2026年8月23日(日)の Dose

4本(論文4)

救急部14施設・31万件超のカルテでアンビエントAIの導入効果を後ろ向きに検証したという論文。

  • 米国の救急外来14施設、約31万件のカルテのうち8.6%でAI使用。2024年5月〜2025年6月の実運用データを前後比較した
  • 傾聴評価の高評価率は82.0%対76.6%(p=0.003)、コピペ由来の記載は9.4%対18.3%に半減、NASA-TLXは40.2点低下した
  • 自主的な利用でAI使用率は8.6%にとどまり、正味の編集時間には有意差がなかった(p=0.349)

出典:Appl Clin Inform / The Effect of Ambient AI Documentation on Clinician Workload, Efficiency, and Patient Experience in a Multisite Emergency Department Network.

サトシサトシ
使用率8.6%というのが現実的な数字だと思います。TLXは下がっても編集時間は変わらないところが実感に近いです。
論文 生成AI・LLM 注目

歯科治療計画をChatGPT-5・Copilot・Gemini・OpenEvidenceの4種で比較したという論文。

  • 10症例の口腔内写真と根尖X線を4つのAIに提示し、専門医4名のコンセンサスを基準に5項目で採点した
  • 総合スコアはOpenEvidence7.7点、ChatGPT-5が7.6点、Geminiが5.1点、Copilotが4.7点で、評価者間の一致はκ=0.74だった
  • Copilotはコンテンツフィルターで10症例中3例が生成不能となり、全システムで臨床的に重要な診断誤りも見られた

出典:J Prosthodont / Multidisciplinary dental treatment planning by artificial intelligence: A comparative evaluation.

サトシサトシ
医療特化のOpenEvidenceが上に来るのは順当。Copilotだけ症例を落としているのは実装の甘さが出てる。

CTを使わずに心筋SPECTの減弱補正を行う拡散モデルDiffCASを提案したという論文。

  • CT併用SPECTの424例分のデータを用い、非減弱補正画像から補正画像を生成する物理拘束付き拡散モデルを構築した
  • 画素レベルの評価指標と心筋領域に特化した臨床指標の両方で、既存の画像生成手法を上回る精度を示した
  • 評価は保有データセットでの技術的な精度検証にとどまり、前向きの臨床評価は行われていない

出典:Artif Intell Med / DiffCAS: Inference-time CT-free diffusion model for physics-aware multi-slice attenuation correction in cardiac SPECT.

サトシサトシ
CTが要らなくなる方向は普及の後押しになりそうですが、まだ院内データでの検証段階だと思います。

13種のLLMを比較して妊娠合併症の知識ベースPregBaseを構築したという論文。

  • 文献8420報を対象に13種のLLMと7種のプロンプト戦略を比較し、最良の手法で関係性を抽出して知識グラフを構築した
  • 13,303件のエンティティと64,087件の関連からなる知識グラフを構築し、早産・妊娠糖尿病・子癇前症の新規バイオマーカー候補を提示した
  • 検証は既知の臨床知見を再現できるかというリンク予測にとどまり、実際の患者データでの前向き検証は行われていない

出典:Artif Intell Med / PregBase: A comprehensive knowledge base for clinically relevant knowledge representation and biomarker prediction in pregnancy.

サトシサトシ
LLMでの知識抽出を土台にする発想は今っぽい。ただ知識ベースの精度が抽出元LLMの精度にそのまま引っ張られる点は注意が必要。