医療の質・安全

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リリース 医療の質・安全 注目 2026-09-18

Dr.JOYが紹介・救急電話の受入判断を自動記録・可視化する「受入コールAI」を9月18日から提供開始するという発表。

  • 紹介電話・救急隊連絡・夜間救急問い合わせの3窓口を対象に通話を自動文字起こしし受入可否を判定する
  • AI電話事業の導入実績213施設(2026年9月1日時点)を基盤に9月18日から新サービスの提供を始める
  • 300床規模を想定した独自試算では受入困難による機会損失は年間最大3.6億円としており、金額は自社試算である

出典:Dr.JOY株式会社 / “見えない断り”を可視化し、病院経営の課題を特定 Dr.JOY、紹介・救急電話の受入判断をAIで自動記録する「受入コールAI」を9月18日より提供開始

サトシサトシ
見えないコストを可視化して経営会議に乗せる発想がいい。ただ3.6億円は自社試算なので割り引いて見る必要がある

膝関節X線写真の画質を自動評価するAIモデルを開発し、2施設での検証と技師へのフィードバック運用を試みたという論文。

  • 2施設の患者800人分、膝X線1,600枚を用いてAIによる解剖学的セグメンテーションと画質評価指標を開発した
  • 画質評価の感度は91.67〜98.36%、特異度は89.13〜99.10%で、外部施設でも同水準の性能を維持した
  • 6人の放射線技師に4週間AIフィードバックを行い感度の向上傾向がみられたが、探索的な結果にとどまる

出典:J Imaging Inform Med / U-Net-Based Automated Quality Control of Knee Radiographs: Dual-Center Validation and Clinical Intervention.

サトシサトシ
画質チェックという地味な業務にAIを使う発想は好きです。技師さんへのフィードバックまで検証しているのも現実的だと思いました。

三次医療機関の薬剤部門における注射剤調製業務のスマート化・DX化が、作業時間と誤差率に与えた影響を前後比較したという論文。

  • 三次医療機関の薬剤部門で、注射剤調製のスマート化・DX化前後それぞれ3カ月間の業務効率・人員配置・誤差率を比較した
  • ラベル貼付1件あたりの所要時間は6.19秒から3.08秒に、同量の払い出しに要する時間は103.12分から69.81分に短縮した
  • ラベル貼付の誤差率は0.072%から0.0084%に低下し、病棟が20増えても払い出し担当の増員は不要だった

出典:Front Pharmacol / Impact of smart and digital transformation on pharmacy intravenous admixture services in a tertiary-grade A hospital.

サトシサトシ
薬剤部門の話ですが、誤差率が1桁下がっているのは見逃せません。記録や調製の自動化は診療科を超えて効いてくる領域だと思います。
リリース 医療の質・安全 注目 2026-09-05

広島県の救急搬送支援システム「NSER mobile」の実証データを分析した研究論文が掲載されたという発表。

  • 2023年10月〜2024年12月に広島県内で運用されたNSER mobileのデータから、救急搬送147,213件を記述的に解析した
  • 対象地域の搬送151,303件中97%でアプリが使用され、最初に要請した病院への受け入れ率は66%、交渉時間の中央値は5.2分だった
  • 東広島市を除く県内地域を対象とした記述的観察研究であり、受け入れ可否や搬送時間そのものへの効果検証ではない

出典:TXP Medical / 広島県における救急医療DXシステム「NSER mobile」の実証実験データを活用した研究論文が、国際的な英文学術ジャーナルに掲載

サトシサトシ
県単位でここまで使われている実装データは貴重で、次は搬送時間そのものへの効果を見たい。

AIによる内視鏡の質フィードバックが医師の腺腫発見率を高めたとするデンマークの多施設RCTという論文。

  • デンマークの3大学病院で便潜血陽性の50〜74歳患者を対象に、内視鏡医への質フィードバックの効果を段階的クラスター無作為化比較試験で検証した
  • 介入期間は対照期間に比べ腺腫発見率48.6%対43.4%(オッズ比1.24、p=0.032)、腺癌発見率8.9%対6.5%(p=0.027)と有意に上昇した
  • 腺腫個数自体には有意差がなく(IRR1.15、p=0.069)、大腸がん死亡減少への効果検証は今後の課題とされている

出典:Lancet Digit Health / Effect of a computer-aided quality feedback system on colonoscopists' adenoma detection rate in Denmark: a multicentre, stepped-wedge, cluster-randomised, controlled trial.

サトシサトシ
内視鏡の質を機械的にフィードバックする発想は面白いです。ADRは指導医でもばらつくので、数値で示されると納得感があります。

小児血液腫瘍科でルールベースのデジタル管理基盤AMITを導入し、臨床アウトカムへの影響を検証したという論文。

  • 2022年に開発し2023年第4四半期に小児腫瘍デイケア病棟へ導入、5つの院内ITシステムを統合して安全性と診療動線を評価した
  • 導入後、緊急PICU紹介は78%減少、3時間以内の抗菌薬投与は47%改善、電解質・輸血の待ち時間は104分から44分に短縮した
  • 61件の安全事象(うち生命に関わりうる事例2件)を検出した一方、対照群を置かない単施設の前後比較にとどまる

出典:J Pediatr Hematol Oncol / Implementation of a Digital Clinical Management Platform in a Tertiary Pediatric Hemato-Oncology Center: Impact on Clinical Outcomes and Patient Safety.

サトシサトシ
点数だけじゃなく安全事象を61件拾えたのが大きい。前後比較なのは気になるけど、現場感覚だと納得できる数字です

AI骨折検出ツール導入前後で救急外来の滞在時間を比較したという論文。

  • 整形外科救急の骨折除外8253件・骨折確定6864件を対象に、AI検出ツール導入前後で救急外来の滞在時間を比較する前後比較コホート研究を実施した
  • 骨折除外群の平均滞在時間は135.6分から127.5分に短縮(群間差-7.99分、p=0.004)し、骨折確定群では有意な変化はなかった
  • 滞在時間短縮は上位層に集中し(90パーセンタイルで-24.0分)、観察研究のため因果関係は示せないとしている

出典:Int J Med Inform / AI-assisted radiographic fracture detection and length of stay in the adult ambulatory orthopedic emergency department: a before-after cohort study with a disease-specific internal control.

サトシサトシ
救急のスループットに実際に効いた例です。骨折除外例だけ短縮というのも納得感があります。

中国の放射線レポート1363件でLLMの誤り検出精度を放射線科医と比較したという論文。

  • 2023〜2024年の実診療で生じた誤りを含む中国語放射線レポート1363件を対象に、8種のLLMと8人の読み手の誤り検出を比較した
  • 最高性能のDeepSeek-R1はテストセットで検出率89%を記録し、上級放射線科医の78%を上回り、外部検証セットでは94%に達した
  • 対象は単施設の中国語レポートが中心で、外部検証は200件の英語レポートのみと限られる

出典:J Med Internet Res / Error Detection and Correction in Chinese Radiology Reports Using Large Language Models: Real-World Clinical Validation Study.

サトシサトシ
レポートのダブルチェックにこの精度なら現実的。ただ中国語での結果で、日本語でどこまで再現するかは別問題。

心不全患者への訪問型医療(MIH)介入について、RCTに埋め込む形で実装の成否を調べたという論文。

  • 米国2病院の心不全患者1005人を対象にしたMIGHTy-Heart試験に埋め込み、患者20人・関係者25人に半構造化面接を実施
  • 30日再入院率とKCCQスコアはMIH群と対照群で有意差がつかなかった(平均差1.83、95%CI -0.75〜4.40、P=.16)
  • 有効性は示せなかった一方、施設側の受け入れは良好で、償還制度や規制の未整備が普及の壁として挙げられた

出典:JAMA Netw Open / Mobile Integrated Health and Post-Hospital Discharge Heart Failure Care.

サトシサトシ
有意差が出なかった結果を隠さずRCTに埋め込んで検証したのは誠実。効かなかった理由まで見るのが本質だと思う。

ICU死亡予測AIを導入した場合の費用対効果を、韓国のマルコフモデルで試算したという論文。

  • 韓国の一般人口を対象にした生涯マルコフモデルで、ICU入室時にAI死亡リスク予測を導入した場合の費用対効果を推計した
  • ICERはQALYあたり837万ウォン(約6200ドル)で、韓国の許容閾値4000万ウォンを下回った
  • 実患者でAIが死亡率を下げたことを示すデータではなく、決定分析モデル上の推計である

出典:J Med Internet Res / Value of AI in Critical Care Using Real-World Evidence on Intensive Care Unit Mortality Prediction: Cost-Utility Analysis.

サトシサトシ
臨床効果ではなく決定分析モデルの数字だと明記されている点は誠実。投資判断には元データの質が要る。

肺がん検診の受診率を上げる2種類の介入をRCTで比較したという論文。

  • 米国の医療システムで肺がん検診を受けた1837人を4群に割り付け、患者向け啓発とオーダー保留型のリマインダーの効果を比較した
  • リマインダー介入群は受診率が47.4%から75.5%に上がった一方、啓発介入群はかえって63.3%から59.2%に下がった(P=0.04)
  • 啓発介入が受診率を下げた理由は本論文だけでは分からず、追加の検討が必要な結果として報告されている

出典:JAMA Intern Med / Health Communication and Stepped Reminders Interventions for Lung Cancer Screening: A Randomized Clinical Trial.

サトシサトシ
良かれと思って作った啓発資材が受診率を下げる。この手の逆効果こそ、うまくいった話より学びが多い

受診直前に届く自動案内が事前指示書の作成につながるかを検証したという論文。

  • 3つの医療システム50施設のプライマリケア患者5810人を対象に、受診7〜21日前に届く自動案内の有無で比較した
  • 受診前案内を受けた群は24カ月後の事前指示書作成率が16.7%となり、受けなかった群の9.8%を上回った(補正差6.5ポイント)
  • ACPに関する話し合いの記録も40.2%対27.5%で受診前案内群の方が多く残っていた

出典:JAMA Netw Open / Timing Prompts for Advance Care Planning Discussions and Advance Directive Completion.

サトシサトシ
タイミングだけでこんなに変わるんですね。受診の直前に案内が届くという設計、産業医面談にも応用できそうです

中国の公立三次病院の外来通院者419人を対象に、AI対話エージェント利用と医師患者間コミュニケーション品質の関連を検討したという論文。

  • 外来通院患者419人をAI対話エージェント利用の有無で傾向スコアマッチングし、中国語版CARE尺度で医師患者間コミュニケーション品質を比較した
  • 利用群はコミュニケーション品質の総合スコアが有意に高く(ATT=2.987、P=0.003)、8項目全てで有意差があった
  • 横断的な観察研究であり、利用されたAI対話エージェントの種類や導入場面の詳細までは明らかにされていない

出典:Digit Health / Association between AI-driven conversational agents and physician-patient interaction quality during outpatient consultations: A propensity score matching study in China.

サトシサトシ
AIが会話に入ると患者満足度が上がるのは意外でした。医師の代わりではなく、外来の「聞く時間」を増やす道具として捉えたいです。