2026年10月16日(金)のおすすめトピック

7本(論文1・ニュース4・リリース2)

米国の臨床医約95万人がAI臨床情報プラットフォームOpenEvidenceをどう使ったかを、2.5年分の利用記録から分析した論文。

  • 2024年1月〜2026年6月のNPI認証済み臨床医アカウントを対象にした横断研究。3,880万件の質問を層別抽出し、LLMで目的と領域を分類した
  • 95万2,008人が2.71億件を質問した。質問の51.9%が臨床判断に関するもので、治療・管理が33.1%、診断は13.9%だった
  • 利用比は卒後10年以内の医師で2.54と高く、眼科0.23、放射線科0.24と低かった。専門外の質問は腫瘍内科35%、救急88%だった

出典:JAMA / Clinician Use of an Artificial Intelligence-Enabled Clinical Information Platform.

サトシサトシ
治療・管理の質問が3分の1という数字が気になります。用量や相互作用の確認がどこまでAIに流れているのか、薬剤師として知りたいところです。

米ARPA-Hが心不全患者を支える臨床AIエージェントのFDA承認を目指す「ADVOCATE」の契約先を決めたことについて、JST研究開発戦略センターが報じました。

  • 4年間で総額6,270万ドルのプログラムで、初年度は最大3,370万ドルを投じる。ARPA-Hの発表は2026年9月9日
  • 患者向けAIエージェントはAtman Health、Tempus AI、Updocが開発し、監督AIはスタンフォード大学が担う。Kaiser Permanenteが21の医療センターで導入を進める
  • 成功すれば心不全だけで年間推定280億ドルの費用削減になるとARPA-Hは見込む。期間中からFDAと規制の枠組みを作る

出典:科学技術振興機構(JST) / ARPA-H、FDA承認を目指す血管診療向け臨床AIの開発に着手|海外記事検索|研究開発戦略センター(CRDS)

サトシサトシ
AIを監督するAIまで最初から予算に入っているのが印象的です。承認と診療報酬の道筋を同時に作る設計は、日本でも参考になりそうです。

iPresenceが日本製の卓上型テレプレゼンスロボット「kubi 2.0」を2026年10月15日に発売したという発表。

  • iPadを装着し、遠隔側から首振りを操作する機器。ICUの家族面会、自宅からのオンライン診療、病院からの授業参加などでの活用を想定している
  • 価格は16万5,000円(税込)で初回生産は300台。左右300°・上下55°に動き、コードレスで約4時間使えるとしている
  • AIが来訪者に応対するエージェント機能は、発売時点ではベータ版での提供。iPadは付属しない

出典:iPresence株式会社 / 離れた人の「分身」に、AIの「身体」に。日本製卓上型AIテレプレゼンスロボット「kubi 2.0」10月15日発売、初期ロット300台限定

サトシサトシ
ICUの面会でiPadの向きを変える役は、結局スタッフに回ってきます。遠隔側で見る方向を選べるのは、地味ですが現場の手間を減らしそうです。
リリース その他

エミウムが歯科技工の業務クラウド「エミウム クラウド技工」のスマートフォンアプリを提供開始したという発表。

  • 歯科技工所と歯科医院の受発注をつなぐクラウドのスマホ版。注文ごとのチャット、QRコードでの注文検索、カンバン形式の進捗確認を備える
  • iOS版は2026年9月16日、Android版は10月6日に提供を開始。アプリの利用に追加費用はかからず、既存のIDで使える
  • 歯科医院側は納品ラベルのQRコードを読むだけで到着済みに登録でき、ラボ側にリアルタイムで共有されるとしている

出典:エミウム / 歯科技工基幹業務クラウド「エミウム クラウド技工」、スマートフォンアプリ(iOS/Android)を提供開始

サトシサトシ
PCに戻らないと確認できない悩みは、薬局の発注でも同じです。届いたその場で受領登録できるのは、検品漏れ対策として分かりやすいです。
ニュース その他

大阪市の吉村内科クリニックがAI電話対応サービス「AI電話対応さくらさん」を本稼働させたことについて、医療テックニュースが報じました。

  • ティファナ・ドットコムの発表。2026年9月16日に本稼働し、診療時間内外の電話をAIが一次受電して内容をテキスト化する
  • 当日受診・緊急、定期薬、予約、オンライン診療、定型の問い合わせの5種類に振り分ける。緊急はスタッフへ転送し、予約は予約サイトのURLをSMSで送る
  • 導入の理由は、朝の診療開始時間帯に当日受診や定期薬の電話が集中し、応対に追われていたことだという

出典:医療テックニュース / 吉村内科クリニック、ティファナのAI電話対応「さくらさん」導入 電話を自動振り分け

サトシサトシ
定期薬の電話に「予約不要・直接来院」と返す設計は、門前薬局の朝の混み方にも響きそうです。朝の電話集中は薬局でも同じ悩みです。

日本でオンライン診療の利用経験は増えたものの、年齢による差はむしろ広がったという研究について、筑波大学のTSUKUBA JOURNALが報じました。

  • 全国規模のインターネット調査に2020年と2024年の両方で回答した18〜75歳の1万818人を、4年間追跡した
  • オンライン診療の利用経験は2.6%から7.0%に増えた。若い人で大きく伸び、高齢者では伸びが小さく、年齢による差は広がった
  • 学歴・所得・都市と地方による利用の差も、4年間で縮まった様子は確認されなかったとしている

出典:筑波大学 / オンライン診療は広がるも、年齢や社会的背景による利用格差は縮小せず | 医療・健康 - TSUKUBA JOURNAL

サトシサトシ
オンライン服薬指導でも、使うのは若い世代ばかりという実感があります。普及率だけを見ていると、この差は見落としそうです。
ニュース 医療の質・安全

仙台市の医療機器商社・丸木医科器械がサイバー攻撃で受注と出荷を止めたことについて、合同会社ロケットボーイズのサイトが報じました。

  • 2026年10月15日10時ごろにサーバーが攻撃を受け、発注・仕入・入出庫を管理する基幹システムが全面停止した
  • 通常の注文受付と出荷を一時停止し、復旧まで各拠点のFAXで注文を受け付ける。SPD契約施設には担当営業が個別に連絡するとしている
  • 公表時点で、復旧時期、侵入経路、情報漏えいの有無は示されていない

出典:合同会社ロケットボーイズ / 丸木医科器械にサイバー攻撃、医療機器の受注・出荷を停止―基幹システム全面ダウン、FAXで代替受付

サトシサトシ
病院のシステムが無事でも、卸が止まれば診療材料は届きません。医薬品の卸でも起こりうる話なので、FAXの手順は捨てられません。