2026年10月14日(水)のおすすめトピック

8本(ニュース6・論文2)

ニュース 規制・実装・医療政策 注目

電子処方箋の導入補助について、医療機関の導入期限が2027年3月末まで延びたと日本医事新報が報じました。

  • 厚労省は2026年9月30日までとしていた医療機関の導入期限を2027年3月31日まで延長した。申請期限は2027年9月30日の予定
  • 補助上限は診療所27.1万円、病院135.3万円、大規模病院200.7万円。院内処方機能も同時導入する場合は上限が上がる
  • 薬局の導入期限は2026年9月で終了とした。厚労省は認証クラウド型電子カルテの導入支援などを2027年度に検討している

出典:日本医事新報社 / ■NEWS 電子処方箋の導入補助、医療機関の導入期限を「2027年3月」まで延長

サトシサトシ
医療機関は延長、薬局は終了と分かれたのが目を引きます。電子カルテ側の支援策とセットで更新時期を考える病院が増えそうです。

介護施設の入居者にスマートウォッチを着けてもらい、痛みと脱水を機械学習で検出できるかを確かめた前向き観察研究という論文。

  • ウィーンの介護施設3か所で24人を登録し、13人が完遂。120分単位の1,414区間を、患者単位の交差検証で評価した
  • 痛みの検出は患者ごとの平均AUC 0.557と弱い信号にとどまった。脱水は平均AUC 0.513で偶然と同程度だった
  • 連続装着の運用自体は可能だった。区間をランダムに分ける評価は楽観的になりやすいとして、患者単位で評価している

出典:Front Digit Health / Patient-level evaluation of smartwatch-based pain and dehydration detection in nursing home residents: a prospective observational study.

サトシサトシ
評価方法を厳しくしたらほぼ当たらなかった、と正直に出しているのが貴重です。脱水は手首のセンサーでは難しいのかもしれません。

電子カルテの監査ログを言語モデルで学習させ、医療者の次の操作を予測できるかを調べた論文。

  • 2019〜2024年の入院診療の監査ログ2億9,500万件超で、Llama-3-8Bを2通りの表現でファインチューニングした
  • 操作内容を言葉で表した場合の次操作の予測精度は0.7473で、直前の操作だけを使うマルコフモデルの0.4230を上回った
  • 精度は時期が離れるほど下がり、後の期間では0.6555、0.6286だった。単一の操作ログ源での検討である

出典:J Am Med Inform Assoc / A language model framework for sequence modeling of audit logs to characterize clinician-electronic health record interactions.

サトシサトシ
合計時間だけでなく、どの順に画面を開いているかまで見えると、記録の負担がどこで生まれているかの議論が具体的になります。

Googleが血圧やインスリン抵抗性の傾向を追う新トラッカー「Fitbit Edge」を発表したことについて、Fierce Healthcareが報じました。

  • 価格は180ドル。運動の自動検出、高度計、血圧とインスリン抵抗性の傾向の変化を検出する機能を備える
  • 血圧の傾向機能は数十億分の心拍・動作データで学習した基盤モデルWavesFMがベース。AIコーチなどはGoogle Health Premiumの契約で使える
  • Google HealthはAbbottの市販CGM「Lingo」との接続、Function Healthの検査結果の取り込みなど連携先を広げている

出典:Fierce Healthcare / Google unveils new Fitbit Edge tracker as tech giant expands health monitoring ambitions

サトシサトシ
採血なしでインスリン抵抗性の傾向を出すという機能、外来で患者さんから画面を見せられる日が近そうです。根拠の確認が要りますね。

Johns Hopkins MedicineがAI医療検索のOpenEvidenceと医学教育と診療で提携したことについて、Fierce Healthcareが報じました。

  • 根拠となる文献、患者の病歴、Johns Hopkinsの診療方針を組み合わせて診療を支えるAIを共同で開発するとしている
  • OpenEvidenceは9月時点で米国の有資格臨床家112万人が利用していると説明している。Forbesは評価額150億ドルと報じた
  • 開発する機能の具体的な中身はまだ固まっていない段階だと、Johns Hopkins側は説明している

出典:Fierce Healthcare / Johns Hopkins Medicine taps OpenEvidence to bring AI into medical education, clinical care

サトシサトシ
教育側の副学部長が出てきているのが面白いところです。使わせるかどうかより、使う前提で何を教えるかに話が移っていますね。

改正医療法で新設された「オンライン診療受診施設」の連携先になる際の論点について、日本医事新報が解説記事を掲載しました。

  • 2026年4月1日施行の改正医療法で、患者がオンライン診療を受ける「オンライン診療受診施設」が医療提供施設に位置づけられた
  • 首都圏では2026年5月から駅のブースで受診できるサービスが始まっている。受付から会計まで約15分としている
  • 受診施設は病院・診療所ではなく、医師が出向いて対面で診ることはできない。広告では医療を提供しない旨の明示が必要になる

出典:日本医事新報社 / 自院は 「オンライン診療受診施設」の連携先になってよいのか[医療DX

サトシサトシ
連携先として名前が公表される仕組みなので、打診を受けたクリニックは契約の中身をよく読む必要がありそうです。
ニュース その他

BlackRockがHumanaのプライマリケア診療所網CenterWellの過半数持分を取得することについて、STATが報じました。

  • Medicare Advantage向けの診療所150か所を対象とする取引で、評価額は28億ドル。Welsh Carsonの持分を買い取る
  • Humanaは今後2年で既存診療所の運営、新設、買収の資金に充てるとしている。Welsh Carsonは2020年以降に少なくとも18億ドルを投じていた

出典:STAT / STAT+: BlackRock to buy majority stake in Humana’s CenterWell clinics for $2.8 billion

サトシサトシ
PEから資産運用会社へ持ち主が替わるだけで、診療所網そのものは残る。米国のプライマリケアが投資対象として回っている様子がよく分かります。
ニュース 生成AI・LLM

アステラス製薬がChatGPTをベースにした「アバター医師」でMRの会話力を鍛え始めたことについて、日本経済新聞が報じました。

  • 7月からアバター医師と面談する育成システムの活用を始め、すでに500人程度が使ったという

出典:日本経済新聞 / AIに負けない会話力 アステラスの薬営業、講師はAI医師

サトシサトシ
医師側もAIで情報を集める時代に、MRの練習相手もAIというのは皮肉で面白い構図です。薬剤師の服薬指導の練習にも使えそうです。