2026年9月15日(火)の Dose

10本(リリース3・論文7)

リリース 画像診断AI 注目

健診プラットフォーム「スマートドック」が胸部CT画像から筋肉量と脂肪量をAI解析するオプションの提供を始めるという発表。

  • 胸部CT肺ドックのオプションとして、胸筋など5つの筋群の筋肉量と内臓・皮下脂肪量をAIが可視化する
  • 2026年9月15日から予約受付を開始し、価格は7,700円(税込)。胸部CT肺ドックとセットでの申込に限られる
  • 診断や治療を目的とするものではなく、医療機器としての認証も受けていないとリリース内で明記されている

出典:株式会社ユカリア / スマートドック、「からだ健康度AI解析」の提供を開始

サトシサトシ
CTのついでに筋肉と脂肪の内訳まで見られるのは受診者にとって分かりやすい付加価値だと思います
リリース その他 注目

クリニック向けにChatGPT・Gemini・Claudeでの自院の言及状況を毎週自動計測するツールの提供を始めるという発表。

  • 診療科・地域に応じた想定質問を3つの生成AIに毎週投げかけ、自院の言及率や順位、回答の引用元を計測する
  • 2026年9月15日提供開始で、料金は月額5,000円(税別)から。想定質問数に応じて3プランを用意している
  • 効果や集患への影響を検証した実測データはリリース内になく、AI上の見え方を計測するツールだとしている

出典:Medicall株式会社 / クリニック向けLLMO/AIO可視性モニタリングツール「MediSignal(メディシグナル)」を提供開始──ChatGPT・Gemini・Claudeの回答に自院が載っているかを毎週自動計測

サトシサトシ
SEOの次はLLMO対策というのは分かりやすい流れだ。効果測定より前に市場ができ始めているのが面白い
論文 生成AI・LLM 注目

作問を下書き・批評・改稿の役割に分けた複数AIエージェント方式を中国医師国家試験の設問作成で検証したという論文。

  • 単一モデルと、複数エージェント方式が作った設問を専門家が盲検で比較評価した
  • 専門家の選好は複数エージェント方式が57.7%、単一モデルが42.3%だった
  • 対象は中国医師国家試験の設問に限られ、他言語・他試験への一般化は今後の課題としている

出典:NPJ Digit Med / Multi-Agent collaboration as a complementary architecture for AI-generated medical examination items.

サトシサトシ
分業したAI同士の方が精度が上がるのは直感的だけど、57対42はまだ僅差で、再現性の検証はこれからだと僕は思う

多階層オミクスデータを統合した機械学習モデルで臨床的低リスク前立腺癌の急速進行を予測したという論文。

  • TCGA-PRADの498例のコピー数変化やエピゲノム、トランスクリプトームを統合し、LASSO-Coxモデルで解析した
  • ZNF268遺伝子の低発現群は無再発生存と関連し(HR2.79、95%CI 1.36-5.71、p=0.0049)、外部2コホートでも生化学的再発と関連した
  • 解析はTCGAと外部コホートのレトロスペクティブデータに基づき、前向きの検証はまだない

出典:NPJ Digit Med / A novel multiomics machine learning signature identifies rapid progression in clinically low risk prostate cancer.

サトシサトシ
低リスクと言われても進行が速い人がいる、という指摘は臨床の声とも合います。ただ遺伝子解析は日常の外来にはまだ距離がありそうです。
論文 画像診断AI 注目

口腔の自己免疫性水疱症4疾患の鑑別でClaude Opus 4.7とGemini Pro 3の診断精度を多施設で比較したという論文。

  • 臨床病理学的に確定診断された200症例(4疾患各50例)の臨床情報と写真を両モデルに与え、強制4択で鑑別させた
  • 診断精度はClaudeが92.0%、Geminiが86.0%(p=0.012)で、AUCもClaudeが0.998、Geminiが0.965と上回った
  • 両モデルとも線状IgA水疱性皮膚症を粘膜類天疱瘡と誤分類する傾向があり、自律的な診断や臨床実装の根拠にはならないとしている

出典:Diagnostics (Basel) / Diagnostic Accuracy of Multimodal Large Language Models for Four-Class Benchmark of Oral Autoimmune Blistering Diseases: A Multicenter Paired Study.

サトシサトシ
ClaudeがGeminiに勝ったのは僕としては嬉しいけど、この手の比較はモデルの世代交代ですぐ古くなる数字だと思う

ヨルダンの新生児集中治療室で培養確定敗血症を機械学習で予測したという論文。

  • 2018〜2024年に入院した新生児3274例の電子カルテデータで、XGBoost・決定木・ニューラルネットの3モデルを比較した
  • テストセットでXGBoostが正解率94%、感度98%、AUC0.98と最も高く、CRPや血小板数、在胎週数が重要な予測因子だった
  • 単施設のレトロスペクティブ解析で、外部検証や前向き研究は今後の課題としている

出典:JMIR Med Inform / Machine Learning-Based Prediction of Culture-Confirmed Neonatal Sepsis in a Tertiary Neonatal Intensive Care Unit: Retrospective Cohort Study.

サトシサトシ
感度98%は魅力的だけど、単施設データで作ったモデルがそのまま日本のNICUで使えるかは別問題だと思います

在宅の技師とリモート参加する老年医療チームによるハイブリッド訪問モデルを退役軍人施設で評価したという論文。

  • 退院後の高齢者395例(介入群76例、通常ケア群319例)を対象に、傾向スコア重み付けで比較する観察研究を行った
  • 介入群は1年時点の施設入所リスクが通常ケアよりHR0.20(95%CI 0.07-0.53)と低かった一方、ED受診はHR1.28〜1.32と高かった
  • 死亡率や90日時点の入院率には差がなく、施設入所抑制効果の確認には今後の研究が必要としている

出典:J Gen Intern Med / Evaluation of Hybrid-Virtual Home Visits for Comprehensive Geriatric Management: A Quality Improvement Project.

サトシサトシ
施設入所が減った一方でER受診は増えたというのは正直な報告だと思います。良いとこ取りの結果じゃないところが信用できます
論文 画像診断AI 注目

冠動脈血管内OCT画像でプラーク性状を分割するAIモデルを病理標本で検証したという論文。

  • 線維性・脂質性・石灰化プラークの分割精度を、専門家アノテーションだけでなく組織病理学的な基準でも検証した
  • 分割精度のDice係数は線維性0.850、脂質性0.706、石灰化0.865で、異なるモデル設定への転移実験でも汎化性を確認した
  • 評価は画像分割の精度にとどまり、実際の患者アウトカムへの影響は検証されていない

出典:Artif Intell Med / DMNet-E: Enhanced dual-segmentation multi-decoder network strategy for advancing IVOCT plaque segmentation.

サトシサトシ
病理と付き合わせて検証しているのは誠実な作りだと僕は思う。ただ患者の予後改善につながるかはまだ別の話だ

精神疾患患者のカルテ記載を患者視点で感情分析し、退院後死亡との関連を調べたという論文。

  • MIMIC-IVの精神疾患患者6382例、記録16447件について、LLMと辞書ベース手法で患者視点・医師視点・全体の感情を判定した
  • 退院後30〜90日に死亡した患者は、生存者よりも退院指示の感情スコアがより否定的だった(両LLMで有意差あり)
  • 手作業評価との一致はLLMの方が辞書法より良かったが、全体の精度はまだ限定的だとしている

出典:J Med Internet Res / Temporal Analysis of Patient-Centered Sentiment in Clinical Notes for Patients With Mental Health Conditions: Retrospective Cohort Study.

サトシサトシ
退院サマリのトーンが予後と関連するというのは記録業務の新しい使い道だと思います。ただカルテを書く手が止まりそうな話でもあります
リリース ウェアラブル・PHR 注目

高血圧の相談LINE「だぱん」がAIによる能動的な声かけと血圧写真からの記録機能を追加したという発表。

  • ユーザー主導だった対話に加え、友だち追加後の経過や反応に応じてAIが個別に声かけする機能を追加した
  • 血圧の数値や写真を送ると前回記録と比較できる機能を新設し、文字入力なしで記録・振り返りができるようにした
  • だぱん自体は医療機器ではなく、診断や治療の判断には使えない一般情報ツールだとリリース内で明記されている

出典:株式会社CureApp / 高血圧お役立ちLINE「だぱん」が進化。AIが能動的に声かけ、写真を送るだけで血圧の記録・振り返りが可能に

サトシサトシ
治療アプリで薬事承認まで取っている会社の無料ツールというのがCureAppらしい入口の作り方だ