要のまま利用できるとしている
  • 認識結果はスキャン画像と連動表示され、最終的には医療従事者が原本と照合して確認・修正する運用としている

出典:シミックホールディングス株式会社 / 医療現場の業務効率化へ—harmo、AI-OCRを実装し、電子カルテ改修不要で紙のお薬手帳の薬剤情報をダイレクト転送可能に

サトシサトシ
持参薬確認の転記作業は地味に時間を食うので、紙のお薬手帳まで拾ってくれるのはありがたいです

ICU患者のカルテからLLMで出血イベントを検出できるか検証したという論文。

  • 出血リスクの高いICU患者149人、診療記録3万6490件を対象に、GPT-4o-miniでHEMEスコアに基づく出血イベントの検出を試みた
  • 検証済み654件中、手動レビューの検出は66件だったのに対しLLMは647件を検出し、手動が見落としていた588件(90.1%)を拾い上げた
  • LLM検出739件のうち85件(11.5%)は偽陽性で、出血部位の正答率は42%、重症度の正答率は65%にとどまった

出典:Transfus Clin Biol / Clinical Utility of LLM-assisted Chart Review for the Detection of Bleeding Events.

サトシサトシ
見落とし防止のスクリーニングとしては強いけど、部位と重症度はまだ人の目が要る、という結果だと思います

心血管イベントの特定で、LLMによるEMR抽出とICDコードなど従来手法の精度を比較したという論文。

  • 米国1医療システムの3施設で、免疫チェックポイント阻害薬治療2258例とTAVR施行1426例のカルテを手動判定と照合した
  • LLMのAUCは脳卒中0.920、心筋梗塞0.938、複合MACE0.880などICDコードを上回る場面が多く、一部の指標では統計的に有意差があった
  • 心不全ではICDコードの方が精度が高い場面もあり、成績はアウトカムとコホートによって変動した

出典:BMJ Open / Diagnostic accuracy of electronic medical record retrieval methods and a large language model for identifying cardiovascular events: a multisite retrospective validation study in a medical system in the United States.

サトシサトシ
カルテからのイベント抽出、LLMが常に勝つわけじゃない。心不全ではICDコードの方がまだ強い。用途で使い分ける話だと思う。

クリニック院長の診療・経営・記録の負担を減らす音声入力と自動要約機能の提供を始めたという発表。

  • AIプラットフォーム「AI Hippo 医療Loop」に音声入力と自動要約を組み合わせた「音声×要約機能」を追加し、クリニック向けに提供を開始した
  • 実証導入施設では看護記録の作成時間が約2時間から30分に短縮したとしている
  • 音声入力から診療記録だけでなく申し送りや紹介状の下書き作成まで一体で行う設計で、一部は開発予定の機能だとしている

出典:MedTechGroup株式会社 / 多重業務の限界へ。診療・経営・記録を同時に回すための音声AI

サトシサトシ
2時間が30分になったという数字、実証施設の話なのでそのまま自分のクリニックに当てはまるかは分からないですが気になります。

AIが作成した退院時サマリの記録品質を、担当医が書いたものと比較評価したという論文。

  • スペインの大学病院で9診療科の240件のサマリを対象に、10名の総合診療医が13項目のルーブリックで評価した
  • AI作成群の総合評価は10点中8.14、医師作成群は7.30でAI群が有意に高かった(p<0.0001)
  • アレルギー・不耐症の項目のみ医師作成群が上回り、AIが誤って一般的な記載をする傾向が見られた

出典:Healthcare (Basel) / Expert-Rated Documentary Quality of AI-Assisted Hospital Discharge Reports: A Retrospective Paired Comparison with Physician-Written Reports.

サトシサトシ
品質でAIが医師を上回る結果は率直に驚いた。アレルギー欄だけ人が勝つ構図は妥当な線引きだと思う

メドレーが厚労省の標準仕様に準拠したクラウド型電子カルテ「MALLクラウド」を開発していると発表。

  • 病院・有床診療所向け電子カルテ「MALL」のクラウド版として開発し、2027年1月以降の段階的提供を目指すとしている
  • パブリッククラウド上での稼働や生成AIによる文書作成支援などを予定し、先行導入のパイロット病院の募集を始めた
  • 価格や具体的な移行条件はリリースに記載がなく、詳細は個別の問い合わせ対応としている

出典:株式会社メドレー / メドレー、標準仕様に準拠したクラウドネイティブ電子カルテ「MALLクラウド」をAIネイティブで開発

サトシサトシ
電子カルテのクラウド移行は国の工程表があるから止まらない。大手が先に動く構図は分かりやすい

外来AIスクライブ3製品を実際のEHRログで比べ、製品ごとに時間外業務の増減が分かれたという論文。

  • 米国の統合医療システムでプライマリケア医163人を2024年1月から2025年6月まで追跡し、5万9130人日のEHRログを解析した
  • EHR統合型を基準にすると、タブレット型は時間外EHR作業が1日0.022時間増え、48時間以内の記録完了は12.0ポイント下がった
  • 単独型は時間外作業が1日0.007時間減り、導入前比では0.055時間減(年約30時間)だったが、記録完了は2.8ポイント低下した

出典:JAMIA Open / Comparative effectiveness of ambient documentation tools in primary care tool-specific variations in efficiency, documentation burden, and productivity over time.

サトシサトシ
同じAIスクライブでも製品で結果が逆に振れるので、自分の施設のログで測る前提がいりますね

クリーブランドクリニックが外来医師4000人超へのAIスクライブ導入を4カ月で完了した事例報告。

  • ベンダーと医療システムの提携体制を、ガバナンス・研修とオンボーディング・サポート・リアルタイム学習の4本柱で構築した取り組みをまとめた
  • この体制により、外来領域の臨床医4000人超へのオンボーディングを4カ月で完了した
  • 単一施設の事例報告であり、患者アウトカムや診断精度への影響は今回のデータには含まれていない

出典:Npj Health Syst / Accelerating ambient AI scribe enterprise-scale deployment: Cleveland Clinic's novel approach to health system-industry partnership.

サトシサトシ
現場に定着させる仕組みが4本柱まで言語化されているのは、導入を考える立場としてそのまま使える

看護主導のAIスクライブ導入前後でインシデント報告書の完成度を比較したという論文。

  • シンガポールの大学病院で、転倒と与薬関連のインシデント報告書を導入前75件、導入後75件で比較した
  • WHO準拠の完成度スコアは導入前11.81点から導入後13.61点に上昇し、補正後の差は1.95点だった(P<0.001)
  • AIスクライブの利用は任意で、導入後も対象報告書の約40%にしか使われておらず、利用者の自己選択による差の可能性が残る

出典:JMIR Nurs / Nurse-Led Ambient AI Scribe for Patient Safety Incident Investigation Reports (Project NARRATE): Retrospective Pre-Post Comparative Document-Quality Study.

サトシサトシ
インシデント報告書、正直みんな適当に書きがちです。ここが底上げされるなら現場としてはありがたいです

GPT-4oが精神科診療録からうつ病の重症度スコアを推定できるかを検証したという論文。

  • 米国の精神科診療録77件を精神科医3人が独立して重症度評価し、その一致度とLLMの推定結果を比較した
  • 精神科医同士の一致度がκ0.77〜0.78だったのに対し、GPT-4oのゼロショット推定はκ0.85で人間の一致度を上回った
  • オープンソースのLlama-4はκ0.70にとどまり、モデルによって性能差が大きく出た

出典:JMIR Form Res / Measuring Depression Severity With Clinical Global Impression-Severity Scale Scores From Clinical Notes Using Large Language Models: Validation Study.

サトシサトシ
人間同士の一致より機械の方が高いというのは面白い。ただこれは診療録が良く書けている前提の話だと思う

東北大学病院のデータで学習した医療特化LLMで退院サマリー作成を試した報告。

  • 看護記録から退院時サマリーを自動生成する実証と、治験の適格基準に基づく複雑な症例抽出の実証を行った
  • 生成されたサマリーは看護師作成分と同等の質と評価され、従来の検索では抽出できなかった症例も見つけられた
  • 生成AI特有のハルシネーションのリスクも確認され、臨床実装には人によるチェック(human-in-the-loop)が欠かせないとした

出典:Gan To Kagaku Ryoho / [Creation of Patient Summaries from Electronic Medical Records and Integration of Medical Knowledge via Large Language Models-Next-Generation Medical DX and Drug Discovery Support Opened Up by Natural Language Processing].

サトシサトシ
質が同等でも人のチェックは外せないという当たり前の結論が、逆に実装の現実を表している。

病院向けにカルテやX線照射録を撮影して送るだけでレセコン入力や保険請求チェックまで行うAIエージェントを提供開始したという発表。

  • 紙カルテや各種書類をスキャンまたは撮影して送信するだけで、既存のレセコンへの入力と保険請求の返戻・加算チェックを行う。
  • 初期費用0円、月額固定費0円、契約期間の縛りなしで、患者1人あたりの従量課金か月額定額プランを選べるとしている。
  • 既存のカルテ・レセコンをそのまま使う設計で、最終的な入力内容の確認と更新は人が行うとしている。

出典:株式会社クラシテク / 株式会社クラシテク、病院向けAIエージェント「SHISHIビョウイン」を提供開始。初期費用・固定費・契約縛りゼロ。カルテやX線照射録を撮って送るだけでレセコン入力完了。加算・返戻チェックもAIが実行。

サトシサトシ
初期費用も固定費もゼロなら、現場は試しやすい。ただ最終確認は人がやる前提だから、業務が本当に楽になるかは運用次第だと思う。

産婦人科の外来ポイントオブケア超音波の記録をAIで検知し標準テンプレート導入の効果を検証したという論文。

  • 2018年から2024年の11施設・55.9万件の診療記録を対象に、機械学習でPOCUS処置の記載を自動識別した。
  • BioClinBERTモデルの精度は0.97で、標準テンプレート導入後は算定漏れが10.0%から2.4%に減った(オッズ比0.22)。
  • テンプレートの採用率は12か月で75.1%に達し、算定件数自体は0.6%増にとどまり請求漏れの拾い上げが主な効果だった。

出典:J Med Internet Res / Machine Learning to Identify Point-of-Care Ultrasound and Evaluate Standardized Documentation: Retrospective Operational Cohort Study.

サトシサトシ
記録の質を上げると、診療内容を変えなくても取りこぼしていた算定が拾える。地味だけど経営層に刺さる話だと思う。

クラウド電子カルテ「エムスリーデジカル」の累計導入件数が1万件を突破したという発表。

  • 2015年の提供開始から10年以上を経て、クラウド電子カルテとして初めて累計導入件数1万件に到達したとしている。
  • m3.com調査(2026年3月)によるとクラウド電子カルテの市場シェアで首位としており、低価格とAIによる入力補助を強みに挙げている。
  • 新規開業だけでなくオンプレミス型からの切り替え先としても選ばれてきたとしており、具体的な価格や機能拡張の時期は今回の発表に含まれていない。

出典:エムスリーデジカル株式会社 / クラウド電子カルテ「エムスリーデジカル」の累計導入件数が10,000件突破

サトシサトシ
1万件という数字より、10年オンプレミスから切り替えられ続けてきたという継続の方が、この市場では効いてくる。