承認は1,357件、患者アウトカムを見た研究は3件
50本を取り上げました。論文39本、プレスリリース11本です。5点を付けた記事が18本とこの時期で最も多く、実運用の評価が集まった週でした。
承認と検証のあいだに開きがある
米FDAが承認したAI医療機器1,357件のうち、患者アウトカムを評価した研究があるのは3件、0.2%だったという報告が出ました。承認されていることと、患者の結果が良くなると確かめられていることは別だという話です。同じ週に、音声からパーキンソン病を拾うAIのAUC 0.85〜0.97が、その多くは年齢による交絡だったという報告も出ています。高い数字が何に由来するのかまで見る必要があります。
米FDAが承認したAI医療機器1357件のうち、患者アウトカムを評価した研究はわずか3件(0.2%)にとどまったという論文。
- 2025年12月5日時点のFDA承認AI/ML医療機器全件を対象に、ClinicalTrials.govとPubMedへの登録・掲載を横断的に調査
- 1357件中、登録された前向き試験に紐づくのは34件(2.5%)、患者アウトカムを評価したのは3件(0.2%)のみだった
- 研究の62%は観察研究で小規模・単一集団が多く、脆弱な集団が除外される例も目立ったと指摘している
出典:PLOS Digit Health / 1,357 AI medical devices cleared, 3 actually tested on patient outcomes.
サトシ 承認された1357件のうち転帰まで見た研究が3件というのは、規制と検証のギャップがどれだけ大きいかを示す数字だと思います
実際の診療に置いて前向きに測る研究が増えた
造影CTで肝悪性腫瘍を診断するAIを読影補助として日常診療に組み込み、1万333人で前向きに評価した研究。複数のLLMを組み合わせた救急外来の支援システムを4週間・1,138人で評価した研究。どちらもこの週です。アンビエントAIの大規模導入では、1回の診察あたりの記録時間が5.54分から4.09分へ26.2%減り(p<0.001)、手入力は51.7%減りました。ノートの文字数は28.8%増えています。
国内は入力と転記を削る方向に集まった
電子カルテの患者IDを自動で認識して録音データに紐づける機能、処方箋の事前送信をAI-OCRでレセコンに流し込みGoogleの予約サービスとつなぐ仕組みが発表されました。診断そのものより、その前後の入力を削る話です。効果を測りやすい領域でもあります。
電子カルテの患者IDを自動認識して録音データに紐づける新機能を、カルテAIアシスタント「MC-Drive for Clinic」に追加したという発表。
- 全国100件の医療機関・保険薬局(2026年6月末時点)で稼働するサービスに、2026年7月1日から患者ID自動認識機能を追加
- 月額利用料は1台目4万円・2台目以降1台ごとに1万円で、録音データは診療日ごとに最大60日間保存される
- 対応する電子カルテはメディコム社製のMedicom-HRfとクラウドカルテに限られ、他社カルテとの連携には別途動作検証が必要
出典:東日本メディコム株式会社 / 【医療DX/診療記録の負担軽減】カルテAIアシスタント「MC-Drive for Clinic」、電子カルテの患者IDを自動認識する新機能を提供開始
サトシ 患者IDが自動で紐づくのは地味だけど地味に効く機能。共有や引き継ぎの手間はこういう細部の積み重ねで減っていく実感があります
処方箋の事前送信をAI-OCRでレセコンへ自動連携する仕組みを、Googleの予約サービス「Reserve with Google」と連携させたという発表。
- 全国7000店舗以上に導入済みのAI-OCR「薬師丸賢太」と、月間1300万人が利用する「ユビー」を連携し、首都圏の調剤薬局約300店舗でサービス提供を開始
- Google検索・マップの「Reserve with Google」から薬局を予約すると、処方箋画像をAIが解析しレセコンへ自動出力する
- 対象は東京・神奈川・千葉の大手チェーン加盟約300店舗からで、全国7000店舗への展開時期は明言されていない
出典:NeoX株式会社 / NeoX、Ubieが開始する「Reserve with Google」と連携を開始 処方箋事前送信をAI-OCR「薬師丸賢太」がレセコンへ自動連携
サトシ 予約から入力までを一気通貫でつなぐ発想は良いですが、まずは300店舗規模での使い勝手の検証が見どころです