2026年10月31日(土)のおすすめトピック

4本(論文2・リリース2)

EpicのAI返信下書きツールが、患者ポータルへの返信時間と時間外の返信にどう関わったかを調べた論文。

  • コロンビア大学アービング医療センターで、医師ら1542人の初回返信98万3154件を後ろ向きに解析した
  • ツール導入で全体の返信時間は8.6%延びた一方、ツールを使った返信では29.5%短縮した(いずれもP<.001)
  • 時間外の返信は全体では減らなかった(P=.46)。勤務時間外に届いたメッセージではむしろ4.52ポイント増えた

出典:JAMA Netw Open / AI-Generated Draft Response Tool, Message Turnaround Time, and After-Hours Replies Among Health Care Professionals.

サトシサトシ
下書きがあると返信のハードルが下がって、夜に届いた分まで返してしまう。負担が減るどころか形を変えるだけ、という結果は現場感に近いです。
リリース 電子カルテ・記録業務 注目

熊本中央病院(361床)で、記録・書類作成のAI基盤「Sail AI」の利用が職員229名・月間約6,300回に広がったとispecが発表。

  • 看護記録の音声入力から始め、現場が自作した「AI業務」が10部署・300件超で使われている
  • 2026年9月の実行回数は約6,300回で、3月から半年で約9倍。1人あたり月に約27回
  • 時間外労働は病棟(60床)で約70%減、地域医療連携室で約30%減とする。病院提供データに基づく企業側の発表

出典:株式会社ispec / 病院AXプラットフォーム「Sail AI」、熊本中央病院で月間約6,300回活用。実際に使われるAI業務は300件超に

サトシサトシ
薬剤科でも使われているそうで、マイナ薬剤情報の転記を医師事務が任せている例が気になりました。現場が自分で業務を作れる設計が効いているんですね。

電子カルテのデータで治験の候補患者を探すシステムが、実際の登録数を増やしたかをドイツの6大学病院で調べた論文。

  • MIRACUMコンソーシアムの29試験・814観察週で、導入前後を分割時系列解析で比べた
  • 統合解析では、導入直後の登録数の変化も導入後の傾きの変化も統計的に有意ではなかった
  • 効果は試験と診療科で大きくばらついた。適格基準のロジックは診断・年齢・受診歴が中心で、検査値はほとんど使えなかった

出典:★NPJ Digit Med / Platform evaluation and lessons learned with IT-supported patient recruitment.

サトシサトシ
スイッチを入れれば患者が集まる、とはいかないんですね。検査値が構造化されていないと条件が組めないのは、日本の病院でも同じ壁だと思います。
リリース 画像診断AI

保険医療機関間連携の遠隔画像診断支援にAIを組み込むため、ViewSend ICTが株式投資型クラウドファンディングを始めるという発表。

  • FUNDINNOで2026年11月4日〜17日に募集し、目標募集額は504万円
  • PACS導入300施設超、症例実績70万件強、事業継続14年と同社は説明している
  • 所見生成支援や請求・集計の自動化を進める計画で、AI機能の提供時期や性能は示されていない

出典:ViewSend ICT株式会社 / 自動生成AI技術を実装した「次世代遠隔画像診断」が、中小医療機関の経営と患者サービスを同時に実現させる。AI開発を加速する株式投資型クラウドファンディングを11月4日よりFUNDINNOで開始

サトシサトシ
遠隔画像診断管理加算が取れる連携型という点が、読影会社との直接契約との違いなんですね。目標額は控えめで、まずは小さく始める印象です。