東日本メディコムが、訪問診療の音声や画像をオフラインで記録しAIのカルテ下書きにつなげるアプリ「MC-Drive GO」の提供を始めたという発表。
- iPhone/iPad向けで、患者宅や介護施設での会話を録音し、帰院後にMC-Drive for Clinicへ取り込む仕組み
- 提供開始は2026年11月4日。価格は月額5,000円から(税抜、MC-Drive for Clinic連携時)
- 記録は転送まで端末内に保存し、転送後のAI処理は国内に限定すると説明している。記録時間の削減幅は示していない
出典:東日本メディコム株式会社 / 訪問診療を支援するモバイルAIアシスタント「MC-Drive GO」提供開始
サトシ 在宅の訪問先は電波が弱い家も多いと聞きます。薬局向けに続いて医科でも、帰ってから取り込む形にしたのは現実的だなと思いました。
群馬大医学部付属病院が、電子カルテの情報から生成AIで医療文書の下書きを作るシステムの運用を始めたことについて、上毛新聞が報じました。
- AIが電子カルテに蓄積された情報から診療経過などを整理要約し、それを基に医師らが文書を仕上げる
- 記事に挙がるシステム名は「NEXT Stage Document Assistant」。読める範囲に導入規模や削減時間の数字は無い
- 群馬大の担当者は、文書作成の負担を減らして患者への対応に力を注げる環境をつくると説明している
出典:上毛新聞電子版 / 医療文書下書き、生成AIを活用 群馬大病院、患者対応注力で | 上毛新聞電子版|群馬県のニュース・スポーツ情報
サトシ 紹介状やサマリーの下書きが揃うと、受け取る薬局側の読みやすさも変わりそうです。削減時間の数字が出てくるのを待ちたいです。
SBCメディカルグループが、クリニック向けSaaS「medicalforce」のアトミックソフトウェアと資本業務提携を結び、6億円を出資したという発表。
- 10月26日付で契約。医師の診療記録の作成支援をはじめとするAI機能を共同開発し、同グループが経営支援するクリニックで検証する
- 出資はシリーズCで6億円。medicalforceの導入は800院以上(9月時点)、グループのネットワークは国内外287院(7月末時点)と説明している
- 共同開発の提供時期は書かれていない。取り組みの内容は現時点の計画で、変更となる場合があるとしている
出典:SBC Medical Group Holdings Inc. / SBCメディカルグループ、国内800院以上が導入するクリニック向けオールインワンSaaS「medicalforce」を提供するアトミックソフトウェアと資本業務提携
サトシ 自由診療のカルテは施術や役務の管理と結びついています。保険診療向けとは違う下書きが要るはずで、検証の結果を見たいです。
Nishikaが、オンプレミス型AI議事録SecureMemoの導入を検討する医療・ヘルスケア事業者に、医療特化音声認識モデルを期間限定で無料提供するという発表。
- モデルは「shirushi-1.5-medical」。JMED-DICTを基に約12万語の病名・医薬品名・部位名を再学習させた。11月2日に開始し、2週間の無料トライアルで試せる
- 同社の独自データセットでの評価で、名詞の認識誤り率(noun-WER)が16ポイント改善したと説明している(当社調べ)
- 文字起こしから要約まで院内の端末・サーバーで行うとしている。キャンペーンの終了日は示されず、予告なく終わる場合がある
出典:Nishika株式会社 / 「骨訴訟症」ではなく「骨粗鬆症」と正しく文字に。オンプレミス型AI議事録SecureMemo、医療・ヘルスケア事業者向けに医療特化音声認識モデルを期間限定で無料に
サトシ 薬剤名の誤変換は音声入力で一番困るところです。自社評価の数字なので、自分たちがよく使う薬の名前で試してみたいです。
米電子カルテ企業athenahealthが、患者が自分の診療記録をAnthropicのClaudeへつなげる機能を始めたことについて、Fierce Healthcareが報じました。
- 「athenaPatient MCP」はModel Context ProtocolでClaudeとathenaOneを接続する。患者はポータルの認証情報で認証し、共有する情報を選ぶ
- 対象は米国のClaude Pro・Max利用者。検査結果や薬剤、バイタルなどを参照できる。記事は米成人の34%がAIを健康目的で使ったとのPew調査も引く
- 同社は、患者情報を学習に使わないAIに接続を限定し、アクセスはいつでも取り消せると説明している。Claudeは最初の接続先で、他にも広げる方針
出典:Fierce Healthcare / Athenahealth launches tool to bring patient health records into Anthropic's Claude
サトシ 自分の検査値を読み込ませたAIの回答を持って来局される場面を想像します。薬の説明の出発点が変わりそうです。
ヘンリーが、厚生労働省の電子カルテ標準仕様の認証制度に、受付初日の11月1日に「Henry」の認証申請を完了したという発表。
- 制度は11月1日に施行。新たな製品開発をせず現行仕様のまま申請したと同社は説明している。審査は申請から90日以内とされる
- 標準仕様の公開以降、国の来年度想定導入数を上回る数百の病院から問い合わせがあったと同社は説明。直近1年の稼働率の実績は99.943%
- 評価項目にはISMS認証等の取得、第三者の脆弱性診断、隔離環境へのバックアップが含まれる。認証は未取得で、取得時に改めて発表するとしている
出典:ヘンリー / ヘンリー、厚労省「電子カルテ標準仕様に係る認証制度」受付初日に「Henry」の認証申請を完了
サトシ 申請の早さより、どの製品がいつ認証を通るかが選ぶ側の材料になります。90日後の顔ぶれを見たいです。
精神科向け医療AI「MENTRA」のWeb問診に、病院ごとの設問で初診の申し込みを電話とWeb問診に振り分け、精神保健福祉士の担当を自動で決める機能を加えたという発表。
- 受診前の設問で、詳しい聞き取りが要る人だけを精神保健福祉士の電話へ案内し、ほかの人はそのままWeb問診へ進む仕組み
- 振り分けは病院が決めた設問と答えの組み合わせだけで決まりAIは使わないとし、担当者は病院が決めた比率で割り振られるという
- 同社の集計では、ある導入先の精神科病院1施設で利用職員が2名から18名、月の利用が9件から606件に増えたとしている
出典:株式会社MENTRA / 精神科の初診の予診を、病院ごとの設問でWeb問診と電話に振り分け。精神保健福祉士(PSW)の担当も自動で決まる機能をリリース
サトシ 振り分けにAIを使わないと明言しているのが良いと思いました。なぜ電話に回ったのかを病院が説明できる設計は、精神科だと特に大事そうです。
NYU Langone HealthがOpenEvidenceの臨床AIを全施設の電子カルテEpicに組み込んだことについて、Fierce Healthcareが報じました。
- 病院群、外来ネットワーク、Family Health Centersに加え、研修中の医師も対象になる。同システムは年間外来1200万件超、医師・教員6000人超を抱える
- 医師は患者の記録を踏まえた臨床上の質問を自然言語で投げ、Epicの画面を離れずに文献に基づく回答を得られるとOpenEvidence側は説明している
- 同社によると10月時点で米国の有資格臨床家120万人が利用し、10月だけで4500万回の相談があった
出典:Fierce Healthcare / NYU Langone brings OpenEvidence’s clinical AI into the EHR systemwide
サトシ 単体アプリで広まったツールが、電子カルテの中に入っていく流れがはっきりしてきました。日本だとどのベンダーが最初にやるのか気になります。
EpicのAI返信下書きツールが、患者ポータルへの返信時間と時間外の返信にどう関わったかを調べた論文。
- コロンビア大学アービング医療センターで、医師ら1542人の初回返信98万3154件を後ろ向きに解析した
- ツール導入で全体の返信時間は8.6%延びた一方、ツールを使った返信では29.5%短縮した(いずれもP<.001)
- 時間外の返信は全体では減らなかった(P=.46)。勤務時間外に届いたメッセージではむしろ4.52ポイント増えた
出典:JAMA Netw Open / AI-Generated Draft Response Tool, Message Turnaround Time, and After-Hours Replies Among Health Care Professionals.
サトシ 下書きがあると返信のハードルが下がって、夜に届いた分まで返してしまう。負担が減るどころか形を変えるだけ、という結果は現場感に近いです。
熊本中央病院(361床)で、記録・書類作成のAI基盤「Sail AI」の利用が職員229名・月間約6,300回に広がったとispecが発表。
- 看護記録の音声入力から始め、現場が自作した「AI業務」が10部署・300件超で使われている
- 2026年9月の実行回数は約6,300回で、3月から半年で約9倍。1人あたり月に約27回
- 時間外労働は病棟(60床)で約70%減、地域医療連携室で約30%減とする。病院提供データに基づく企業側の発表
出典:株式会社ispec / 病院AXプラットフォーム「Sail AI」、熊本中央病院で月間約6,300回活用。実際に使われるAI業務は300件超に
サトシ 薬剤科でも使われているそうで、マイナ薬剤情報の転記を医師事務が任せている例が気になりました。現場が自分で業務を作れる設計が効いているんですね。
電子カルテのデータで治験の候補患者を探すシステムが、実際の登録数を増やしたかをドイツの6大学病院で調べた論文。
- MIRACUMコンソーシアムの29試験・814観察週で、導入前後を分割時系列解析で比べた
- 統合解析では、導入直後の登録数の変化も導入後の傾きの変化も統計的に有意ではなかった
- 効果は試験と診療科で大きくばらついた。適格基準のロジックは診断・年齢・受診歴が中心で、検査値はほとんど使えなかった
出典:★NPJ Digit Med / Platform evaluation and lessons learned with IT-supported patient recruitment.
サトシ スイッチを入れれば患者が集まる、とはいかないんですね。検査値が構造化されていないと条件が組めないのは、日本の病院でも同じ壁だと思います。
救急医がAIスクライブを使った診療録と使わなかった診療録を、電子カルテの監査ログで比べた論文。
- 米国の20の救急部門で、指導医275人の記録を同じ医師の中で比較した。使用の有無は診療録内の同意文言から判定した
- AI使用は全診療の31%。記録の作業時間は中央値10.0分対12.5分(調整後2.4分短縮)で、記録は約14%長く、書き始めは約15分遅かった
- 記録の完了は遅れず、72時間以内の再受診も増えなかった(-0.8ポイント)。観察研究で、無作為化はしていない
出典:Ann Emerg Med / Ambient Artificial Intelligence Scribe Use and Objective Documentation Effort Among Emergency Physicians.
サトシ 自己申告ではなく監査ログで測っているのがいいところです。書き始めが遅れても完了は遅れない、という点が現場の実感に近そうです。
長崎市の社会医療法人春回会が、会話から電子カルテを自動作成するAI「SwiftSOAP」を長崎県内で初めて導入したことについて、NEWSjpが報じました。
- スマホで医師・看護師と患者の会話を文字起こしし、カルテを作る。5月から試用し、9月に緩和ケアと在宅医療部門で本格運用を始めた
- 開発はパルシベイトで、定額制の1ユーザー月額1万6500円。春回会は井上病院など複数の病院を運営し、スタッフは900人以上
- 法人側は記録作業の削減と、担当者だけが持っていた情報の共有を狙いに挙げている。効果の数字は記事中に出ていない
出典:NEWSjp / 医療法人春回会 カルテ作成にAI導入、長崎県内で初 作業減やサービス向上へ
サトシ 緩和ケアと在宅から始めたのが現実的だと思います。面談や家族との会話が長い部門ほど、記録の手間が効いてきますから。
訪問鍼灸マッサージ事業者向けのクラウド型レセコン「spotlog」が、累計1,000アカウントを超えたという発表。
- YTC・PLUSが開発し、バリュークリエーションが導入支援を担う。GPSによる訪問証明と、訪問履歴に連動したレセプト自動計算を備える
- 同社調べで、日々と月末の事務作業時間を約80〜90%削減したとしている。1万5169人規模の訪問施術データを扱うまでになったという
- 今後はAIによる施術報告書の作成支援を強化するとしている。視覚障害のある施術者でも操作しやすい点を特徴に挙げる
出典:株式会社バリュークリエーション / 訪問鍼灸マッサージ専門レセコン「spotlog」、累計1,000アカウントを突破!
サトシ 訪問鍼灸は療養費の不正請求が問題になってきた分野なので、GPSで訪問を記録する発想は納得感があります。
京都大学医学部附属病院と検証した文書作成AI「CocktailAI」の試験論文がPLOS Digital Healthに載ったという、フィッティングクラウドの発表。
- 京大病院眼科の医師21人(完了17人)が模擬カルテ6症例で退院要約と紹介状を作り、AI草案を修正する群と手作業群、AI単独を比べた
- 品質は大部分の項目でAI草案を修正する群が手作業を上回った。退院要約の作成時間は平均59.4秒短かったが、主解析で有意差はなかった
- 紹介状は修正に時間がかかる傾向があった。AI単独は最も速かったが、品質は最低で基準を満たさなかったとしている
出典:ファインデックス / 生成AIを活用した医療文書向け文章生成ソリューション「CocktailAI」の有用性評価論文が、国際学術誌「PLOS Digital Health」に掲載されました
サトシ AI単独が最低評価という結果を自社のリリースで隠さず出しているのは好感が持てます。現場の確認の手間込みで評価した数字ですね
外来でアンビエントAIスクライブを使えるようにすると、患者向け指示書の記載がどう変わったかを調べた論文。
- 単施設の内科外来で2023年12月〜2025年7月の成人受診391,061件を後ろ向きに分析し、差分の差分法で導入の影響を推定した
- 導入で指示書の記載頻度は10.5ポイント上昇(P=.018)。AI作成分は医師作成分より長く(中央値1994文字対482文字)、文章の複雑さの指標3つで上回った
- 医師がAI下書きを編集しても長さが増えるだけで複雑さはほぼ下がらず、下書きと最終版の差は中央値39.7%。患者の理解度は検証していない
出典:J Am Med Inform Assoc / Association of ambient artificial intelligence scribe availability with patient instruction documentation and readability in ambulatory care.
サトシ 指示書が書かれるようになったのは前進ですが、長くて難しいままだと薬の説明書と同じで読まれません。短くする手間を誰が持つかですね
クラウド電子カルテ『CLIPLA』に、生成AIが過去のカルテ記載を要約して表示する「AIサマリー機能」を2026年11月から提供するという発表。
- カルテ画面でワンクリックすると、過去の主訴・所見・処置・処方の記載から要点を抽出し、同じ画面に要約を表示する
- 対象は『CLIPLA』シリーズ利用中の医療機関。料金は当面無償で、利用状況により将来有償化する場合があるとしている
- 記録を「書く」支援ではなく「読み返す」負担を対象にした点を新しさとして挙げている。利用はオプトイン方式で、データは国内で処理するという
出典:株式会社エムティーアイ / クラウド電子カルテ『CLIPLA』、生成AIによる「AIサマリー機能」の提供を開始
サトシ 書く支援ばかりの中で読み返す側に振ったのは面白いです。処方歴の要約がどこまで正確か、薬局側からも気になります。
アルフレッサとセイコーソリューションズが、医療機関向け電子同意サービス「COMPACT IN」の共同展開を含む医療DX分野の協業で基本合意したという発表。
- 手術・検査・処置の同意手続きを電子化するサービスで、アルフレッサが販売支援と申込受付、セイコーソリューションズが契約と保守を担う
- 販売支援業務委託契約は2026年10月1日に効力が発生し、基本合意書は10月9日に締結した
- 電子署名・タイムスタンプ技術を使う新サービスは検討段階にとどまる。2027年3月期の業績への影響は軽微としている
出典:アルフレッサ ホールディングス株式会社 / アルフレッサ株式会社とセイコーソリューションズ株式会社が医療DX分野で協業
サトシ 卸のMRさんが同意書の電子化まで提案しに来る時代です。日々の接点を持つ卸が売るのは、導入の後押しとして現実的だと思います。
米Sentara HealthがRegardと共同開発した、カルテに自然文で問い合わせるケースマネジメントAIを導入したことについて、Fierce Healthcareが報じました。
- ケースマネージャーが患者の経過や状態の変化をカルテから自然文で引き出せ、直近24時間の変化も一覧できる
- 経営陣は約9万時間の削減を見込み、常勤40人超、人件費約500万ドルに相当すると説明している。実測値ではない
- Sentaraは12病院と400超の拠点を持ち、急性期から外来へ広げる計画という
出典:Fierce Healthcare / Sentara Health deploys new AI case management tool co-developed with Regard
サトシ 退院調整の前の情報集めは、薬剤師の持参薬確認とも重なる手間です。見込みの9万時間が実際どうだったかの続報が欲しいですね。
eWeLLが、訪問看護専用電子カルテiBowの記録から経営改善策と収益試算をAIが示す「iBowボード Pro」を10月22日に提供開始したという発表。
- iBowに蓄積された記録やレセプトのデータを使い、12の評価指標で経営状態をスコアリングする。分析のためのデータ入力は不要としている
- AIが重要な改善ポイントを3つ挙げ、60日後・90日後の目標KPIと改善後の想定収益を示す。対象は全国のiBow契約ステーション(3,736事業所)
- 想定収益は条件に基づく試算で、改善効果を保証するものではないと同社は注記している。価格は発表に書かれていない
出典:株式会社eWeLL / 【AIで訪問看護の経営支援】電子カルテiBowの日々の記録を経営改善策へ、「iBowボード Pro」提供開始
サトシ 記録を経営指標に回す発想は薬局のレセコンにも欲しいところです。訪問看護の廃業率6.4%という背景の数字が重いですね。
オーガイホールディングスが、訪問歯科の予定・記録・帳票・多職種連携をまとめるクラウド型SaaS「オクチミル」を正式リリースしたという発表。
- 訪問中の音声を文字起こしし、歯科用語に合わせて清書するAIアシストを備える。記録は医療従事者が確認して確定する流れとしている
- 職種・法人・利用者ごとに入力と閲覧の範囲を分け、施設、ケアマネ、訪問看護、家族と情報を共有できるという
- 導入医院で業務時間や帳票作成時間を導入前後で計測するとしている。口腔データの研究利用は将来構想の段階で、価格は書かれていない
出典:オーガイホールディングス株式会社 / 訪問歯科DX「オクチミル」正式リリース。全国2.2万の在宅サービス実施歯科を起点に、“口腔ヘルスデータ基盤”の構築へ
サトシ 訪問歯科のICT活用が5%という数字に驚きました。居宅療養管理指導の帳票は薬局とも共通の悩みなので気になります。
TXP Medicalが、群馬大学医学部附属病院(722床)に生成AIの医療文書作成支援システム「NSDA」が導入されたという発表。
- 電子カルテの検査結果や経過記録をAIが参照し、退院サマリや診療情報提供書の下書きを作る。医師はそれを確認・修正して仕上げる
- 院内サーバーでのオンプレミス運用とクラウドの両方に対応する。文書作成の過程で研究用の構造化データも作るとTXP Medicalは説明している
- 削減時間などの効果の数字や価格は示されていない。同社は東京都立墨東病院への導入も発表している
出典:TXP Medical / 群馬大学医学部附属病院、生成AIで医療文書作成を効率化—医師の負担を軽減し「患者に向き合う時間」を創出
サトシ 病院側のセンター長が「拾い切れていなかった情報に気づく」と書いているのが印象的でした。時短以外の効き目の話は珍しいです。
済生会川口総合病院がAI文字起こし「Notta」を院内の会議に導入したことについて、医療テックニュースが報じました。
- 対象は職員間の対面・ウェブ会議の文字起こしと要約。患者の個人情報を扱う診療現場では使わず、バックオフィス業務とプロジェクト会議に限る
- Notta側の発表として、30分の会議で約90分かかっていた議事録作成が10分程度になり、1週間ほどかかった共有が当日中になったと伝えている
- 次期電子カルテ更新で数十の会議体が並行する見込みがあった。データの国内保管など院内規程への適合を評価して選んだという
出典:医療テックニュース / 済生会川口総合病院、AI文字起こし「Notta」導入 議事録作成が90分から10分に
サトシ 電子カルテ更新のワーキンググループは本当に会議が多いので、まず会議から入るのは堅実な順番だと思います。患者情報を外す線引きも明確です。
アンビエントAIスクライブの利用開始前後150日で、プライマリケアの記録時間や時間外の作業がどう変わったかを調べた論文。
- 36診療所の臨床医220人、診療31万4845件を対象に、中断時系列デザインで利用開始前後150日ずつを比べた
- 記録時間は開始日に7%、150日後に16%減った(IRR 0.84)。150日後には夜間のパジャマタイムが19%、時間外作業が13%減った
- 開始日にはパジャマタイムと時間外作業に変化がなく、効果は使い続けて出てきた。記録の長さは開始日も150日後も変わらなかった
出典:J Am Med Inform Assoc / Longitudinal effects of ambient artificial intelligence scribe use on documentation burden and financial productivity in primary care: a quasi-experimental study.
サトシ 導入した日より半年後のほうが効いているのが面白いところです。スクライブを試して「思ったほど減らない」と感じた施設は、早めに判断しすぎているのかもしれません。
市販のアンビエントリスニング3製品を、オランダ語の模擬外来で同伴者・割り込み・方言を含めて比べた論文。
- 2診療科の台本付き診察10場面の音声を3製品に処理させ、生成されたカルテ4区分を臨床医8人が完全性・正確性・簡潔性の5段階で採点した
- 製品別の平均点は3.82〜4.26で、評価者間一致はGwet AC-2=0.827。方言を含む場面の平均は3.77で最も低かった
- シミュレーション音声での評価で、実臨床での効率化は検証していない。方言で点が下がる傾向は製品や診療科によって一様ではなかった
出典:JMIR Med Inform / Three Ambient Listening Systems in Simulated Dutch-Language Multispeaker and Multidialect Clinical Encounters: Comparative Study.
サトシ 日本でも方言の強い地域の外来は多いので、同じ検証を日本語でやってほしくなります。正確性より完全性が低いというのは、聞き漏らしの方が多いということですね。
電子カルテの監査ログを言語モデルで学習させ、医療者の次の操作を予測できるかを調べた論文。
- 2019〜2024年の入院診療の監査ログ2億9,500万件超で、Llama-3-8Bを2通りの表現でファインチューニングした
- 操作内容を言葉で表した場合の次操作の予測精度は0.7473で、直前の操作だけを使うマルコフモデルの0.4230を上回った
- 精度は時期が離れるほど下がり、後の期間では0.6555、0.6286だった。単一の操作ログ源での検討である
出典:J Am Med Inform Assoc / A language model framework for sequence modeling of audit logs to characterize clinician-electronic health record interactions.
サトシ 合計時間だけでなく、どの順に画面を開いているかまで見えると、記録の負担がどこで生まれているかの議論が具体的になります。
金沢医科大学病院が、Ubieの医療従事者向けサービス「ユビー生成AI」を電子カルテ環境で全面的に使い始めたという発表。
- 2026年7月に患者情報を扱わない学内ネット環境で試用を始め、10月から電子カルテ環境での全面利用に移った
- 807床・38診療科の特定機能病院で、文書作成支援を中心に文章生成・音声認識などの機能を使う。Ubieによると導入は160病院を超える
- AIの作成内容は職員が原情報と照合して確認する運用とし、文書作成時間の短縮効果などは今後評価するとしている
出典:Ubie株式会社 / 金沢医科大学病院、電子カルテ環境で「ユビー生成AI」の全面利用を開始
サトシ 学内ネットで試してから電子カルテ環境へ、という二段階の進め方は、ほかの大学病院が稟議を通すときの参考になりそうです
がんのCT読影レポートをLLMで構造化した版と従来の自由記述版を、放射線科医や腫瘍内科医などが読み比べて評価したという論文。
- 単施設で66人(医学生24、放射線科医22、放射線技師12、腫瘍医8)が5件のレポートを、4週間以上空けて自由記述版と構造化版の順に評価した
- 構造化版は12項目中11項目で評価が高く、臨床的有用性のオッズ比は4.81、情報の見つけやすさは4.31だった
- 職種別では放射線技師が12項目すべて、放射線科医が6項目で高く評価したが、腫瘍医は有意な差が出た項目がなかった
出典:Cancer Imaging / Multidisciplinary attitudes towards LLM-structured oncologic CT reports: a prospective fixed-sequence questionnaire study.
サトシ 一番の読み手であるはずの腫瘍医で差が出なかったのが気になります。8人と少ないので、続きの多施設研究で確かめてほしい点です
東日本メディコムが、在宅訪問先で録音・撮影した内容から薬歴の下書きを作るiPhone・iPad向けアプリ「MC-Drive GO」を10月から提供するという発表。
- 訪問先ではオフラインで会話を録音し写真を撮る。帰局後に「MC-Drive for Pharmacy」へ取り込むと、AIが書き起こしてSOAP形式の薬歴の下書きを作る。
- 価格はMC-Drive for Pharmacyのスタンダードプラン利用者で月額3000円から、ライトプラン利用者で月額5000円から(いずれも税抜)。
- 投薬後の作業時間が9%減り、薬歴のA欄の記載量が78%増えたと同社は説明している(同社調べ)。AI処理は国内に限定したAIで行うとしている。
出典:東日本メディコム株式会社 / AIを訪問先へ持ち出せる。モバイルAIアシスタント「MC-Drive GO」提供開始
サトシ 在宅は電波の届かない家も多いので、オフラインで録って戻ってからまとめる設計は現実的です。訪問後の薬歴が溜まる苦しさは薬剤師ならみんな知っています。
認知機能検査が正常だった高齢者のカルテから、本人や家族の「物忘れの訴え」を大規模言語モデルで拾い出した後ろ向きコホート研究の論文。
- 2019年1月〜2024年4月に検査が正常だった65歳以上の1万5750人について、前年1年分の診療記録を2段階のLLMで読み取った。
- 手作業との照合で、感度0.957、陽性的中率0.935、特異度0.985だった。訴えの記載があったのは13.8%で、記録全体の1.2%にとどまった。
- 記載はパーキンソン病(調整OR 5.29)や脳卒中で多く、肥満や貧困度の高い地域の住民では少なかった。カルテに残るかどうか自体に偏りがある。
出典:JMIR Aging / Large Language Model-Based Identification of Subjective Cognitive Decline in Electronic Health Records Among Older Adults With Normal Cognitive Testing: Retrospective Cohort Study.
サトシ 訴えがあってもカルテに書かれない人がいる、という偏りまで見えたのが面白いです。薬歴の「S」欄でも同じことが起きていそうだと感じました。
内科研修医の外来カルテ記載をテンプレートと研修で標準化し、記録時間と燃え尽きの変化を調べた論文。
- 都市部の大学外来で、介入群のPGY2・52人とPGY3・55人を過去の対照群と比べる前後差の差分分析を行った。
- 1診療あたりの記録時間はPGY2で18.8分、PGY3で12.0分短縮した(いずれもP<0.0001)。PGY2のノート長は43.3%、コピペ文字数は66.7%減った。
- Mini-Zの総合スコアに有意な変化はなかった。燃え尽きの単一項目は3.2から3.7に改善したが、アンケート回答数は事前42人、事後28人だった。
出典:J Gen Intern Med / The Impact of Outpatient Documentation Standardization on Internal Medicine Resident Efficiency and Well-Being.
サトシ AIを入れる前に、まず型をそろえるだけで1診療18分も縮むんですね。スクライブ導入の議論でも、比較の土台になる数字だと思います。
腎臓関連のICDコードを研究用の別の用語体系に変換すると、診断の区別がどれだけ失われるかを調べた論文。
- 大学病院の57万1435人に使われた腎関連ICDコード585個を、Phecode・SNOMED-CT・HPO・OMIMへ変換し、腎臓内科医3人が意味の保たれ方を採点した。
- ICDからPhecodeへの変換は39%が「不良」と評価された。1つに多くのコードがまとめられるほど意味の保持は低かった(OR 0.33、P<.001)。
- SNOMED-CT・HPO・OMIMは多くが1対1の対応で、不良と評価された対応はなかった。単一施設の後ろ向き横断研究。
出典:J Am Med Inform Assoc / Lost in transformation: diagnostic aggregation and semantic drift in ICD-derived kidney phenotypes.
サトシ 電子カルテのデータを研究に回すときに、病名の細かい区別が変換で消えてしまう問題ですね。医療メディアの立場でも、集計の前提として覚えておきたいです。
病院向けクラウド基幹システム「Henry」のヘンリーが、地方銀行5行と地銀系VC2社から総額12億円を調達したという発表。
- 静岡銀行をアレンジャーとする地銀5行のベンチャーデット型シンジケートローンで11億円、地銀系VC2社の出資で1億円を調達した。
- 地銀だけで組成したベンチャーデット型のシンジケートローンは国内初と同社は説明。導入病院の約8割が地方に立地しているという。
- 資金は地方病院の導入・移行支援と、医事BPOやAIエージェントの拡充に充てる。参加金融機関からの病院紹介など販売面でも連携する。
出典:ヘンリー / ヘンリー、地方銀行5行・地銀系VC2社から融資中心に12億円を調達
サトシ 病院のメインバンクが電子カルテの営業窓口にもなる構図は面白いです。経営改善とシステム更新をセットで持ち込めるのは、中小病院には強い入り口ですね。
メディヴァ、シーズ・ワン、コミュニティ&コミュニティホスピタル協会の3者が、中小病院のDX推進で業務提携したという発表。
- 同善病院と水海道さくら病院で進めたインフラ刷新、クラウド電子カルテ、Teams、生成AIの活用をパッケージにして全国の中小病院に展開する。
- 同善会の訪問診療では、会話録音からのカルテ文案作成で医師の記録時間が約55%(1日約50分)減ったと発表している。FAX仕分けの事務作業は約30%減としている。
- リハビリ職の入力時間は約54%(1日約32分)減ったとしている。いずれも先行施設での実績としての発表で、支援の価格や開始時期は書かれていない。
出典:株式会社メディヴァ / メディヴァは「シーズ・ワン」「C&CH協会」と提携し、病院DXを本格推進 ――総合診療医と共同開発した中小病院の「働き方改革」と「地域医療の質向上」の実践を支援
サトシ 「要約しすぎてはいけない」という要件定義が、在宅らしくて印象に残りました。家族や生活の情報が残るかどうかは、在宅の薬剤師にも大事なところです。
米Teladoc Healthが病院向け遠隔診療基盤「Solo」にAIスクライブと非接触のバイタル測定を加えたことについて、Fierce Healthcareが報じました。
- SoloScribeは遠隔診療の会話から構造化された記録を作り電子カルテに送るアンビエント型スクライブで、すでに一般提供されている。
- SoloVitalsはスマホやタブレットのカメラで顔の色の変化を解析し、心拍数と呼吸数を測る。一般提供は12月の予定。Soloは世界1万5000以上の拠点に入っていると同社幹部は説明した。
出典:Fierce Healthcare / Teladoc Health unveils new AI capabilities within Solo platform for hospitals
サトシ 新しい端末を足さず、すでに病室にある機器に機能を載せるという売り方が要点ですね。導入済みの基盤を持つ会社の強みがよく出ています。
メダップが済生会熊本病院と共同開発したDPCコーディング支援AI「メダップ AI DPCコーディング」の提供を始めたという発表。
- カルテ記事やEFファイルをAIが分析し、主傷病名6桁からDPC14桁までの候補を、桁ごとの根拠と自信度を付けて複数提示する。
- 料金は年間DPC退院患者数に応じた段階制で月額25万円(税別)から。契約から約4週間で稼働し、電子カルテの改修は原則不要としている。
- 済生会熊本病院の三層レビューの結果を正解の基準に学習。テスト運用中の病院で年換算数千万円以上の収益改善があったと同社は説明している。
出典:メダップ株式会社 / メダップ株式会社、済生会熊本病院と共同開発した「メダップ AI DPCコーディング」の提供を開始
サトシ 電子カルテと連携せずデータの受け渡しだけで動く設計は、導入のハードルをかなり下げますね。医事課の人手不足に直接効く話です。
スイスの大学病院の電子カルテデータを使い、院内で動かすオープンソースLLMで内科の退院サマリを作成させた論文。
- 3つの入院症例を入力に、Mixtral 8×7B・8×22B、LLaMA 3.1 70Bで、ゼロショット、4ショット、QLoRAによる微調整を比べた後ろ向き研究。
- 微調整したMixtral 8×7Bがどの評価法でも最も良く、医師はAI作成と医師作成の退院サマリを偶然レベルでしか見分けられなかった。
- 評価した医師間の一致度は低かった。入力は3症例のみで、他の診療科や実運用での検証はこれからとしている。
出典:Comput Struct Biotechnol J / Toward Responsible and Privacy-Preserving Generation of Inpatient Clinical Discharge Notes Using Large Language Models.
サトシ 患者データを院外に出さず、小さめのモデルを微調整する方が大きいモデルより良かった点は、導入を考える病院には現実的な話です。
医療記録AI「カタナシ」のAIBORNとメディカル・データ・ビジョンの資本業務提携について、STARTUP LOGが伝えました。
- AIBORNがメディカル・データ・ビジョンから出資を受ける資本業務提携。実行は2026年10月。
- カタナシは診察やカンファの会話を文字起こしし、SOAP形式などに要約する。両社は製品開発、医療機関への提供、導入後の支援で連携する。
- メディカル・データ・ビジョンは2025年8月からカタナシの販売代理店を務めている。出資額は本文に記載がない。
出典:STARTUP LOG / 医療記録AIを開発する株式会社AIBORNと診療データベースを保有するメディカル・データ・ビジョン株式会社が資本業務提携を締結
サトシ 販売代理店から資本関係へ進んだ形です。診療データ側と記録AI側がどう組むのか、今後の提供形態を見ています。
デンマークの家庭医がAI記録支援を日常診療に導入し、記録時間とカルテの質が導入前後でどう変わったかを調べた論文。
- 家庭医20人が導入前239件、導入後236件の診察を記録し、各診察の直後に標準化した監査票で質と記録時間区分を自己評価した前後比較
- 記録の構造化の自己評価は3.99から4.45に上がり、記録時間区分は2.85から2.29に下がった。SUSは平均77.5
- 時間は実測ではなく自己申告の区分。外部の盲検評価も導入後が高かったが、評価者間の一致度は低かった
出典:JMIR Hum Factors / AI-Assisted Clinical Documentation in Routine Danish General Practice: Quantitative Pre-Post Study.
サトシ 時間が自己申告の区分というのは弱いですが、日常診療のまま測った点は貴重です。実測でどこまで縮むのか、次の報告を待ちたいです。
米AKASAが、入院診療のコーディングと記録の整合性確認を人の介在なしで行うAI基盤を発表したことについて、Fierce Healthcareが報じました。
- 入院1件のコーディングに人は30〜60分かかるとし、AIは退院後約90秒で完了できると同社は説明している
- 第三者の盲検評価で、MS-DRGや主診断などの正確性が人のコーダーと同等以上だったと同社は主張している
- 医療機関パートナーとの評価を経て、今後数か月で提供を始める計画
出典:Fierce Healthcare / AKASA debuts autonomous AI platform for inpatient medical coding and clinical documentation
サトシ 同じ日に、ChatGPTのコード付与は完全一致6割という論文も出ています。企業の主張と査読付きの数字を並べて見ておきたい話です。
救急外来から入院する患者の入院時アセスメントを、バーチャル看護と対面で比べた論文。
- 米国南東部2病院の救急外来から2022年8月〜2023年12月に入院した成人を対象にした、非ランダム化の後ろ向きコホート研究
- バーチャル看護ではアセスメントが平均3.16分長くかかったが、完了した記録項目数は有意に多く、中断の回数は有意に少なかった
- 非ランダム化の後ろ向き研究で、記録の完全性と中断というワークフロー指標を見たもの。患者アウトカムは評価していない
出典:J Am Med Inform Assoc / Association of virtual nursing implementation with documentation completeness and interruptions in emergency departments.
サトシ 3分長くなっても途中で呼ばれない方が記録は埋まる、という話は薬局の監査業務でも身に覚えがあります。中断の少なさは数字にしにくい価値です。
沖縄県の東部消防組合消防本部が、TXP Medicalの救急医療情報システム「NSER mobile」を2026年11月1日から本格導入するという発表。
- 2025年6月の実証事業で出た現場の要望を受けて画面を改善し、2026年10月1日にプレ運用を始めた
- 各救急隊にタブレットを配備し、参画医療機関とバイタルや処置内容をリアルタイムで共有する。手書き記録票と消防OAの二重入力をなくす
- 管内の救急出動は年間5,000件超。活動時間の短縮や事務負担の軽減は発表側が期待する効果として挙げている
出典:TXP Medical / 東部消防組合消防本部救急医療情報システム「NSER mobile」を本格導入 〜令和7年実証実験でのフィードバックを活かし、令和8年11月より本運用開始〜
サトシ 前日の兵庫の話に続いて、同じ基盤が地域を広げています。実証から本運用まで1年以上かけて画面を直したという経過が一番参考になりました。
三重大学病院がAlbatrusのAI基幹システム「Apollo AI」の導入を始めたことについて、ZDNET Japanが報じました。
- 既存の電子カルテと連携し、部門ごとに散在していた診療情報や患者情報をAIが横断的に参照できるようにした
- 同病院は2025年度から同社の「メディラクAI」で症状詳記などの自動作成を進めており、その実績を踏まえた導入
- 病院長とMUDX Initiativeの教授を中心にAI導入チームを作り、職種・部門ごとのプロジェクトチームで活用を検討する
出典:ZDNET Japan / 三重大学病院、AI基幹システム「Apollo AI」を導入--医療DXプロジェクトを推進
サトシ 症状詳記という狭い用途から始めて基盤に広げる順番は、大学病院の導入としては手堅い進め方だと思います。
姫路市消防局など兵庫県中西播磨の3消防本部が、生成AIで音声入力を要約する救急搬送システム「HEARTS 2.0」の本格運用を2026年10月に始めたという発表。
- TXP Medicalの「NSER mobile」が基盤。管轄人口計約79万人、年間救急件数計約48,800件の地域を1つのネットワークで結ぶ
- 口頭のサマリー報告を生成AIが要約し、システムの項目へ自動入力する。モニタOCRは対象6項目の完全正解率92.3%と発表している
- 音声の自動要約・構造化の本格導入は全国初と同社は説明している。個人情報の入力にはLLMを使わない運用ルールを定めた
出典:TXP Medical / 姫路市消防局・西はりま消防組合・赤穂市消防本部、救急DXを推進― 中西播磨地域3消防本部が同時にNSER mobileをベースとした次世代救急システム「HEARTS 2.0」を本格運用開始
サトシ 救急隊からの電話の申し送りは、受ける側も聞き漏らしが怖いところです。LLMを使う場面を絞るルールまで書いてあるのは実務的だと感じました。
精神科外来の初診記録の品質監査にLLMの判定を提示したとき、人間の監査者の判断と作業時間がどう変わったかを調べた論文。
- 訓練を受けた監査者10人が13項目のルーブリックで記録を監査した。導入前9,711件、導入後2,677件を比べた前後比較で、AIはClaude Sonnet 4
- 1件あたりの監査時間は8.77分から8.06分に短縮した(P=0.002)。100件あたり71分の短縮に相当する
- 項目の合格率は平均約2%上がったが、監査者ごとの変化は−35%〜+35%と大きくばらついた
出典:Appl Clin Inform / The Effects of Artificial Intelligence in Quality Assessment of Outpatient Mental Health Services on Human Auditors.
サトシ 時間の短縮より、AIを見たあとで人の判定が上下どちらにも動いた点が気になります。監査する人の側も見張る必要がありそうです。
三重大学病院(685床)が、電子カルテと連携するAI基幹システム「Apollo AI」の導入を始めたとAlbatrusが発表。
- 既存の電子カルテと連携し、部門ごとに散在していた診療情報をAIが横断的に参照できるようにした。記録作成支援や情報検索に使う
- 病院長とMUDX Initiativeの教授を中心に「AI導入チーム」を作り、職種・部門ごとのプロジェクトチームで段階的に広げる
- 同院では第一弾として「メディラクAI」で症状詳記などの自動作成を進めてきた。今回の導入で効果の数字は示していない
出典:株式会社Albatrus / 三重大学病院、AI活用の第二弾としてAI基幹システム『Apollo AI』を導入開始
サトシ 道具を入れるより、職種ごとにチームを作る体制の話が中心なのが印象的です。薬剤部がどう使うのかも知りたいところです。
医療記録AI「カタナシ」を開発するAIBORNが、メディカル・データ・ビジョン(MDV)から出資を受けて資本業務提携したという発表。
- カタナシは診察やカンファレンスの会話を文字に起こし、AIがSOAP形式などに要約して記録の下書きを作る
- MDVは2025年8月からカタナシの販売代理店を務めてきた。出資額は公表していない
- 製品開発、医療機関への提供、導入後の支援で連携を強めるとしている
出典:株式会社AIBORN / AIBORN、メディカル・データ・ビジョンからの出資を受け資本業務提携
サトシ スクライブAIは機能の差が縮んできて、販売網と導入支援で勝負が決まる段階に入った印象です。代理店から出資へ進んだ流れはその表れに見えます。
AIスクライブのHeidiが、記録の先にある事務作業をAIエージェントで片付ける新版「Heidi II」を公開したことについて、Fierce Healthcareが報じました。
- Heidiは週280万件の診察を支え、約1,000万件のフォローアップ業務を拾い出していると同社は説明している
- Heidi IIは紹介状、診察前のカルテ準備、フォローアップの手配などをエージェントが行う。承認の設定は臨床医や組織が決める
- 9月29日に英語とフランス語で提供を始めた。英国とEUでは提供しないとしている
出典:Fierce Healthcare / Heidi launches AI agents to automate clinical administrative tasks
サトシ 記録の次は、そこから生まれる宿題をどう片付けるかという流れですね。英国とEUで出さない理由は記事に無いので、規制との関係が気になります。
フットスイッチで録音からAI要約、カルテ転記まで操作する医療支援AI「カルステップ」のMac版が正式リリースされたという発表。
- 診察の会話を文字起こしし、SOAP形式などに要約して下書きを作る。Windows版と同等の機能で、2026年8月26日に提供を始めた
- 初期費用はキャンペーン価格5万5,000円(通常7万7,000円)、月額保守5,500円(いずれも税込)。AI使用料は1分約1円の従量課金
- 導入医療機関は150施設以上と同社は説明している。Mac版も備品付きの1週間無料トライアルがある
出典:MJS / Macの診察室にも、足元からカルテ作成を支援するAIを。「カルステップ」Mac版を正式リリース
サトシ 足元のスイッチで操作するのは、診察中に手を止めたくない先生には合っていそうです。1分1円の従量課金は小さな診療所でも試算しやすいです。
精神科向け医療AI「MENTRA」が、自立支援医療や障害年金などの診断書をAIで作成する機能の提供を始めたという発表。
- 診察や看護、面談の会話から貯めた記録をもとに、医療機関の様式どおりのPDFで診断書を作る。最後は医師が確認して確定する
- ある導入先の精神科病院では、利用職員が2人から13人に、月の利用が9件から393件に増えたと同社は説明している(自社集計)
- 2026年10月31日までの申し込みは1か月無料で試せる。料金はリリースに書かれていない
出典:株式会社MENTRA / 精神科の申請書類をAIが自動で作成。医療AI「MENTRA」、自立支援医療・精神障害者保健福祉手帳・障害年金などの診断書に対応
サトシ 自立支援医療や手帳の更新書類は、薬局から見ても患者さんの負担が大きい手続きです。医師の書き写しが減れば更新の滞りも減りそうです。
歯周病の患者行動変容アプリ「ペリミル」と歯科医院向け業務支援システム「Dental X[R]」のデータ連携を開始するという発表。
- Dental X[R]に登録された患者情報と歯周組織検査(P検)の情報を、ペリミルへ連携できるようにする
- 連携対象はPPD、出血、排膿、分岐部、動揺度と、欠損・ポンティック・インプラントの歯の状態。プラークは今後連携予定としている
- 二重入力を減らし、歯科衛生士が12週間のプロトコールで患者に伴走する時間を確保するとLuke側は説明している。料金の記載はない
出典:Luke株式会社 / 歯科DX、新たなステージへ。患者行動変容アプリ「ペリミル」と「Dental X[R]」が業界の垣根を越えP検データ連携
サトシ 歯科でも二重入力の話が出るのは、薬局のレセコンと薬歴の関係に似ています。まず入力を1回で済ませるところから、というのは地に足がついています。
小児入院診療に当たる医療者のバーンアウトを、電子カルテの操作ログや勤務表から得た客観指標で予測できるかを調べた論文。
- 米スタンフォードの小児病院で2020年6〜10月に入院診療を担当した医療者を対象に、ウェルネス調査の結果とEHR・勤務表由来の指標を突き合わせた
- 主観的なEHR体験とバーンアウトに独立した関連はなかった。記録や指示のためにカルテを開いた患者数だけが、EHR体験スコアの低さと関連した
- EHRと勤務表の指標はいずれもバーンアウトの予測因子に選ばれず、小児集中治療部門への所属が独立した関連因子だった
出典:JAMIA Open / The use of objective EHR-and schedule-based clinical workload and EHR use measures in predicting inpatient pediatric provider burnout.
サトシ カルテの負担がそのまま燃え尽きにつながるわけではない、という結果です。薬局でも入力量より職場の事情のほうが効く場面は多いので、納得感があります。
病院向けスマホサービス「OPTiM AI ホスピタルフォン」を2027年1月に提供開始するというオプティムの発表。
- 院内チャット、依頼の承認ワークフロー、撮影・録音をまとめ、AIが電子カルテ記載用の文面の下書きを作る
- 価格は予価で1IDあたり月額1,500〜1,980円(税抜)。最大1カ月の無償トライアルがある
- 送信前にAIがSBARの観点で報告の抜け漏れを確認するとしている。同社MDMは370施設・約5万台で稼働
出典:株式会社オプティム / 病院内スマホとAIで医師・看護師の業務を効率化、「OPTiM AI ホスピタルフォン」を2027年1月提供開始
サトシ PHSの置き換えで止まっている病院は多いので、記録までつなげる設計は現場の実感に合っています。
院内で動かせる8Bパラメータのオープンモデルで、心臓外科の入院経過サマリーを自動作成する枠組みを評価したという論文。
- MIMIC-IVの冠動脈バイパス術4,538例を使い、Llama 3.1 8Bを微調整せずに3つのモジュールで組んだ
- 自動評価指標では微調整モデルにほぼ並び、70Bモデルをすべての指標で上回った
- 心臓外科医15人の5段階評価は全項目で平均3.0以上だった。公開データでの後ろ向き評価にとどまる
出典:J Med Internet Res / Automated Brief Hospital Course Summarization in Cardiac Surgery Using a Lightweight Large Language Model-Based Framework: Development and Evaluation Study on the Medical Information Mart for Intensive Care-IV.
サトシ クラウドに出せない病院でも小さなモデルで下書きが作れるなら、導入の壁はかなり下がります。
アンビエント型AI医療記録システム3社を、医師の主観評価と誤り監査の両面で比較したという論文。
- 56人の医師が2種類の模擬診察を録音し、3社のAIが生成した記録を7段階で評価した
- 医師評価で最高評価だったベンダーAは誤り監査で8件、最少の3件だったのは別のベンダーBだった
- 医師は監査で確認された数より多くの幻覚を指摘する「疑似幻覚」の傾向がみられた
出典:J Am Med Inform Assoc / Comparative evaluation of ambient digital scribe systems in clinical documentation.
サトシ 見た目の完成度と正確さは別物だと分かる結果です。導入前に自院で誤りを実際に数えたくなります。
臨床記録AIスクライブから始まったHeidiが、3億4000万ドルの資金調達を発表したとFierce Healthcareが報じました。
- シリーズCの1億ドルとGeneral Catalyst主導の2億4000万ドルの成長投資を合わせ、評価額は9億ドルとなった
- 英NHSイングランド・ミッドランズの臨床AI調達で単独採用されるなど、支援した診察は過去2年で7300万件から1億7500万件に増えた
- 記録業務の自動化から一歩進め、医師の監督下で実務を代行する機能へ展開する計画だという
出典:Fierce Healthcare / Heidi lands $340M to build 'AI care partner' for clinicians
サトシ スクライブが記録係から一歩踏み出す動きです。日本の現場にどう波及するか注視したいです。
敗血症患者への輸液選択を支援する機械学習アルゴリズムのRCTを、電子カルテに直接組み込んで実施したという論文。
- Emory Healthcareの病院6施設、救急外来6カ所とICU17カ所、300床超で2024年6月に稼働した
- Epic上に自動適格判定、リアルタイムのサブフェノタイプ判定、ランダム化、代替輸液アラートの4機能を実装した
- 臨床転帰の結果はまだ示されておらず、今回は実装の枠組みそのものを報告する論文だった
出典:JAMIA Open / Development to implementation to evaluation: step-by-step approach to embedding a clinical trial of a machine learning algorithm in the electronic health record.
サトシ 研究の仕組みごとカルテに組み込む発想は、日本の治験のやり方にも刺さる話だと思います。
日本のがん診療記録をBERTで匿名化しつつ研究に使える形へ変換する枠組みを開発したという論文。
- 国内2病院のがん患者延べ4383人・8万件超の診療記録から、BERTでTNM分類などを抽出し匿名化した
- 匿名化後もTNM分類やステージ情報を約24%の文書で復元でき、直接特定できる情報の残存は確認されなかった
- 監査可能性と再現性を両立させる匿名化の設計を、国内の実データで示した点が新しい
出典:JMIR Med Inform / Development of a Framework for Deidentified Japanese Electronic Health Record Narratives Using BERT: Balancing Privacy Protection and Reproducible Entity Extraction in Real-World Data.
サトシ 個人情報を守りながら研究に使える形に変える工夫です。国内データでの実証は薬剤疫学研究にも効いてくると思います。
肺がん登録のための病理報告の抽出を、ローカル動作の8B小型言語モデルで試した概念実証研究。
- Gemini 2.0 Flashの推論をMed42-8Bに蒸留し、MIMIC-IV 2256件を家庭用GPU(RTX 3060)で1エポック学習した。台北医学大学病院の134件で運用を確認した
- 専門家が監査した33件で精度90.91%、マクロF1 0.92(κ=0.86)だった。Llama-3-8Bは精度78.79%、マクロF1 0.79だった
- 監査対象は33件で、著者らは多施設での前向き検証が必要としている
出典:J Multidiscip Healthc / Distillation of a Locally Deployable 8B Language Model for Lung Histology Abstraction: A 33-Report Proof-of-Concept Study.
サトシ 外部APIに出せない病院データを手元のGPUで処理する発想は、現場の事情に合っています。件数が少ないので、参考値として見たいところです。
GPT-4.1で退院サマリの入院経過を下書きする機能の導入効果を調べた論文。
- 入院成人8,298人の内科入院を対象に、導入前後で退院サマリの編集時間(作成から署名まで)を比較した観察研究
- 導入前後の編集時間に有意差なし(6.60分 vs 6.28分、p=0.11)。AI使用例は9.20分 vs 4.93分と長く、調整後で32%増(p<0.001)
- 教員評価では質が高く害の可能性が低い一方で簡潔さは劣った。医師36人中31人(86.1%)は効率が上がったと回答
出典:Appl Clin Inform / Evaluation of a Large Language Model Discharge Summary Hospital Course Tool: Improved Quality but Longer Documentation Time.
サトシ 時間は短くならず、体感だけ効率的というズレが面白いです。質が上がるなら、時間の使い方の設計が次の論点ですね。
NSQIPの乳房再建データ抽出で、ChatGPT 4.1のワークフローと人手の精度を比べた論文。
- NSQIPパイロットの105例、9,048データ点を、匿名化したカルテからChatGPT 4.1で抽出し、形成外科医の基準と照合した
- 抽出精度はLLMが99.33%(誤り61件)、人手が98.19%(誤り164件)でp<0.001。術前項目ではLLMがやや低かった
- LLMの誤りで最多は乳房手術歴(29/61件)。概念実証で、多施設での検証が必要とされている
出典:J Am Coll Surg / Large Language Model Data Abstraction Demonstrates Accuracy and Reliability for NSQIP.
サトシ カルテからの転記作業は人間もそこそこ間違えます。まず人間の誤り率を測ってから比べる発想は現場に使えます。
院内のローカルLLMで診療情報を処理するクリニックについて、ITmediaが報じました。
- 東京都文京区の本郷真砂ハートクリニックは、院長自らMac Studioで環境を構築。過去診療情報の要約と、音声認識によるカルテ作成の補助に使い、処理は院内で完結する
- 医療機関向けにGENSHI AIが提供する構成は、初期費用が約400万円から、保守が月額約30万円から。同社には20件以上の問い合わせがあるという
- 記事はベンダー経由の導入について、医療機器と比べて安いとは言いにくいと指摘している
出典:ITmedia / ローカルLLM利用のクリニックが話題 院長自ら環境を構築 「医療機器より安い」は本当か
サトシ 音声からカルテへの転記が一番の需要、というのは現場の実感に近いです。
エス・エム・エスと訪問介護向けAIのENBASE(エンベース)の提携について、日本経済新聞が報じました。
- ENBASEのAIで会話から作った記録を、SMSの介護事業者向けクラウドに反映できるようにする。まず訪問看護ステーションで提供し、順次拡大する
- 記事によると、ENBASEのAIを導入した訪問看護ステーションでは、記録や報告書などの作成時間が50%減ったという
出典:nikkei.com / SMS、AI作成の看護記録をクラウドに反映 エンベースと提携
サトシ 記録の自動化は、入力先とつながって初めて時間が減ります。
Oracle Healthの入院看護師向け臨床AIエージェントの米国での提供開始について、Fierce Healthcareが報じました。
- 電子カルテに組み込まれ、音声によるカルテ内の検索、急性期の看護サマリー、音声での構造化記録に対応する
- 同社は臨床ノートAIが約2年で医師の時間を40万時間超節約したと説明する。看護向けは早期導入施設が記録時間の短縮を挙げるが、記事に数値はない
出典:Fierce Healthcare / Oracle Health extends clinical AI agent to inpatient nurses
サトシ 看護記録の負担は大きいので、勤務後の記録が減るかが実測で見たいところです。
労働組合のあるAPP15人に11週間AIスクライブを試験導入し、記録時間と当日完結率への効果を測ったという論文。
- 労働組合と協議した上でNPとPAら15人に11週間Abridge社のAIスクライブを導入し8100件の診察で追跡した
- 記録時間は導入群平均6分で非導入群14分の半分以下、当日完結率も90%対72%まで上がった
- 利用率は個人差が30〜89%と大きかったが、組合からの反対は出ず全APPへの導入合意に至った
出典:JMIR Form Res / Navigating Collective Bargaining Barriers to the Implementation of AI Scribe Technology Among Ambulatory Advanced Practice Providers: Mixed Methods Quality Improvement Study.
サトシ 組合との合意形成まで含めて書いてあるのが実務的でいい。数字より先に現場の同意を取る手順が参考になる
三重県の永井病院が電子カルテと連携するAI基幹システム「Apollo AI」を導入し、業務時間短縮の効果を公表したという発表。
- 199床の永井病院で電子カルテMI・RA・Isと連携するAI基幹システムApollo AIを導入し主要文書作成業務に使った
- 退院サマリ作成は37分から3分、IC文字起こしは15分から4分に短縮し定着率は約95%になったと公表した
- 数値は導入企業と病院側の発表によるもので、他院での再現性は今後の全国展開の中で見えてくる
出典:株式会社Albatrus / 『Apollo AI』が医療法人永井病院で大きな業務改革を実現──電子カルテ MI・RA・Is(株式会社シーエスアイ) × AIエージェントの、生成AI活用の基幹システム
サトシ 退院サマリが3分になるなら現場のインパクトは大きい。ただ自社発表の数字なので他院での再現度は気になる
小児がん生存者40人分の長期フォロー計画をGPT-4oに作らせ、医師作成の計画とどれだけ一致するか調べたという論文。
- 小児がん・移植生存者の検証コホート40人分の治療サマリをGPT-4oに渡し長期フォロー推奨を生成させた
- 医師作成446項目のうち86.3%をAIが提示、AI提示467項目のうち82.4%は医師作成分と一致していた
- 不一致の多くは放射線関連の判断など臨床的な解釈が必要な場面に集中していた
出典:J Pediatr Hematol Oncol / AI-Assisted Generation of Long-Term Follow-Up Recommendations for Survivors of Childhood Cancer and Hematopoietic Stem Cell Transplantation.
サトシ 8割一致でも残り2割の見落としが放射線関連に集まるなら、そこだけ人が見る運用がちょうどいい
小児外科手術記録から術式情報を抽出するLLMパイプラインを開発し、外科医の判定と比べたという論文。
- 小児食道気道手術の記録を対象に、概念リストとプロンプトを組んだLLMパイプラインCLASSを構築した
- 最長20件・3960件の記録と術式のペアで外科医判定との一致はF1スコア0.9967と高かった
- 新たな術式候補28件も提示し18件(64.3%)は臨床的に有用と判断されたが、単施設単科の検証にとどまる
出典:J Med Syst / Exploratory Implementation and Feasibility Report of CLASS (Clinical LLM Abstraction & Structuring System), A Large Language Model Pipeline for Extracting Unstructured Data From Clinical Notes.
サトシ 自由記載のカルテから構造化データを起こす手間は現場が一番実感している。単施設でも数字が良いのは希望が持てる
GPT-5に入院患者の当日退院を予測させ、精度と誤り要因、プロンプト最適化の効果を検証したという論文。
- 米国の大学病院で入院2〜14日の患者を対象に、直前30時間分の診療記録からGPT-5に当日退院の予測をさせた
- 基本プロンプトでのF1スコアは0.48、感度は0.37にとどまり、自動プロンプト最適化でF1と感度はやや改善したが適合率は低下した
- 誤りの主因は医学知識ではなく退院調整などの運用面の理解不足で、専門家による手動プロンプト調整はほとんど効果がなかった
出典:J Gen Intern Med / Optimizing Large Language Models for Hospital Discharge Prediction.
サトシ 精度が低い結果を正直に出しているのが良いと思いました。うまくいかない理由が業務知識の不足という点も、導入を検討する上で参考になります。
北里大学病院が2027年1月の電子カルテ更新にあわせ「ユビー生成AI」による文書作成支援を導入するという発表。
- 北里大学病院がUbieと契約し、複数の診療記録を集約して退院サマリや紹介状などの文書作成を支援するサービスを導入する
- 2026年8月時点で「ユビー生成AI」は大学病院を含む160超の病院に導入されており、全国では1,800以上の医療機関に導入実績がある
- 業務負担の軽減効果は導入企業側の見込みであり、開始は2027年1月の電子カルテ更新後を予定している
出典:Ubie株式会社 / 学校法人北里研究所 北里大学病院が「ユビー生成AI」導入を決定 2027年1月の電子カルテの切り替えにあわせ、複数の診療記録をもとにした文書作成支援を開始
サトシ 電子カルテ更新のタイミングに合わせて導入するのは現実的な進め方だと思います。文書作成の負担が減るかは現場での検証待ちですね。
精神疾患患者のカルテ記載を患者視点で感情分析し、退院後死亡との関連を調べたという論文。
- MIMIC-IVの精神疾患患者6382例、記録16447件について、LLMと辞書ベース手法で患者視点・医師視点・全体の感情を判定した
- 退院後30〜90日に死亡した患者は、生存者よりも退院指示の感情スコアがより否定的だった(両LLMで有意差あり)
- 手作業評価との一致はLLMの方が辞書法より良かったが、全体の精度はまだ限定的だとしている
出典:J Med Internet Res / Temporal Analysis of Patient-Centered Sentiment in Clinical Notes for Patients With Mental Health Conditions: Retrospective Cohort Study.
サトシ 退院サマリのトーンが予後と関連するというのは記録業務の新しい使い道だと思います。ただカルテを書く手が止まりそうな話でもあります
26,479件の入院で1,140万件のバイタル測定値を分析し、EHR反映の遅延と看護シフトの関連を検証したという論文。
- 26,479件の入院における1,140万件のバイタルサイン測定値を対象に、測定からEHR反映までの遅延を施設横断で分析した
- 反映までの中央値は12〜25分で、異常値でも3分の1が1時間以上遅延し、遅延は看護のシフト交代前に集中していた
- デバイスとEHRが連携済みの環境でも遅延は生じており、技術的な問題より人員配置の運用が主要因と結論づけた
出典:Npj Health Syst / Delayed EHR availability of vital signs is associated with nursing shift structure.
サトシ システムが繋がっていても人の動きがボトルネックになるという話です。多くの外来で似たことが起きていそうです。
集中治療の複雑な症例で、生成AIと人が作った引き継ぎ要約の質を盲検比較した研究という論文。
- MIMIC-IIIから抽出した多疾患合併患者64例の要約をAIと臨床家が別々に作成し、盲検で有用性などを評価
- 有用と評価された割合はAI要約75%、人手要約76%とほぼ同等で、正確性や統合の質もAIが同等かやや上回る領域があった
- AI要約は簡潔さの評価が55〜67%と人手より低く、個々のデータ要素をまとめきれない場合があった
出典:JAMIA Open / Optimizing generative artificial intelligence for clinical summarization: a blinded comparison study of automated versus human care planning synopses.
サトシ 要約の質が人と同じでも簡潔さで負けているのは実感通りです。冗長さを削る調整がまだ要ると思います。
電子カルテ導入の前後で医師・看護師の業務負荷や燃え尽きを追跡したドイツの前向きコホート研究という論文。
- 医師・看護師163名(導入前87名、導入5か月後76名)を対象に、標準化調査と聞き取りで業務やバーンアウトを比較
- ワークフローやバーンアウトの指標全体では導入前後で有意差はなかったが、看護師の情報過多は有意に減少した
- 一方で医師の脱人格化は導入後にむしろ有意に増加しており、職種ごとの導入プロセスの違いが影響した可能性がある
出典:JAMIA Open / Effects of electronic health records implementation on workflow and health care provider outcomes: a prospective, multi-professional cohort study.
サトシ 入れれば良くなるわけではないという話が、有意差なしという数字ではっきり出たのは価値がある。
在宅医療の診療報酬算定業務を、AIエージェントとルールエンジンで自動化する「AI BPO」を開発したという発表。
- ファストドクターとクラウドクリニックが、在宅医療特有の複雑な診療報酬算定に対応するAIエージェント型の業務システムを共同開発した(特許出願中)
- AIエージェントが診療記録から算定候補と根拠を生成し、専門スタッフの確認・承認を経て、1カルテあたりの算定作業時間を従来比約75%削減した
- クラウドクリニックのサービス利用医療機関は、相場価格の半額水準で算定業務を外注できるとしている(リリースの主張)
出典:ファストドクター株式会社 / ファストドクター、AIを活用した医療現場の業務変革を推進 在宅医療の診療報酬算定業務をAI BPO化
サトシ 算定業務の自動化は地味だけど経営インパクトは大きい。75%削減が本当なら在宅医療のBPO市場ごと変わる話だと思う。
電子カルテなど院内データとAIエージェントを組み合わせた病院向け基幹システム「Apollo AI」の正式提供を開始したという発表。
- 東大発スタートアップのAlbatrusが、従来製品「メディラクAI」のアップデート版として病院向け生成AIプラットフォーム「Apollo AI」を発売した
- 先行導入した三重県の医療法人永井病院(199床)では、退院サマリ作成が30分から2分に、音声文字起こしによるIC記録が15分から3分に短縮したとしている
- 2026年4月の正式発売以降、国立大学病院を含む10以上の病院で導入が進んでおり、効果試算は同社が公表した数値であることに留意が必要
出典:株式会社Albatrus / 【地方総合病院 × 東大発スタートアップ】院内データ × AIエージェントで病院を変える、AI基幹システム「Apollo AI」を正式提供開始!
サトシ 退院サマリが30分から2分というのは大きい数字です。ただ実証は1病院分なので、他院でも同じ効果が出るかは注目したいところです。
AIによる診察音声要約(スクライブ)の精度が、環境音やマイクの位置でどう変化するかを調べたという論文。
- 模擬プライマリケア診察を録音し、マイク種類・距離、背景音、無関係な会話の3種類のノイズで精度を比較した
- マイクから4.5m離れると全ての機種で内容がすべて欠落し、2m以内では欠落は5件未満に収まった
- 幼児の声や強い雨音など特定の背景音は欠落を増やす一方、無関係な会話(情報ノイズ)には強かった
出典:BMJ Digit Health Ai / Impact of acoustic and informational noise on AI-generated clinical summaries.
サトシ マイクの位置一つで精度が変わるなら、スクライブ導入は機材選びも含めて丁寧にやる必要がありますね
韓国の大学病院で28万件超の術後CTレポートから再発・転移を自動判定するモデルを開発したという論文。
- 韓国Asan医療センターの2014〜2021年、術後CT報告28万8076件・患者8万6083例を用いて半教師あり深層学習モデルを開発した
- 実運用を模した条件下で再発判定は精度97.33%(多クラス)、転移判定は精度96.67%(2値)に達し、臨床医同士の一致率に匹敵した
- 「否定できない」等の診断上の不確実性も再発1.4%・転移6.9%で検出できたが、他施設への一般化には前向き多施設検証が必要とされた
出典:JMIR Med Inform / Automated Extraction of Postoperative Cancer Recurrence and Metastasis From Computed Tomography (CT) Reports: Semisupervised Deep Learning Study.
サトシ CTレポートを自動で仕分けてくれるなら、術後フォローの見落とし防止に地味だけどかなり効くと僕は思います。
入院患者50人分の退院時サマリーを、医師執筆とAI生成で盲検比較したという論文。
- UCSDの入院患者50人分について、医師執筆の退院時サマリーとGPT-4・Gemma生成のサマリーを盲検で比較した後ろ向き研究
- 分かりやすさの指標PEMATでGPT-4が85.5%、Gemmaが87.5%、医師執筆が66.1%と、AI生成が有意に上回った(p<0.001)
- 正確性や安全性の評価でもAI生成が上回ったが、著者らは医師の確認を前提とした運用を検証する必要があるとしている
出典:J Hosp Med / Comparison of physician-authored and artificial intelligence-generated after-visit summaries: A blinded comparative study.
サトシ 退院サマリーをAIが下書きして医師が確認する形なら、記録業務の負担は変わりそうです。
LLMが作る手術同意書と従来の説明文書の分かりやすさを、盲検で比較したという論文。
- 耳鼻咽喉科の41手術について、公式書式とChatGPT-5.2・Gemini3Proが作った同意書計123件を医師3名と協力者5名が評価した
- 医学的な質は公式書式が4.62点で最高、分かりやすさはGemini版が4.33点で公式の3.18点を上回った(p<0.001)
- 小規模な予備研究であり、分かりやすさが増す一方、医学的正確さや法的妥当性の面ではAI生成文書がやや劣る結果だった
出典:Acta Otolaryngol / AI-generated versus standard informed consent forms in otolaryngology: a blinded multirater pilot feasibility study.
サトシ 同意書の分かりやすさは大事ですが、医学的な正確さとのトレードオフがあるのは実感と合います。ハイブリッド運用が現実的だと思いました。
米国の内科研修外来で検査結果連絡を改善する構造的・教育的介入を評価したという論文。
- 研修医32人が在籍する内科外来で、受信箱当番制と縦断カリキュラムを組む介入を導入し、前後比較で評価した
- 検査結果の連絡率は57%から76%に上昇し(P<0.01)、連絡までの時間も18.7日から8.5日に短縮した
- 単施設・研修医32人規模の前後比較で、研修医個人レベルの改善度は訓練段階により差があった
出典:J Gen Intern Med / A Structural and Educational Intervention to Improve Inter-Visit Care in an Internal Medicine Residency Clinic: A Multimethod Evaluation.
サトシ 受診後のフォロー漏れはどの外来でも悩みの種と聞きます。当番制と教育をセットにする発想は参考になります。
訪問看護向けAIエージェント「SHISHIホウカン」が報告書作成機能を対話形式に刷新したという発表。
- スマホやPCのトーク画面で「今月の報告書を作って」と伝えるだけで、記録書や前月報告書を読み取り下書きを作成する
- 対応する請求ソフトはカイポケやiBowなどで、保存すると使用中のソフトに報告書がそのまま反映される
- 修正の指示内容を記憶し次回以降に反映する機能も搭載しているが、負担軽減の程度は同社の説明による
出典:株式会社クラシテク / 自然言語で会話しながら報告書ができるAIへ クラシテク、訪問看護向けAIエージェント「SHISHIホウカン」の報告書作成機能を大幅アップデート
サトシ 報告書のたたき台を対話で作れると、訪問看護の書類負担は結構減りそうだと感じます。
退院サマリから減薬提案をルールベースとLLMで自動抽出するシステムを開発したという論文。
- オーストラリアの公立病院6施設で65歳以上・入院48時間以上の患者850例の退院サマリを対象に、ルールベース抽出とLLM分類を組み合わせた2段階システムを開発し正解データと照合した
- 減薬提案の有無を判定する精度はF1スコア0.91、正解率0.90で、評価者間の一致度はカッパ係数0.70だった。処理時間は1件平均12.6秒だった
- 誤分類の多くは入院中に既に実施された対応を退院後の提案と取り違えたケースで、抗菌薬とオピオイドが減薬提案の対象として多く抽出された
出典:Drug Saf / Development and Validation of a Two-Stage NLP System Combining Rule-Based Extraction and LLM-Based Classification for Deprescribing Recommendations in Discharge Summaries.
サトシ 退院サマリに埋もれた減薬提案を拾い上げる作業、まさに人手でやると漏れる典型です。1件12秒ならバッチ処理で十分回せそうです。
胸部X線の読影にAI優先順位付けと自動レポート生成を導入した前向きクロスオーバー試験を報告したという論文。
- 放射線科医8人が胸部X線1054件を、通常のFIFO運用とAI優先順位付け・自動レポート生成の2条件で読影する単施設クロスオーバー試験
- レポート作成時間の中央値は2分から0.53分に73.3%減、総ターンアラウンドタイムは876分から82分に90.6%減少した(いずれもP<0.001)
- 緊急度の高い症例を含む全区分でTATが有意に短縮したが、単施設・胸部X線に限った検討で診断精度への影響は評価していない
出典:J Med Internet Res / Impact of AI-Triaged Worklists and AI-Assisted Report Generation on Radiology Turnaround Times: Prospective Real-World Study.
サトシ ワークリストの並び替えだけでこれだけ変わるのかと驚きました。診断の質は担保しつつ、待ち時間を削れる余地はまだありそうです。
甲状腺エコーのTI-RADS判定を、LLM音声認識とLLM採点の2段階ワークフローで検証したという論文。
- 149症例の甲状腺画像データベースを用い、LLM音声認識モデルと市販音声認識モデルの文字起こし精度、GPT-4oによるTI-RADS採点精度を検証した
- LLM音声認識は語誤り率1.0%(市販3.0%)、修正時間6.38秒(市販11.39秒)といずれも有意に優れ、詳細な指示でTI-RADS判定精度は50.3%から78.5%に向上した
- 放射線科医による確認・修正の工程は依然必要で、前向きの臨床検証はまだ行われていない単施設の実現可能性研究にとどまる
出典:Acad Radiol / Streamlined TI-RADS Reporting From Bilingual Speech Recognition to LLM-Assisted Conclusion Generation Using a Two-Stage Workflow.
サトシ レポート作成の下流工程を丁寧に数値化していて実装のヒントになります。プロンプト設計次第で精度が変わる点は要注意です。
米国MIMIC-IVの26万人超のデータで、物質使用障害患者の診療記録の非専門的な表現とその後の紹介行動の関連をLLM併用NLPで調べたという論文。
- 米国MIMIC-IVデータベースから2008〜2019年に救急・ICUに入院した成人26万347人を対象に解析した。うち31.5%が物質使用障害(SUD)患者だった
- SUD患者の診療記録では非専門的な表現の使用率が72%と、非SUD患者の52%より高く、行動医学紹介の増加と有意に関連した(調整オッズ比1.54、p<0.001)
- ルールベースNLPにGPT-4など3種のLLMで語彙を拡張し専門家が妥当性を確認したモデルで、検出のF値はベースラインの0.89から0.91に改善した
出典:Digit Health / When documentation follows the patient: Unprofessional language and behavioral health referrals in substance use disorder - a retrospective cohort study using LLM-augmented natural language processing.
サトシ 診療記録の言葉選び一つで紹介行動まで変わるという結果、カルテ記載の癖は自分にもあるので気をつけたいです。
病院向け生成AIサービス「OPTiM AIホスピタル」が、機能を一覧できるダッシュボードや出力根拠を確認できる機能を追加したという発表。
- 電子カルテと連携し医師・看護師の文書作成や情報抽出を支援する既存サービスの更新で、複数機能を一画面から呼び出せるダッシュボードを新たに搭載した
- AIの要約・回答が電子カルテのどの情報を根拠にしたかを画面上で確認できる「情報源の表示」機能を追加し、ボイスレコーダーAI要約の収録上限も30分から60分に延ばした
- ver.3.0のハイブリッドAI構成、ver.3.1の申し送り支援機能に続く更新で、多職種が複数機能を使い分ける利用実態を踏まえた機能拡充としている
出典:株式会社オプティム / 病院向け生成AIサービス「OPTiM AI ホスピタル」ver.3.2提供開始
サトシ 根拠を確認できる機能は現場での信頼感につながりそうです。ボイスレコーダーの上限延長も地味に助かる改善だと思います。
小児病院のEHRで発注時の操作回数を減らす介入を行い、効果を検証したという論文。
- 米国の小児3病院で2024年の入院薬剤オーダーを対象に、頻用薬にデフォルト設定を導入する前後比較を行った
- 22件のオーダーで操作回数の中央値は3.20から0.39に減少した(p<0.001)
- 新設リストの採用率は9.6%から15.8%への上昇にとどまり、システム全体への効果は限定的だった
出典:Appl Clin Inform / Reducing Order Friction in Pediatric Electronic Health Record Systems: A Quasi-experimental Pre-Post Analysis.
サトシ 発注時の手間を減らす設定は現場にありがたいはず。ただ普及率が上がらないと効果は薄いですね。
精神科向け医療AI「MENTRA」が記録業務の実測効果を公開し、無料トライアルを開始するという発表。
- MENTRAは、精神科病院での2026年2月から8月の6カ月間に、会話1356件・190.1時間分を記録の下書きにしたと発表した
- 下書きが届くまでの中央値は18秒、下書きの96.7%が医療者の確認・修正を経て正式な記録として採用されたという
- 手書き想定(1件8分)との比較で診察記録だけで約135時間の削減と試算する。トライアルは2026年10月31日申込分まで1カ月間無料
出典:株式会社MENTRA / 精神科病院やメンタルクリニックの業務をラクにする医療AIサービス「MENTRA」、医療機関向けに期間限定の無料トライアルを開始
サトシ 書く仕事を減らす具体的な数字が出ているのはいい。ただし自社集計なので、第三者の検証も見てみたいです
医療・介護文書をAI-OCRで構造化データに変換する機能を共同開発し、商用提供を始めるという発表。
- United Vision & Companyとアイ・エス・ビーが、医療介護連携基盤「Pubcare Pro」向けにAI-OCR機能を開発し2026年8月28日に商用提供を開始した
- 診療情報提供書や訪問看護指示書など多様な帳票に対応し、認識精度は95%以上を安定して確保しているという
- 現場ヒアリングでは1文書の確認・入力に従来30分から1時間を要していたとしており、転記業務の削減を狙う
出典:株式会社United Vision & Company / 株式会社United Vision & Companyと株式会社アイ・エス・ビー、 医療文書を構造化データへ変換する 「Pubcare Pro AI-OCR 機能」を共同開発、商用提供を開始
サトシ 紙とFAXが残る医療現場の構造そのものへの投資という感じがする。精度95%は自己申告なので実測が見たい
標準化された脳神経放射線レポートをAIで平易な言葉に書き換え、患者の評価を比較したという論文。
- 成人100人を無作為に割り付け、放射線科医2名が確認したAI簡易版と通常の専門用語版レポートを読んでもらい5段階で評価させた
- 全項目でAI簡易版の評価が有意に高く(すべてp<0.001)、効果量は総合印象でd=2.10、信頼のトーンでd=1.31だった
- 客観的な理解度テストは行っておらず、単一症例のレポートのみで検証した結果である
出典:Insights Imaging / Perceived communication quality of a standardized neuroradiology report following AI-based simplification: a randomized, blinded study.
サトシ 患者の満足度が上がるのは当然だと思う。「分かりやすい」と「正しく理解できた」は別物で、混同しない方がいい
CAR-T療法後の有害事象をGPT-4にカルテ記載から抽出させ、精度を評価したという論文。
- UCSFで2012年から2023年の患者293例、進行記録4762件を対象に、ゼロショットのGPT-4-0314でCRSやICANS等を抽出した
- CRSとICANSの重症度判定はそれぞれ正解率0.97、0.91と高かったが、あらかじめ定めた有害事象の抽出は正解率0.62から0.76にとどまった
- 日付や対応処置の抽出は一致度が中程度で、幅広い有害事象属性の抽出は精度が安定しなかった
出典:PLOS Digit Health / Extracting adverse event nature, severity, timelines and resulting interventions from clinical notes of patients receiving CAR-T cell therapy using large language models.
サトシ CRSとICANSは精度が高い一方、それ以外の有害事象は精度がばらつく。使う項目を絞れば実務に使えそうです
京都の病院がリハビリ評価を院内iPhoneで行うアプリを独自に構築し、本格導入したという発表。
- 蘇生会総合病院は約50台の院内iPhoneを使い、BBSやTUGなど各種リハビリ評価を実施・記録するアプリを開発、7月のテストを経て8月に本格導入した
- 運用開始から約半月で350件を超える評価が蓄積され、義務化せずスタッフが自発的に使う形で定着が進んでいるという
- 評価結果は診療記録用テキストとして出力できるが電子カルテへの自動登録はせず、最終確認は評価者が行う運用としている
出典:医療法人社団蘇生会 / 「現場の課題」から生まれた医療DX 蘇生会総合病院リハビリテーション科、院内iPhoneを活用したリハビリ評価システムを独自に構築
サトシ 現場発というのがいい。義務化せず自発的に使われているのが、定着する仕組みの証拠だと思います
研修医のインバスケット業務を個別分析付きコーチングで改善した米国単施設の研究という論文。
- 米国の内科PGY2・3の研修医を対象に、個別EHR分析データを用いたコーチング介入の前後でインバスケット指標を比較した
- 患者対応の折り返し時間が2.2日短縮し(p<0.001)、電話対応の平均時間も1日0.99分から0.74分に減った(p=0.03)
- 研修医の主観的な負担感や自信度は有意に変わらず、指標改善が体感には直結しなかったとしている
出典:J Gen Intern Med / Leveraging Individualized Electronic Health Record Learner Analytics to Improve Resident Inbasket Management.
サトシ 指標は良くなっても燃え尽き感は変わらないというのが正直だなと思いました。可視化だけでは足りないのかもしれません。
歯科医院向けの予約・患者管理DXサービスの提供を開始したという発表。
- 美容自由診療クリニック向けの実績あるサービスを歯科向けに再設計し、2026年8月1日に提供を始めた
- 料金は月額1000円(税別)のプランから利用でき、予約管理を起点に問診や同意書、データ可視化まで段階的に導入できるとしている
- 紙やExcel、複数システムへの情報分散が業務負担になっているとの課題認識から開発され、今後はレセコン連携も進める予定としている
出典:GMOインターネットグループ / GMOビューティー、歯科医院向け予約・患者管理DXサービス「キレイパスコネクト デンタル byGMO」を提供開始
サトシ 月額1000円からという価格設定は、小規模な歯科医院にも導入しやすそうです。段階的に機能を足せる設計も現実的だと思います。
退院指導文書の質を生成AI(GPT-4)と看護師で比較した二重盲検のビネット研究という論文。
- 5つの退院場面を想定し、看護師5名とGPT-4が作成した退院指導文を専門家15名と患者38名が盲検評価した
- AIは情報の網羅性で看護師を上回ったが、専門家はAI文書にのみ安全性上のリスクを指摘し、共感性と読みやすさは看護師が有意に上回った
- AIが生成した文章は構文が複雑で専門用語が多く、高齢や低学歴の患者ほど受容度が低い傾向がみられた
出典:Nurs Open / Evaluating the Accuracy, Empathy, and Readability of Generative AI Versus Registered Nurses in Discharge Planning: A Vignette-Based Study.
サトシ 情報量では勝っても安全面や共感で負けるという結果は、AIを単独運用に任せるのは危ういという実感と合います。
救急部14施設・31万件超のカルテでアンビエントAIの導入効果を後ろ向きに検証したという論文。
- 米国の救急外来14施設、約31万件のカルテのうち8.6%でAI使用。2024年5月〜2025年6月の実運用データを前後比較した
- 傾聴評価の高評価率は82.0%対76.6%(p=0.003)、コピペ由来の記載は9.4%対18.3%に半減、NASA-TLXは40.2点低下した
- 自主的な利用でAI使用率は8.6%にとどまり、正味の編集時間には有意差がなかった(p=0.349)
出典:Appl Clin Inform / The Effect of Ambient AI Documentation on Clinician Workload, Efficiency, and Patient Experience in a Multisite Emergency Department Network.
サトシ 使用率8.6%というのが現実的な数字だと思います。TLXは下がっても編集時間は変わらないところが実感に近いです。
肝胆膵手術650例の退院時サマリーから、LLMに術後合併症のグレード分類をさせたという論文。
- 2010〜2024年の肝胆膵手術650例を対象に、6種のLLMにゼロショットでClavien-Dindo分類を判定させ専門家評価と比較した
- 二値分類(合併症の有無)の精度は0.93〜0.94で、専門家2名間の一致度(κ=0.75)に迫るκ0.76〜0.79を示した
- 詳細な5段階分類の精度は0.75〜0.78にとどまり、二値分類ほどの精度は出なかった
出典:J Med Internet Res / Zero-Shot Classification of Postoperative Complications From Real-World Discharge Letters According to the Clavien-Dindo System Using Large Language Models in Liver Surgery: Comparative Study.
サトシ 肝胆膵の退院サマリーは自分の領域に近い。合併症の重症度判定を自動で一次仕分けできるのは大きい。
プロンプト設計と内部推論が問診チャットボットの情報収集にどう影響するかを調べたという論文。
- 模擬患者による66症例のプライマリケア問診を、詳細さと思考モードを変えた4種のLLM構成とルールベースの計5構成で比較した
- 詳細プロンプト+思考モードの情報網羅率は72.3%で最高、簡易プロンプトとルールベースは51〜54%にとどまった(P<.001)
- 模擬患者を使った統制環境での評価であり、実診療での文書化や運用への効果は今後の検証課題とされた
出典:JMIR Med Inform / Evaluation of Prompt Design and Internal Reasoning in Chatbot-Based Medical History Taking: Simulation Study.
サトシ 問診の型を思考モードで補強するアプローチは分かる。ただシミュレーションなので、実際の外来でどこまで保つかは未知数。
複数州の医療システムで大規模導入したアンビエントAI文書化ツールが、記録時間と医師のウェルビーイングに与えた効果を検証したという論文。
- 外来医師・APP210人を対象に、DAX Copilot導入前後8カ月間のEHR操作ログと導入45日後のアンケートを比較
- 1回の診察あたりの正味記録時間は5.54分から4.09分へ26.2%減少し(p<0.001)、手入力は51.7%、コピペは42.7%減った
- ノート文字数は28.8%増えたが、回答者(回答率26.4%)の多くが燃え尽き感の軽減や継続利用の意向を示した
出典:Appl Clin Inform / Large-Scale Implementation of Ambient AI Documentation and Its Effects on EHR Efficiency and Clinician Well-Being.
サトシ 26%の時間短縮という数字は説得力があります。ただ回答率26%なので満足度の数字は割り引いて見た方がよさそうです
処方箋の事前送信をAI-OCRでレセコンへ自動連携する仕組みを、Googleの予約サービス「Reserve with Google」と連携させたという発表。
- 全国7000店舗以上に導入済みのAI-OCR「薬師丸賢太」と、月間1300万人が利用する「ユビー」を連携し、首都圏の調剤薬局約300店舗でサービス提供を開始
- Google検索・マップの「Reserve with Google」から薬局を予約すると、処方箋画像をAIが解析しレセコンへ自動出力する
- 対象は東京・神奈川・千葉の大手チェーン加盟約300店舗からで、全国7000店舗への展開時期は明言されていない
出典:NeoX株式会社 / NeoX、Ubieが開始する「Reserve with Google」と連携を開始 処方箋事前送信をAI-OCR「薬師丸賢太」がレセコンへ自動連携
サトシ 予約から入力までを一気通貫でつなぐ発想は良いですが、まずは300店舗規模での使い勝手の検証が見どころです
電子カルテの患者IDを自動認識して録音データに紐づける新機能を、カルテAIアシスタント「MC-Drive for Clinic」に追加したという発表。
- 全国100件の医療機関・保険薬局(2026年6月末時点)で稼働するサービスに、2026年7月1日から患者ID自動認識機能を追加
- 月額利用料は1台目4万円・2台目以降1台ごとに1万円で、録音データは診療日ごとに最大60日間保存される
- 対応する電子カルテはメディコム社製のMedicom-HRfとクラウドカルテに限られ、他社カルテとの連携には別途動作検証が必要
出典:東日本メディコム株式会社 / 【医療DX/診療記録の負担軽減】カルテAIアシスタント「MC-Drive for Clinic」、電子カルテの患者IDを自動認識する新機能を提供開始
サトシ 患者IDが自動で紐づくのは地味だけど地味に効く機能。共有や引き継ぎの手間はこういう細部の積み重ねで減っていく実感があります
新生児マススクリーニングの事後処理業務にルールベースとRAG搭載LLMを組み合わせたシステムを導入し、処理時間を半減させたという論文。
- タンデムマス法による新生児スクリーニングのQCレビュー・レポート作成・カットオフ再評価を、AI出力を専門医が必ず確認する設計で自動化
- バッチ処理時間は平均50.5分から24.3分に、カットオフ評価は9.2時間から63.6分に短縮し、20症例のレビューで重大な誤りは検出されなかった
- 診断性能の評価は20件の模擬症例にとどまり、確定陽性検体や人手評価との比較によるさらなる検証が必要としている
出典:Ann Lab Med / Automated Post-Analytical Workflow for Newborn Screening Using a Hybrid Rule-Based and Retrieval-Augmented Large Language Model System.
サトシ 検査室の裏側の業務にもLLMが入ってきていて、記録業務の負担軽減は診療科を問わず共通の課題なんだと感じます
病院のHIS-PACSにNLPによる放射線レポート品質管理システムを組み込み、21万5870件の実レポートで誤り傾向を分析したという論文。
- 中国の病院で2024年8月から2025年2月に作成された放射線レポート21万5870件を対象に、医師の職位・撮影部位・機器・時間帯別に誤り率を分析
- 医師の職位・撮影部位・機器・時間帯によって誤り率に有意差があり、ARIMAモデルは今後3カ月で誤り率がさらに低下すると予測した
- 単一施設での後ろ向き分析であり、システム導入によって実際に誤りが減ったかどうかの前後比較は行っていない
出典:J Imaging Inform Med / Development and Real-World Evaluation of an NLP-Assisted Quality Control System for Radiology Reports.
サトシ 21万件という規模はさすがだけど、これは誤りの見える化止まりで、現場が実際に減らせたかはまだ見えていません
電子カルテの自由記載からソーシャルニーズを検出するNLP・機械学習モデルを比較検証したという論文。
- ルールベースNLPと3種の機械学習モデルを、均衡データと実際の不均衡データの両方で学習し比較した
- 不均衡データでの最良モデル(XGBoost)はF1 0.312、適合率0.839に対し再現率は0.191にとどまった
- 均衡データで学習すると見かけの性能が高くなり、実運用に近い設定での再評価が必要だと指摘した
出典:JAMIA Open / Using natural language processing and machine learning to identify social needs in patient medical notes: model training with balanced versus real-world datasets.
サトシ 均衡データだけで評価すると数字が甘くなるという話は、記録業務のAI導入を検討するときに効きます。
harmoが電子カルテ改修不要のオフライン転送機能にAI-OCRを追加し、紙のお薬手帳にも対応したという発表。
- 院内の複合機やスキャナで紙のお薬手帳をスキャンし、AI-OCRと薬剤辞書の照合で薬剤名や用法・用量をテキスト化して電子カルテへ転送する機能を追加した
- 2025年10月リリースの電子版お薬手帳向け機能に続くもので、電子カルテ側はインターネット接続不要のまま利用できるとしている
- 認識結果はスキャン画像と連動表示され、最終的には医療従事者が原本と照合して確認・修正する運用としている
出典:シミックホールディングス株式会社 / 医療現場の業務効率化へ—harmo、AI-OCRを実装し、電子カルテ改修不要で紙のお薬手帳の薬剤情報をダイレクト転送可能に
サトシ 持参薬確認の転記作業は地味に時間を食うので、紙のお薬手帳まで拾ってくれるのはありがたいです
ICU患者のカルテからLLMで出血イベントを検出できるか検証したという論文。
- 出血リスクの高いICU患者149人、診療記録3万6490件を対象に、GPT-4o-miniでHEMEスコアに基づく出血イベントの検出を試みた
- 検証済み654件中、手動レビューの検出は66件だったのに対しLLMは647件を検出し、手動が見落としていた588件(90.1%)を拾い上げた
- LLM検出739件のうち85件(11.5%)は偽陽性で、出血部位の正答率は42%、重症度の正答率は65%にとどまった
出典:Transfus Clin Biol / Clinical Utility of LLM-assisted Chart Review for the Detection of Bleeding Events.
サトシ 見落とし防止のスクリーニングとしては強いけど、部位と重症度はまだ人の目が要る、という結果だと思います
心血管イベントの特定で、LLMによるEMR抽出とICDコードなど従来手法の精度を比較したという論文。
- 米国1医療システムの3施設で、免疫チェックポイント阻害薬治療2258例とTAVR施行1426例のカルテを手動判定と照合した
- LLMのAUCは脳卒中0.920、心筋梗塞0.938、複合MACE0.880などICDコードを上回る場面が多く、一部の指標では統計的に有意差があった
- 心不全ではICDコードの方が精度が高い場面もあり、成績はアウトカムとコホートによって変動した
出典:BMJ Open / Diagnostic accuracy of electronic medical record retrieval methods and a large language model for identifying cardiovascular events: a multisite retrospective validation study in a medical system in the United States.
サトシ カルテからのイベント抽出、LLMが常に勝つわけじゃない。心不全ではICDコードの方がまだ強い。用途で使い分ける話だと思う。
クリニック院長の診療・経営・記録の負担を減らす音声入力と自動要約機能の提供を始めたという発表。
- AIプラットフォーム「AI Hippo 医療Loop」に音声入力と自動要約を組み合わせた「音声×要約機能」を追加し、クリニック向けに提供を開始した
- 実証導入施設では看護記録の作成時間が約2時間から30分に短縮したとしている
- 音声入力から診療記録だけでなく申し送りや紹介状の下書き作成まで一体で行う設計で、一部は開発予定の機能だとしている
出典:MedTechGroup株式会社 / 多重業務の限界へ。診療・経営・記録を同時に回すための音声AI
サトシ 2時間が30分になったという数字、実証施設の話なのでそのまま自分のクリニックに当てはまるかは分からないですが気になります。
AIが作成した退院時サマリの記録品質を、担当医が書いたものと比較評価したという論文。
- スペインの大学病院で9診療科の240件のサマリを対象に、10名の総合診療医が13項目のルーブリックで評価した
- AI作成群の総合評価は10点中8.14、医師作成群は7.30でAI群が有意に高かった(p<0.0001)
- アレルギー・不耐症の項目のみ医師作成群が上回り、AIが誤って一般的な記載をする傾向が見られた
出典:Healthcare (Basel) / Expert-Rated Documentary Quality of AI-Assisted Hospital Discharge Reports: A Retrospective Paired Comparison with Physician-Written Reports.
サトシ 品質でAIが医師を上回る結果は率直に驚いた。アレルギー欄だけ人が勝つ構図は妥当な線引きだと思う
メドレーが厚労省の標準仕様に準拠したクラウド型電子カルテ「MALLクラウド」を開発していると発表。
- 病院・有床診療所向け電子カルテ「MALL」のクラウド版として開発し、2027年1月以降の段階的提供を目指すとしている
- パブリッククラウド上での稼働や生成AIによる文書作成支援などを予定し、先行導入のパイロット病院の募集を始めた
- 価格や具体的な移行条件はリリースに記載がなく、詳細は個別の問い合わせ対応としている
出典:株式会社メドレー / メドレー、標準仕様に準拠したクラウドネイティブ電子カルテ「MALLクラウド」をAIネイティブで開発
サトシ 電子カルテのクラウド移行は国の工程表があるから止まらない。大手が先に動く構図は分かりやすい
外来AIスクライブ3製品を実際のEHRログで比べ、製品ごとに時間外業務の増減が分かれたという論文。
- 米国の統合医療システムでプライマリケア医163人を2024年1月から2025年6月まで追跡し、5万9130人日のEHRログを解析した
- EHR統合型を基準にすると、タブレット型は時間外EHR作業が1日0.022時間増え、48時間以内の記録完了は12.0ポイント下がった
- 単独型は時間外作業が1日0.007時間減り、導入前比では0.055時間減(年約30時間)だったが、記録完了は2.8ポイント低下した
出典:JAMIA Open / Comparative effectiveness of ambient documentation tools in primary care tool-specific variations in efficiency, documentation burden, and productivity over time.
サトシ 同じAIスクライブでも製品で結果が逆に振れるので、自分の施設のログで測る前提がいりますね
クリーブランドクリニックが外来医師4000人超へのAIスクライブ導入を4カ月で完了した事例報告。
- ベンダーと医療システムの提携体制を、ガバナンス・研修とオンボーディング・サポート・リアルタイム学習の4本柱で構築した取り組みをまとめた
- この体制により、外来領域の臨床医4000人超へのオンボーディングを4カ月で完了した
- 単一施設の事例報告であり、患者アウトカムや診断精度への影響は今回のデータには含まれていない
出典:Npj Health Syst / Accelerating ambient AI scribe enterprise-scale deployment: Cleveland Clinic's novel approach to health system-industry partnership.
サトシ 現場に定着させる仕組みが4本柱まで言語化されているのは、導入を考える立場としてそのまま使える
看護主導のAIスクライブ導入前後でインシデント報告書の完成度を比較したという論文。
- シンガポールの大学病院で、転倒と与薬関連のインシデント報告書を導入前75件、導入後75件で比較した
- WHO準拠の完成度スコアは導入前11.81点から導入後13.61点に上昇し、補正後の差は1.95点だった(P<0.001)
- AIスクライブの利用は任意で、導入後も対象報告書の約40%にしか使われておらず、利用者の自己選択による差の可能性が残る
出典:JMIR Nurs / Nurse-Led Ambient AI Scribe for Patient Safety Incident Investigation Reports (Project NARRATE): Retrospective Pre-Post Comparative Document-Quality Study.
サトシ インシデント報告書、正直みんな適当に書きがちです。ここが底上げされるなら現場としてはありがたいです
GPT-4oが精神科診療録からうつ病の重症度スコアを推定できるかを検証したという論文。
- 米国の精神科診療録77件を精神科医3人が独立して重症度評価し、その一致度とLLMの推定結果を比較した
- 精神科医同士の一致度がκ0.77〜0.78だったのに対し、GPT-4oのゼロショット推定はκ0.85で人間の一致度を上回った
- オープンソースのLlama-4はκ0.70にとどまり、モデルによって性能差が大きく出た
出典:JMIR Form Res / Measuring Depression Severity With Clinical Global Impression-Severity Scale Scores From Clinical Notes Using Large Language Models: Validation Study.
サトシ 人間同士の一致より機械の方が高いというのは面白い。ただこれは診療録が良く書けている前提の話だと思う
東北大学病院のデータで学習した医療特化LLMで退院サマリー作成を試した報告。
- 看護記録から退院時サマリーを自動生成する実証と、治験の適格基準に基づく複雑な症例抽出の実証を行った
- 生成されたサマリーは看護師作成分と同等の質と評価され、従来の検索では抽出できなかった症例も見つけられた
- 生成AI特有のハルシネーションのリスクも確認され、臨床実装には人によるチェック(human-in-the-loop)が欠かせないとした
出典:Gan To Kagaku Ryoho / [Creation of Patient Summaries from Electronic Medical Records and Integration of Medical Knowledge via Large Language Models-Next-Generation Medical DX and Drug Discovery Support Opened Up by Natural Language Processing].
サトシ 質が同等でも人のチェックは外せないという当たり前の結論が、逆に実装の現実を表している。
病院向けにカルテやX線照射録を撮影して送るだけでレセコン入力や保険請求チェックまで行うAIエージェントを提供開始したという発表。
- 紙カルテや各種書類をスキャンまたは撮影して送信するだけで、既存のレセコンへの入力と保険請求の返戻・加算チェックを行う。
- 初期費用0円、月額固定費0円、契約期間の縛りなしで、患者1人あたりの従量課金か月額定額プランを選べるとしている。
- 既存のカルテ・レセコンをそのまま使う設計で、最終的な入力内容の確認と更新は人が行うとしている。
出典:株式会社クラシテク / 株式会社クラシテク、病院向けAIエージェント「SHISHIビョウイン」を提供開始。初期費用・固定費・契約縛りゼロ。カルテやX線照射録を撮って送るだけでレセコン入力完了。加算・返戻チェックもAIが実行。
サトシ 初期費用も固定費もゼロなら、現場は試しやすい。ただ最終確認は人がやる前提だから、業務が本当に楽になるかは運用次第だと思う。
産婦人科の外来ポイントオブケア超音波の記録をAIで検知し標準テンプレート導入の効果を検証したという論文。
- 2018年から2024年の11施設・55.9万件の診療記録を対象に、機械学習でPOCUS処置の記載を自動識別した。
- BioClinBERTモデルの精度は0.97で、標準テンプレート導入後は算定漏れが10.0%から2.4%に減った(オッズ比0.22)。
- テンプレートの採用率は12か月で75.1%に達し、算定件数自体は0.6%増にとどまり請求漏れの拾い上げが主な効果だった。
出典:J Med Internet Res / Machine Learning to Identify Point-of-Care Ultrasound and Evaluate Standardized Documentation: Retrospective Operational Cohort Study.
サトシ 記録の質を上げると、診療内容を変えなくても取りこぼしていた算定が拾える。地味だけど経営層に刺さる話だと思う。
クラウド電子カルテ「エムスリーデジカル」の累計導入件数が1万件を突破したという発表。
- 2015年の提供開始から10年以上を経て、クラウド電子カルテとして初めて累計導入件数1万件に到達したとしている。
- m3.com調査(2026年3月)によるとクラウド電子カルテの市場シェアで首位としており、低価格とAIによる入力補助を強みに挙げている。
- 新規開業だけでなくオンプレミス型からの切り替え先としても選ばれてきたとしており、具体的な価格や機能拡張の時期は今回の発表に含まれていない。
出典:エムスリーデジカル株式会社 / クラウド電子カルテ「エムスリーデジカル」の累計導入件数が10,000件突破
サトシ 1万件という数字より、10年オンプレミスから切り替えられ続けてきたという継続の方が、この市場では効いてくる。