2026年10月27日(火)のおすすめトピック

7本(論文1・リリース2・ニュース4)

論文 生成AI・LLM 注目

受診前に検査所見をAIで平易な要約にして患者へ渡すと、外来の診察や対話がどう変わるかを調べたNEJM AIのランダム化試験という論文。

  • ドイツの脳神経外科外来1施設で成人300人を1:1に割り付け、品質確認済みのAI要約を受診前に渡す群と通常診療群を比べた
  • 患者評価の医師患者関係スコアは4.42対4.25(P=0.005)。診察時間の中央値は25分対33分で、相対的に約21%短かった
  • 医師が自己評価した自律性支援はわずかに低下した。副次評価項目は多重比較の補正をしておらず、臨床転帰への影響は未検証

出典:★NEJM AI / Effect of Previsit AI-Generated Document Summaries on Consultation Time and Patient-Physician Communication - The AI-INFOCARE Randomized Controlled Trial.

サトシサトシ
要約を読んで来た患者さんとは、最初の説明を飛ばして相談から始められるのだと思います。8分の差は外来では大きいです

京都大学医学部附属病院と検証した文書作成AI「CocktailAI」の試験論文がPLOS Digital Healthに載ったという、フィッティングクラウドの発表。

  • 京大病院眼科の医師21人(完了17人)が模擬カルテ6症例で退院要約と紹介状を作り、AI草案を修正する群と手作業群、AI単独を比べた
  • 品質は大部分の項目でAI草案を修正する群が手作業を上回った。退院要約の作成時間は平均59.4秒短かったが、主解析で有意差はなかった
  • 紹介状は修正に時間がかかる傾向があった。AI単独は最も速かったが、品質は最低で基準を満たさなかったとしている

出典:ファインデックス / 生成AIを活用した医療文書向け文章生成ソリューション「CocktailAI」の有用性評価論文が、国際学術誌「PLOS Digital Health」に掲載されました

サトシサトシ
AI単独が最低評価という結果を自社のリリースで隠さず出しているのは好感が持てます。現場の確認の手間込みで評価した数字ですね
リリース 生成AI・LLM

MediCEが、診療報酬や施設基準の疑問にAIが答えるクリニック向けサービス「診療報酬サポートAI細谷くん」を10月30日に提供開始するという発表。

  • 対象は医科クリニック。普段の言葉での質問に加え、点数表・留意事項・疑義解釈の検索、院内ナレッジ、対応事項と期限の管理を備える
  • 提供開始は2026年10月30日。同日の第30回日本医業経営コンサルタント学会東京大会で初公開する。価格はリリースに記載がない
  • 診療報酬の支援に長く携わる細谷邦夫氏が開発に参画。同氏は最終判断は点数表や通知、疑義解釈の確認が必要だとしている

出典:株式会社MediCE / 株式会社MediCE、診療報酬の確認から院内対応まで支援する   「診療報酬サポートAI細谷くん」を10月30日より提供開始

サトシサトシ
算定の疑問を聞いて終わりにせず、届出や設定変更の担当と期限まで管理する作りが実務的です。薬局版も欲しくなります
ニュース 医療の質・安全

MICINのオンライン診療サービスに不正ログインがあり、最大87人分の患者情報が閲覧されたことについて、朝日新聞が報じました。

  • MICINが10月27日に発表した。名前、メールアドレス、電話番号、受診状況など最大87人分が第三者に閲覧されたという
  • 閲覧された可能性がある情報には医師によるメモも含まれる。本人確認書類やクレジットカードの情報は含まれていないとしている

出典:朝日新聞 / オンライン診療サービスに不正アクセス 最大87人分の患者情報閲覧

サトシサトシ
受診状況や医師のメモは、件数が少なくても重い情報です。オンライン診療は患者側のログインも守る範囲に入るのだと改めて感じます

JBCCが横浜市医師会と共同開発した災害時医療情報共有システム「YMIS」の稼働について、日本経済新聞がJBCCの発表を掲載しました。

  • 医療機関の診療可否と被災状況、会員医師の安否、救護に協力できる人員を一元管理し、ダッシュボードと地図で可視化するクラウドサービス
  • 2026年9月4日に稼働した。JBCCはパッケージ化して11月下旬から全国の医師会向けに提供し、約1.5カ月で導入できるとしている
  • 横浜市医師会が能登半島地震のJMAT派遣で得た経験をもとに、kintoneやGoogleマップなど複数のクラウドサービスで構築した

出典:日本経済新聞 / JBCC、横浜市医師会と共同で横浜市災害時医療情報共有システム「YMIS」を開発し稼働開始

サトシサトシ
災害時の薬局の開局状況も、こういう地図で共有できると助かります。kintoneで組んで1.5カ月という手軽さは他の地域も検討しやすそうです

米保健福祉省(HHS)が電子カルテなどのヘルスIT認証要件を緩める規則「HTI-5」を確定したことについて、Fierce Healthcareが報じました。

  • 最終規則では認証基準60項目のうち14項目を削除し、7項目を改訂した。2025年12月の案では34項目の削除を提案していた
  • ONCは規制コストを15億ドル超削減できると見込む。AIによる健康データの取得・共有を認めるインフォメーション・ブロッキングの改正案は結論を先送りした

出典:Fierce Healthcare / HHS finalizes rule to ease health IT certification requirements but punts info blocking proposals

サトシサトシ
認証項目を削るのは開発側の負担軽減ですが、STATはセキュリティ要件の緩和として報じています。同じ規則でも見る側で評価が割れますね
ニュース 生成AI・LLM

米UnitedHealthcareが加入者向けの生成AIアシスタント「Avery」の対象を2100万人に広げたことについて、Fierce Healthcareが報じました。

  • Averyは控除額や自己負担上限、提供者ネットワーク、価格、請求処理などを案内する。導入当初の対象は雇用主プランの約650万人とMedicare Advantageの16万人だった
  • 同社によると、これまでの問い合わせの90%をAveryが解決し、残る10%は人の担当者へ引き継いだ
  • 加入者に代わって医療機関に電話し、予約を取る機能も開発中だという

出典:Fierce Healthcare / UnitedHealthcare expands AI companion Avery to 21M members

サトシサトシ
保険者側のAIが予約まで代行し始めると、医療機関の電話の相手がAIになる日も近そうです。受ける側の準備も気になります