市販のアンビエントリスニング3製品を、オランダ語の模擬外来で同伴者・割り込み・方言を含めて比べた論文。
- 2診療科の台本付き診察10場面の音声を3製品に処理させ、生成されたカルテ4区分を臨床医8人が完全性・正確性・簡潔性の5段階で採点した
- 製品別の平均点は3.82〜4.26で、評価者間一致はGwet AC-2=0.827。方言を含む場面の平均は3.77で最も低かった
- シミュレーション音声での評価で、実臨床での効率化は検証していない。方言で点が下がる傾向は製品や診療科によって一様ではなかった
出典:JMIR Med Inform / Three Ambient Listening Systems in Simulated Dutch-Language Multispeaker and Multidialect Clinical Encounters: Comparative Study.
サトシ 日本でも方言の強い地域の外来は多いので、同じ検証を日本語でやってほしくなります。正確性より完全性が低いというのは、聞き漏らしの方が多いということですね。
Incerto合同会社が、患者情報を院外に出さずに生成AIを使う「院内ローカルAI基盤」の提供を始めたという発表。
- 院内に専用ハードウェアを設置してローカルLLMを動かし、導入前のセキュリティ点検から導入後の更新・保守までを同社が担う
- 音声カルテAI、算定AIチャット、医療文書の作成支援、医療情報の検索チャットの4つのソフトウェアは無料で提供する。導入は約4〜6か月が目安
- ハードウェア購入と導入・構築・保守の費用は規模や用途に応じた個別見積もり。対象は中小病院、診療所、医療法人グループなど
出典:Incerto合同会社 / 医療機関の機密情報を守りながら生成AIを活用する。Incerto、医療機関のセキュリティ強化とAI導入を一体で進める「院内ローカルAI基盤」を提供開始
サトシ ソフトは無料でもハードと保守は個別見積もりなので、総額がいくらになるかで判断が分かれそうです。算定AIチャットは医事課の人に感想を聞いてみたいです。
富士通Japanが厚生労働省の標準仕様に対応したクラウドネイティブ型電子カルテを2027年4月から提供する予定について、Dellows Newsが報じました。
- 富士通Japanは診療所・中小病院向け電子カルテの標準仕様認証制度の要綱公表を受け、開発中のシステムを同仕様に対応させる作業に2026年10月16日に着手した
- 中小規模病院向けは2027年4月の提供開始を予定し、電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスとの連携も計画している
- 大規模病院向けのクラウドネイティブ型は2028年度中の提供を目指すとしている。記事は富士通Japanの発表をもとに作成されている
出典:Dellows News / 富士通Japanが標準仕様対応の電子カルテを開発へ 2027年4月提供開始予定
サトシ 電子カルテ情報共有サービスに対応すると、薬局側で見える情報も変わってきます。中小病院の入れ替え時期と2027年4月がどう重なるかが気になります。
米国医師会(AMA)が臨床機能を担うエージェント型AIのためのガバナンス枠組みを公表したことについて、Fierce Healthcareが報じました。
- 枠組みはAMAのCenter for Digital Health and AIが作成し、臨床上の権限は「エビデンスで獲得し、実績で維持すべき」との考え方を軸にしている
- AIの臨床上の役割の定義、性能と安全策の検証、権限の上限設定、利用に伴う責任の所在の4点に取り組むとしている
- AMAはこれをもとに賠償責任、免許、規制のあり方について医師、開発企業、政策立案者と協議する方針
出典:Fierce Healthcare / American Medical Association rolls out governance framework for agentic AI solutions
サトシ 権限を実績で段階的に広げるという考え方は、新人薬剤師に任せる業務を増やしていく流れと似ています。日本の医師会や学会がどう応じるかも見ていきたいです。
政府がゲノム・医療・金融の機微情報を第三者に提供する際に国の事前審査を導入する方向で検討していることについて、読売新聞が報じました。
- 政府は10月16日の経済安全保障法制に関する有識者会議で、機微情報を大量に扱うゲノム・医療・金融の事業者に国の事前審査を導入する案を示した
- 審査の対象はデータの処理・保存を行う情報システムの契約や、血液など生体試料・情報の提供。来年の通常国会に経済安保推進法改正案の提出を目指す
- 有識者会議は年内にも提言をまとめる予定で、政府はAI開発などデータ利活用との両立を図るとしている
出典:読売新聞 / 安全保障上重要なゲノム・医療・金融の3分野対象、重要情報の流出防ぐ「データセキュリティー」強化へ
サトシ 情報システムの契約まで審査対象になると、クラウド型の電子カルテやAIサービスを選ぶ際の確認項目が増えそうです。二次利用の議論とどう整合させるのか気になります。
パスイメージングが秋田大学医学部付属病院の協力で病理標本の作製工程を一部自動化する装置を開発したことについて、読売新聞が報じました。
- 装置「Path One」は、組織の薄切から水に浮かべてしわを取り、スライドガラスに載せるまでの工程を自動化する
- 同院の昨年の病理検査は約8700件で2003年の約4000件の約2倍。装置の処理時間は熟練技師とほぼ同じ約1分という
- 年内に研究用途での販売、来年春ごろに医療機器としての販売を目指すと報じられている
出典:読売新聞 / 秋田:病理標本加工自動化へ 秋大病院が協力 技師の負担軽減期待 :地域ニュース
サトシ 病理の検体数が20年で倍になっているのは知りませんでした。臨床検査技師の手作業がどこまで機械に置き換わるか、価格が出たらもう一度見てみたいです。